カリカチュアジャパン様は、モデルの特徴をユニークに表現する似顔絵専門店です。コロナウイルスの影響で、全国各地で展開する店舗や教室の休業を余儀なくされましたが、オンライン会議システム「Zoom」の導入で、新しい事業形態であるオンライン似顔絵教室やオンラインの似顔絵制作店を開始しました。Zoomの導入背景や具体的な活用方法について、代表取締役Kage氏にお話を伺いました。
導入のきっかけ
当初はオリンピックによる交通網の混雑を避けるため、全国から社員が集まる社内会議をオンライン開催したいというのが検討のきっかけでした。しかしそれ以前にコロナウイルスの影響で、多くの生徒が集まる教室での授業や、お客様と対面でおこなう似顔絵制作を断念せざるを得ませんでした。先の状況がまったく読めないなか、「絵を楽しんで描いてもらう環境や、向上心を失わないようにしたい」といった思いから、遠隔地 でも顔を合わせてコミュニケーションが取れるツールである「Zoom」の導入を、予定よりも前倒しすることになりました。
Zoomを使用したオンライン似顔絵教室を開始
コロナウイルスの影響で、4月は全国で展開している5つの似顔絵教室はすべて休校となりました。生徒へのフォローもままならないうえ、教育関連の売り上げも一気に落ちてしまいました。まずは全国で運営がストップしていた教育事業にZoomを活用することにし、6月から似顔絵教室の「一般クラス」をオンラインで開始しました。
生徒は自宅にいながら、Zoomを通じて講師から似顔絵制作のレクチャーを受けます。Zoomを初めて利用する講師ばかりで、生徒も幅広い年代が参加していますが、操作方法が直感的に分かりやすく、数回実践を積むことでスムーズに使用できるようになりました。資料を参照する場合は画面共有機能を使い、生徒へのフォローも問題なくおこなえます。Zoomへの参加もミーティングIDやURLを送るだけ、そしてZoomの有料ライセンスを持っていない生徒でも参加可能なのも助かる点です。教室は1回2時間ですが、途中で映像や音声が途切れるといった問題も起きていません。
その後、プロアーティストを目指す人に向けた教室「プロ養成コース」もZoomを使用して再開させました。「プロ養成コース」は人材発掘の役割もあります。カリカチュアジャパンとしては、全国を対象にオンラインで採用活動ができるようになりました。
さらに、Zoomは世界中で使用されているツールであるため、香港でもこのコースをスタートさせました。今後は中国や韓国、アメリカでの開催も予定しています。カリカチュアジャパンの授業を受講したくても金銭的に東京まで足を運べなかった方や、海外在住で長期滞在が難しかった方も、Zoomでのオンライン教室なら場所にとらわれず参加できます。今まで授業を受けられなかった人にとって可能性が広がったと思います。
オンラインで似顔絵を作成
全国どこからでも、お客様の似顔絵を作成できるZoomを使用したオンライン店舗も立ち上げました。お客様側の操作としては、無料アプリ「ZoomCloud Meetings」をあらかじめダウンロードしていただき、後日お送りするZoomの参加に必要なIDとパスワードを入力していただくだけなので非常にシンプルです。
店舗での似顔絵作成と同様に会話を楽しみながらスケッチすることで、お客様の内面も作品に反映できます。完成した作品は、メールでデータ納品しています。お客様の中には、依頼者様と遠方にお住いのお孫さんと一緒に似顔絵を作成してほしいとのご要望をくださった方もいます。それぞれが別の場所にいたとしても同じ空間にいるように似顔絵を作成できるので、とても喜んでいただけました。従来の店舗形式では叶えられなかったので、オンラインならではのメリットです。
社内ミーティングでの活用で経費の大幅な削減に
教室や似顔絵作成以外で、社内ミーティングにも活用しています。月に1回開催するミーティングでは今まで日本全国から100名以上の社員が集まっていたこともあり、交通費や宿泊費など、かなりの経費がかかっていました。しかしZoomを活用することで、ネットワーク環境や端末の整備だけで済むので、大幅な経費の削減につながりました。
オンライン会議では、いかにインタラクティブに活用できるかを意識しています。Zoomには画面表示を「スピーカービュー」にすると話し手に画面が切り替わり、「ギャラリービュー」にすると、参加者が全員表示することができます。一方通行なディスカッションがおこなわれないように、適宜「ギャラリービュー」に画面表示を切り替えることで、一人一人の顔をじっくり見ることができます。
参加者の顔に疲れが見えた時に、話題を変えたりブレイクタイムをとったりしてより実りのある運営を心がけています。実際の会議では全員の表情をチェックするというのは不可能でしたから、これもZoomならではの魅力です。
業界に理解のあるTooからの導入を決定
画材としてコピックを使用していることから、Tooさんとはもともと信頼関係がありました。
他のオンライン会議システムと比較検討する上で参加した個別デモ会では、Zoomについて一から丁寧に説明してくださいました。業界に理解があり、ユーザーの気持ちを第一に考えた細やかな心遣いに感謝しています。検討段階からいろいろと相談や質問をしましたが、わかりやすく回答いただきました。導入後もいつでも相談に乗っていただいています。
今後の展望
コロナ禍が収まったとしても、今後もZoomを活用し続けます。時代もデジタル主体に大きく変化していくと思います。オンライン店舗を強化して、Zoomを活用した新しいサービスや教育に挑戦していきたいです。実際にZoomを導入してみて、工夫次第で活用方法は無限だとわかりました。
現在構想しているのは、リアルタイムで海外と接続し、24時間ライブを開催することです。Zoomというツールを使いながらこの業界でどこまで事例を作ることができるか、「会議に便利だ」という理解を超越した活用を考えています。
※記載の内容は2020年10月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。