下絵
ここでは、道具の選び方と、絵を描くときの基本的なポイントを紹介します。
原稿用紙を選ぶ
下絵は原稿用紙に直接描くほか、トレースでペン入れをする(下絵を透かしてなぞる)場合は、原稿用紙と同じサイズのコピー用紙などに描きます。
原稿用紙は用途や筆圧に合うものを選びましょう。
プロ・投稿用 | 同人誌用 | |
---|---|---|
筆圧強 | B4 110Kg | A4 110Kg |
筆圧弱~普通 トーン多 |
B4 135Kg | A4 135Kg |
原稿用紙にはいくつかの線が入っています。
・内枠(基準枠)
大事な絵(人の顔など)、セリフをおさめる基本の線。
・仕上がり線(裁ち切り線)
本になるときに切り落とされる線。
・外枠
一番外側の線で、目盛りがふられていることが多い。
ページの端まで絵を入れたい場合は、仕上がり線で切り落とされた後に描き残しが出ないよう、外枠まで絵を入れておきます。
漫画用原稿用紙
漫画が描きやすいように、あらかじめ基準になる線が印刷されている用紙。目的別に、いくつかの紙のサイズや厚さがあります。
人物の描き方
人物の顔や身体のバランスは、アタリ(大まかな位置決め)をとって描くと安定します。
青や黄の線は印刷に出にくいので、下絵のアタリをとるのに便利です。
苦手な顔の向きや複雑なポーズは、デッサン用人形や写真を見ながら練習しましょう。
また、絵柄を反転させてみると、バランスが取れているかどうかが一目でわかります。
用紙を裏返し、トレース台などの光を使って絵を透かす方法があります。
背景の描き方
背景を描くときに使うのが遠近法(パース)です。
背景の線を伸ばしていくといずれ交わる点があり、その点を「消失点」といいます。
幅や高さは消失点に向かって小さくなっていき、これによって絵に遠近感が生まれます。
パース定規、シート
消失点の多い背景や遠景を簡単に描ける道具。一度使い方を覚えたら手放せないかも……
遠近感を出す透視図法
消失点は水平線上にあります。
読者の視点の高さは水平線に等しいので、この高さを「アイレベル」とも言います。
ここではわかりやすいよう、人物の目の高さを読者と同じ位置にしました。読者よりも身長が高ければ目の位置はアイレベルより上に、低ければ下にくるように描きます。
これを意識すると、背景の中に自然に人を配置することができます。
①一点透視
奥行きを表現
ものを正面から見た構図によく用いられる図法です。
背景の奥に向かう線を伸ばしていくと、いずれ画面の中で交わります。これが消失点です。
②二点透視
立体感を表現
ものをななめ横から見た構図などに使用します。人間が日常的に目にする景色に近いため、漫画の背景では最も一般的な図法です。
消失点を2つとることで、奥行きだけでは物足りなかった立体感を表現することができます。
③三点透視
高さを強調
下から見上げた構図(アオリ)や、上から見下ろした構図(フカン)を描くときに使用します。
左、右と、上下どちらかの3方向に向かって遠くなる図法です。
この場合、消失点がかなり遠くなる場合が多いので、パース定規を使用すると描きやすくなります。