- 多様なニーズを満たすために、人とキャラクターが講師を務めている
- すでに3Dの体を持つキャラクターのかわいらしさを多層化するために2D VTuberの制作を決定
- 2D制作のロードマップをTooが示すことで迷いなく完成まで進むことができた
- 収録が簡略化されることによって動画制作の効率化にも期待
- 受講者の期待に応えるためにキャラクターの選択肢をさらに増やしたい
株式会社ベネッセコーポレーション様は、「教育・生活」領域を担い、幼児を対象にした「こどもちゃれんじ」や、小学生から高校生までを対象にした「進研ゼミ」等のサービスを展開されています。
「進研ゼミ」中学講座のオンライン授業には、勉強を教えるVTuber「Vティーチャー」が登壇している授業があります。「なるほど!理解!な授業を目指すVティーチャー」として、2020年に誕生したのが公式VTuberの【なるり】です。
今回は、3Dの体を持つキャラクターの新たな表現に挑戦するために、企業や製品のイメージに沿ったVTuberの提案からキャラクターデザイン、データ制作などをおこなうTooの「2D VTuber制作プラン」で2Dモデルを制作いただきました。導入の経緯や効果を、オンライン指導開発部 山崎様と、中学生商品開発部 古岡優実様にお話を伺いました。
勉強への意欲を高めるVティーチャー
古岡様(以下、敬称略):
以前から「進研ゼミ」には、実在する社員をモデルにした「編集室キャラクター」が教材に登場していました。一方で、進研ゼミを受講している人しか知らない特別な存在でした。キャラクターをより壮大な世界観で表現し、共感できるストーリーを携えるために「キャラクターPJ」というプロジェクトが始まり、誕生したのがVティーチャーです。
山崎様(以下、敬称略):
多様化が進む現代で、講師は人が良いという会員さんも、キャラクターの方が親しみやすいという会員さんもいます。人が教える、キャラクターが教える、どちらかが正解なのではなく、生徒の感性に近づき、より受講しやすい形を増やしていきたいというのが発端でした。
古岡:
6人いるVティーチャーの中の1人である【なるり】は担当の教科を持たず、ちょっとドジだけれど、常に隣で生徒を応援してくれる存在として生まれました。教材の中にとどまらずYouTubeでの活動や、SNSコミュニケーション、グッズ制作などの活動を通じて、進研ゼミ中学講座の会員の中で浸透してきました。もっと活躍の場を広げたい、大きく成長したいと思い、新たな見せ方、動かし方などがないか模索していました。
キャラクターの魅力をより活かせる2D VTuber制作を決定
山崎:
そのような折にTooさんのVTuberセミナーを視聴したことがきっかけで、VTuberを用いるためにどういう手法があるのか、どういう表現が実現できるかをお尋ねしました。Too公式2D VTuberである「渋谷いずみ」の活用事例などを見せてもらい、すでに3D VTuberとしてお客様への認知度も高いキャラクターが、2Dという新しい表現手法を持つことで、活躍の幅やフィールドが増えるイメージが膨らんできました。
3Dでの表現はモーショントラッキングを用いることで、全身の動きを表現できるメリットが大きいですが、細かい表情や表現がしづらく、視聴者の学年によっては、共感を得にくいことが少なくありません。豊かなアニメーション表現に慣れた世代に向けて提供する場合、2Dの柔軟な表現方法の方が共感されやすいシーンが多いのではないかと考えていました。【なるり】のかわいさを多層化するためにも、2D VTuber制作を依頼することにしました。
会話の中では私たちの要望を汲み取り、多面的に情報提供をおこなってくださいました。一軸ではなく多軸で展開してくださる印象を強く持ったため、まずはTooさんと一緒に何かをしたいと思えたことも大きかったです。私たちは2D VTuber制作の知識はありませんでしたが、進め方を含めてすべてを任せられたところも安心でした。
初めての2D VTuber制作でも具体的な完成形を描くことができた
古岡:
まずは2Dならではの動きとして、キャラクターの可動域や表情のパターンなどをレクチャーしてもらいました。具体的なイメージ共有もあり、3Dのキャラクターである【なるり】が人間らしい動きをするのに対し、2Dはアニメらしさを活かしたキャラクターとして制作することにしました。
山崎:
イラストレーター様に作ってもらったデザインをもとに、Adobe Character Animatorでキャラクターの動作設定をしてもらいました。各動作や設定の打ち合わせでは、リアルタイムでキャラクターを動かして説明いただくことで、想定や想像の範囲と範囲外を明確に示してくださり、動くものは動かして、整理する情報は整理してから、進捗や稼働する様を見せてくださいました。打ち合わせ中は専門用語も丁寧に説明いただきつつご案内いただけたことで、理解できないまま進めるような事は一切発生しませんでした。
古岡:
完成品は2頭身ほどにデフォルメされたキャラクターになり、想像以上にかわいく仕上がりました。さらに親しみやすい存在として会員さんにどのような影響を与えられるのか、さまざまなシーンでの運用を検討している段階です。
動画制作をさらにスムーズに。小学生や高校生への展開にも期待
古岡:
2Dになった【なるり】は、上半身に動きをつけられます。収録に必要なのはバストアップだけなので パソコンとウェブカメラがあれば収録が可能で、場合によってはスマートフォン1台でも撮影できます。3Dの【なるり】の運営には、声・モーション収録、動画編集などが必要なため、できあがるまでにたくさんの時間を必要とします。動画制作をスピーディーに回すためにも、今回生まれた2Dの【なるり】に期待しています。
幅広いお客様の層すべてにマッチするキャラクターを生み出し続けたい
古岡:
6人のVティーチャーの中で、2D化したのは現段階で【なるり】だけです。理科の先生が好きな子、社会の先生が好きな子など、自分のイチオシがいる会員さんに応えるために、他のVティーチャーたちの2D化にも挑戦したいです。バーチャルの世界に生きているキャラクターたちとつながり続けられる世界を作ることが目標です。
山崎:
引き続き、キャラクターの選択肢を増やしていきたいです。好きなキャラクターに「頑張っているね」と声をかけられることで、受講している方から喜びのリアクションをいただくことが多いです。多様な環境や、好み、目標をもって参加いただく多くのお客様に、進研ゼミのキャラクターだからこそ生み出せる特別なインタラクションを創出する手法として、キャラクターと共に成長していく事を目指します。
TEL:086-225-1100(代表) ウェブサイト
※記載の内容は2023年6月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。