株式会社陽進堂は、原薬の製造から医薬品の開発・製造・販売まで一貫しておこなっている、国内でも数少ない ジェネリックメーカーです。昭和4年に富山で創業し、数々の医薬品を世に送りだしてきました。 陽進堂の医薬品に付けられる添付文書の校正に、現在ではProof Checker PROが利用されています。 富山市内の広大な敷地に、総合研究所、原薬工場、製剤工場などの施設が建ちならぶ陽進堂本社で、 購買部資材課の吉田洋二課長、田中寛子様にお話を伺いました。
Proof Checker PROは機能的に一番満足行くものだった
Proof Checker PRO導入のきっかけ
吉田:
当社は病院向けの薬を製造・販売しています。「添付文書」は効能の詳細から副作用まで注意点が書いてある文書で、医薬品に添付されて医療機関に納入され、医師・薬剤師が目にするものです。これはPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に届出する必要もある重要な公文書で、記載項目や載せる順番も決められています。
田中:
当社ではこの添付文書の制作を内製しています。以前はWordで作っていたのですが、2011年から添付文書作成の専用システム「添文 x-Magic※(以下x-Magic)」を導入しました。このx-Magicを導入した会社から、電子校正のためのソフトウェアとして紹介されたのが「Proof Checker PRO」でした。
吉田:
他社の競合商品も検討したのですが、1ページ単位の比較であったり、1箇所ずれたら以降が全部真っ赤になる(変更箇所と認識される)など機能的に物足りないものもありました。Proof Checker PROは一番機能的に満足行くものだったことから導入を決めました。
※「添文 x-Magic」は、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズの医薬品添付文書管理・生成システム
添文 x-MagicとProof Checker PROの組み合わせで、ミスが起きにくい環境を構築
導入しての効果
田中:
Proof Checker PROは添付文書の校正作業に使っています。以前、目視でチェックしていたころは、文書全体を何度も見直しをして、そのうち自分の目が信じられなくなるなど疲れる作業で時間もかかっていました。Proof Checker PRO を使うと、変更されたところだけが浮かび上がって分かるので、そこだけ確認すればいいようになりました。かなり楽になり時間短縮にもつながっています。
場合によりますが、1日作業だったのが2時間くらいで終わるようになったものもあると思います。
吉田:
一時期、ジェネリック医薬品の製品名の変更が大量に発生したことがありました。それまではジェネリックメーカー各社がそれぞれにブランド名を付けていたのですが、取り違え防止のために「成分名+剤形+含量」といった名前に統一することが推進されたのです。こういった大量の変更作業が発生した際の校正もProof Checker PROのおかげで作業効率が向上しました。
吉田:
当社の自社商品は250くらいですが、有効成分ごとにまとめた添付文書の数は150程となり、更に同じ薬で販売元が違う製品も作っており、それらを含めると現在300品目以上扱っています。販売会社が違う製品は添付文書もそれぞれ別で作り、たとえば1つの商品に3社分あれば3つの文書を作って見比べる必要がありました。
田中:
Wordで作成していたときには、販売会社ごとに複数のファイルに分けて作成しており、改訂が入った場合の修正を各ファイルにおこなうためミスも発生しがちで校正が大変でした。また、修正した箇所以外のところがずれてしまうなどのトラブルが起きることがあり苦労しましたが、x-Magic ではそういった不具合も起きません。
現在は、x-MagicとProof Checker PROの組み合わせで、ミスが起きにくい環境を構築できています。
Too:
修正した箇所以外のところが予期せず変わってしまうというDTPで起きがちなミスを発見できるところを、Proof Checker PROを導入してのメリットとして評価いただいている企業も多いのですが、陽進堂様の場合は「添文 x-Magic」導入による効果も大きいようです。
指示と合っているか、修正した以外のところが変わっていないのかをProof Checker PROで校正
ワークフローについて
吉田:
添付文書の改訂は、新しい効能が追加されたときなどにおこないます。また、新薬メーカーが文書の内容を変更した場合に、ジェネリック医薬品が同じように変更するというケースも多いです。安全管理部門から指示が来て、それに合わせて改訂作業をおこないます。改訂した文書に対して、指示と合っているか、修正した以外のところが変わっていないのかをProof Checker PROで校正しています。
田中:
x-MagicからPDFに書きだしたファイルを元にProof Checker PROで照合し、結果をプリントアウトしたものを見てチェックしています。変更前と後とを並べて見られるのが分かりやすいですね。編集者と校正する人の2人体制で作業をおこない、その後、吉田課長のチェックを経て、安全管理部門で確認してもらいます。
突発的に作業が必要となり、時間的に余裕のないことも多いのですが、Proof Checker PROのおかげで校正作業が短時間で済むようになり、作業の時間短縮につながっています。
吉田:
医薬品は生命にも関わる重要なものなので、ミスのない情報を早く伝えるためのシステム作りには力を入れています。多いものでは月2万部ほど印刷する添付文書もありますが、最終的な印刷物の検査については品質検査部がおこない、文字の欠けやかすれなどのチェックもおこなっています。
導入時にTooの作った設定で使用中
操作において迷うことや困ったことはない
使用状況とProof Checker PROへの要望
田中:
添付文書はだいたいA4で4ページ程度のものが多いのですが、Proof Checker PROでの処理にかかる時間には満足しています。数秒単位で終わっている感覚です。
Proof Checker PROを使用しているのは3人です。導入時にTooから説明会をおこなっていただいたこともあり、操作において特に迷うことや困ったことはありません。設定なども特に変更せず導入時に作ってもらった設定で使っています。
要望としては、可能かどうかはわかりませんが、アウトライン化したものとテキストのままのものとで文字のチェックができるようになるとうれしいです。印刷会社から文字をアウトライン化されたPDFを受け取った場合、チェックをかけた場合に、テキストのどこが変わったのかが分からないというケースがあります。
陽進堂について
吉田:
当社は研究開発に力を入れており、有効成分を自社工場で製造しているのが特長です。有効成分である原薬と医薬品との両方を開発・製造しているジェネリックメーカーは日本で数社しかないはずです。
最近はバイオテクノロジーを応用した医薬品の開発もおこなうなど、新しい分野にも積極的に取り組んでいます。
株式会社陽進堂
〒939-2723 富山県富山市婦中町萩島3697-8
設立:昭和37 年(創業 昭和4年)
昭和4年の創業以来、健康と社会に貢献する製薬企業として、独創的な技術と思想により、数々の医薬品を世に送り出してきました。ジェネリック医薬品の開発にもいち早く取り組み、現在では200品目以上の医薬品の製造・販売をおこなっています。
担当営業からのコメント
陽進堂様では編集制作工程においても専用のアプリケーションを使用され、添付文書の編集制作に積極的に取り組んでおられます。医薬品の添付文書の校正は、製薬企業のみならず関連の印刷会社においてもミスの許されない非常に重要な工程です。今回、Proof Checker PROを大変評価いただき、添付文書の校正作業時間を大幅に短縮出来たことは本当に良かったと思います。このような企業様にProof Checker PROを採用いただけたことは、営業担当として嬉しく感じるとともに大変感謝しております。