QNAPによる10GbE接続内蔵NASの提案
今までの標準的な1GbEネットワーク接続の10倍の帯域幅を持つ10GbEは大幅に待ち時間を短縮し、理論性能上、1時間当たり300GBのファイルサイズとなるファイルを扱うワークフローの生産性を向上させます。
それだけでなく、10GbE NASはデータ転送に合わせ、ファイルのアクセスやストレージの高速化を実現する高帯域幅を特徴としています。
また、ドライブ故障やデータ損失から保護するRAIDに対応しています。定期的にスナップショットを作成することで、感染前のファイルをバックアップをおこなうことになりますため復旧まで想定することも可能です。そのことは感染時のリスクとビジネスの中断を最小限にする効果が見込めます。
さらに、Wasabiホットクラウドストレージへのデータバックアップも可能であり、その経路となるインターネット回線をマルチギガビット対応インターネット回線にすることで、ローカルからクラウドまで一環とした高速ネットワークをデータ制作の現場から構築することが可能となります。
クラウドストレージとオフィスの10GbEネットワークに乗せたQNAP NASとの連携することで、データ制作環境の高速効率化と制作データ保全作業の効率化を両輪で可能にします。
10GbEの恩恵を受けるためのストレージ運用フローの見直し
多くの企業がクラウドサービス利用のメリットについてよく理解しています。運営コストを最適化するために複数のサービスプロバイダを利用している企業もあります。
しかし、複数のクラウド環境を管理するのは「しがらみ」が増えます。個人が他のスタッフに仕事を共有せずに抱え込むことも起きており、返って管理コストは増大し、データは気軽にクラウド間で移行できなくなります。
インターネットブレイクアウトという言葉があるのと同様に、オフィスでの制作のためのストレージとクラウドストレージを有効活用できるようにしておくことが今後の10GbEを迎えるにあたって必要です。
QNAPをクラウドストレージの窓口として利用
QNAP NAS を LAN 上のストレージのゲートウェイとして活用することで、対応しているすべてのクラウドサービスに通常の SMB/AFS/NFS プロトコルを使ってアクセスできます。クライアント端末に余計なアドオンやアプリをインストールする必要がありませんので、不要なメンテナンスや負荷を掛けさせることなく合理化されたオペレーションをおこなうことが可能となります。
NASでサポートする使い慣れたプロトコルによるクラウドデータへのアクセスが可能なため、スムーズにクラウドストレージを利用しつつ、クラウドへのアクセス頻度を抑えることを可能としクラウドストレージ側の通信コストやインターネット回線の帯域負荷を軽減します。
10GbEのスピードを活用するため制作データはQNAPへ
10GbEを社内ネットワークに施すことで、制作データを全てQNAP NAS 上に置き、制作データのストレージゲートウェイにすることでデータ移動の大幅な時間短縮の恩恵を受けることができます。
今までのように、クライアント端末個々でクラウドストレージから必要な制作データをインターネット回線越しにいちいち取得して制作、その後、個別でアップロードするのではなく、10GbEで社内で繋がっているQNAP NASから高速に制作データの出し入れをおこなえれば良いのです。
これは、インターネットを介してクラウドストレージへの保存をQNAPにおこなわせることで、社内ネットワーク内で制作データのアクセス時間や応答時間を大幅に改善させる運用手法となります。
データが大きければ大きいほど、ファイル数が多ければ多いほど、その効果は現れてきます。
効率の良いハイブリッドクラウドストレージのインフラが生む無限の可能性によって、利用シーンはさらに拡張・拡大されるでしょう。
QNAPと連携するクラウドストレージを選択
ファイルストレージは、ファイルとしてデータを保存し、名前を付け、フォルダやサブフォルダに格納します。データは、その他のアプリで簡単に使用することができます。
ただし、ファイルの保存量にしたがってストレージ内でのファイルの検索に時間がかかるため、パフォーマンスに問題を生じさせます。
ファイルを保管するためのクラウドストレージを選択するのかどうか?という着眼点がここでは必要になります。
(例、Dropbox や Box)
一方、オブジェクトストレージというものがあります。全てのデータをフラットな構造に保管する方法となり、メタデータのカスタマイズを可能にします。このようにすることで、大量のデータがある場合でも効率的にアクセスが可能となります。
ただし、オブジェクトストレージに保存したデータは人が確認できる状態ではありません。Webブラウザでサービスにログインしてもファイルを取り出すことはでません。高速にデータを呼び出すことを目的とする場合は、AWS S3 や Microsoft Azure、wasabiのクラウドストレージが必要となります。
QNAP NASからバックアップが目的であれば、オブジェクトストレージを選択することが最適といえます。
10GbE対応に必要な設定(NASとネットワーク)
ソリッドステートドライブ(SSD)は、10GbEネットワークで期待されている速度を得るのに絶対に必要な要素となります。そして、最高のパフォーマンスを得るためにも、RAID 10の読み書きSSDキャッシュを構築することが推奨されます。また、ネットワーク全体が10GbEとなるのであれば、クライアント端末がSSDで対応しているかも重要なポイントになります。
もちろん、インフラであるネットワーク機器構成などが最重要となってくることが前提となります。