井村屋様はあずきを原料とした商品を中心に、菓子、食品、デイリーチルド、点心・デリ、冷菓、冷凍和菓子の製造・販売及びそれに付帯する事業、レストラン事業をおこなう食品メーカーです。DXを活用した生産性向上の一環として、デザイン制作における校正のデジタル化が課題となり、オンライン校正ツールZiflowを導入されました。導入の経緯や効果を、開発部デザイン・マーケティングチームのチーム長 来田様と、中川様、夏目様に伺いました。
誰でも使えるユーザビリティを重視
Ziflowの導入に至るまでにいくつかの他社製品を検討しました。機能は豊富でしたが、使い勝手やUIが当社の求める姿と合致せず、オンライン校正の導入は難航していました。展示会で見かけた御社のブースで相談したことをきっかけに、以降さまざまなソリューションのご提案をいただきました。中でもZiflowはトライアルしてみて使いやすさが実感できたこと、またデザインチームのメンバーからも評価が高かったため、全社での運用においても高い親和性を期待できました。
導入にあたり重視したことは、リアルタイムで複数人が同時に校正できることです。レスポンスが良く他の人が入れた修正もすぐに表示されるため、修正指示同士が被ることがありません。アカウントのない人でもレビュー作業ができるため、コストを気にせず他部署への案内ができました。校正をデジタル化することでデメリットも考えられましたが、大きな問題も無くスムースな移行ができることが導入につながりました。
Ziflowを使い始めて印象的だったことは、操作性の良さと動作の速さでした。特にプルーフへのアクセスや画面の拡大縮小がとてもスムーズです。アイコンもわかりやすく、直感的な使いやすさも好評です。校正に特化してあえて機能を絞っていると思われますが、あれこれ設定する必要が無いためすぐに使い始められることができました。
商品カタログや販売促進POP、広告原稿では紙での校正がほぼゼロに
商品パッケージは現物確認するため一部紙が必要となりますが、商品カタログ、販売促進POP、広告原稿については100% Ziflowに置き換えることができました。デザインチームで使用する紙を全体で70%減らすことができました。
まずは商品カタログで使用しました。商品カタログはカテゴリごとに分かれている上、ページ数も多いことから修正の数が膨大になります。一稿目、二稿目で紙が真っ赤になるほど修正指示が入り、付箋も大量に貼られている状態になると修正箇所を把握するだけでも困難になります。また、相反した修正内容などもあり確認するだけでも時間がかかってしまいます。
Ziflowでは修正箇所が認識しやすく、返信機能を使えば修正指示の確認作業もZiflow上で完結します。写真の中の修正箇所も、便利なツールのおかげで的確に指示することができました。
複数人でもリアルタイムにコミュニケーションが取れる
校正自体の工数が減ったわけではありませんが、紙の回収、複数の部署からの修正をまとめる作業、校正用のプリントアウト作業が無くなり、デザインチームの負担は8割減ったと感じています。デジタル化ならではのメリットと感じています。
Ziflowを使うことで、複数の部署の人たちが同じ場所でコミュニケーションをとりながらレビューできるので、すごくやりやすくなったという声も上がっています。紙の校正では、各部署からの「ここはこの部署に確認して」という依頼を取りまとめてからの確認作業が煩雑でした。Ziflow上での当事者間でのコメントのやりとりで確認作業が終わるようになり、以前のようにデザインチームが間に入ることも不要になりました。
スムーズな校正回覧が実現
PDF出力に対応しているので、セキュリティの都合上Ziflowの取扱いができない顧客に対しても校正依頼がしやすいです。制作会社もいつでも修正内容の確認ができるため、早い段階で修正のボリュームがチェックでき、全体として制作リードタイムの短縮に貢献しています。
また、社内ルールとして校了済の紙は3年保管する必要があります。Ziflowのアーカイブ機能に置き換えることで管理が容易になりました。
紙の回覧と同じ承認フローをZiflowで再現
Ziflowは校正期限内であればいつでもアクセスして確認作業ができます。メンバー全員が校正時間をフルに活用できるので、スケジュール調整がしやすく業務全般に良い影響が出ています。時間があるのに校正できない「校正待ち」や、その逆の期限間近の「急ぎ校正」など、紙の回覧ならではの問題も無くなりました。
また、機能の一つであるステージを使えば、専門部署で先にチェックをおこなうことで、後の校正部署の負担を減らすこともできます。
提案型で返答をくれることが信頼感に
御社のことは以前から知っていて画材屋の印象が強かったのですが、展示会でデザイン業界に特化したソリューションを提供していることを知り、いつかお願いしたいと思っていました。導入にあたり、こちらからの要望に対してただ「できない」と言うのではなく、こういう方法もあるなど提案型で返答をくれたことが信頼につながりました。
今後は知財管理にもZiflowを利用したいと考えています。Ziflow上でのコミュニケーションのしやすさは、法務関連部署との意匠の確認業務にも生かせるはずです。表示もきれいなので、複数のデザイン案から好みや意見を募るアンケート投票をZiflow上でおこなうなど、ちょっと変わった使い方も試しています。
※記載の内容は2022年4月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。