日光ケミカルズ株式会社様は「創造性の涵養(かんよう)」を社是に掲げ、パーソナルケア・医薬品・化成品原料の研究開発と販売、安全性評価・有用性評価試験の受託仲介など、幅広いサービスを展開されています。
今回はオフィス複合機 CANON imageRUNNER ADVANCE DX C5850F(以下、imageRUNNER)を、クラウドIT型ID管理・統合認証サービスOktaと連携し、管理に必要な工数を削減されました。導入の背景や効果を、管理本部 IT企画推進室 コーポレートITグループ 佐野綾乃様と、管理本部 人事部 総務グループ 関啓輔様に伺いました。
ITの力によって従業員の働く環境を整える
佐野様(以下、敬称略):
私はIT企画推進室コーポレートITグループに所属しています。従業員が使用するデバイスや、クラウドストレージ、クラウドIT型ID管理・統合認証サービスOktaなど、グループ会社全体で活用しているITツールの運用・管理と、活用の促進が主な業務です。弊社では従業員のユーザーエクスペリエンス向上とセキュリティ強化の観点から、ITツールを導入する際にはOktaで統合できるかを選定条件の一つに入れています。
関様(以下、敬称略):
私が所属している人事部総務グループでは、会社の窓口として日々の来客や電話対応、複合機やパソコンなど備品の準備、従業員の入退社の対応などを担当しています。私たちが所属する2部門は、新入社員が入社したときに最初に会う部門として連携して動くことが多くあります。業務で使用するツールの説明はIT部門が、社内設備の利用ルールや、人事制度の説明は総務が研修を担当しています。
近年はグループ全体で「NIKKOL 25 for 2030」というビジョンをかかげ、2030年までに実現したい25の目標達成に向けた取り組みに注力しています。我々の部門では「人事・労務マネジメント」領域の目標を、ITの側面から進めています。今回の複合機とOktaの認証連携に関しても、目標に含まれる「働き方開発」の一環として取り組んだ背景があります。
本来の目的であったカード認証による印刷制御が構築できなかった
関:
複合機に関して、カード認証で印刷制御をする運用が始まったのは2019年ごろです。それまでは印刷指示をすると勝手に出力され、誰でも印刷物を取れてしまう状況でした。そのままでは情報漏洩につながる可能性があり、セキュリティを強化する必要がありました。Microsoft Entra ID(旧Azure AD)とOktaなどによるID統合基盤が構築されていましたので、当時は他社から複合機を導入して、 Microsoft Entra IDでカード認証によって出力できる環境を構築しました。
佐野:
その後2021年に、ID管理をOktaに完全統合しました。ID管理がすべてOktaに集約されたことで、Oktaの配下に Microsoft Entra ID 、さらにその配下に以前の複合機という構成になりました。経路が複雑になったためか、認証がうまくいかない期間が1年ほど続きました。
認証が使えないとそもそも印刷ができないため、ビジネスが止まってしまいます。仕方なくカード認証を切って対応していましたが、本来の目的であったセキュリティ対策ができず、トラブルも続き、私たち管理者の工数が非常に多くなってしまいました。
関:
サポートに原因を問い合わせても、なかなか解決に向かいませんでした。そこで、日頃からMacやApple専用のデバイス管理サービスJamf Proでお世話になっているTooさんに相談しました。
複合機のユーザー登録作業やユーザーからの問い合わせはゼロになった
関:
一番の課題であった認証部分を検証してもらい、Oktaで問題なく構築できることが分かりました。Slackを通してコミュニケーションできることもあり、疑問や困りごとにすぐ対応してもらえました。相談の段階から非常にスピーディーに進んだことが導入の決め手でした。
佐野:
imageRUNNERの導入後は、以前はトラブル続きだったカード認証が問題なく使えるようになりました。従業員の仕事を止めない安心感が生まれました。また、Okta自体にユーザー登録ができていれば、複合機用のユーザー情報も自動で割り当てられるため、新入社員の複合機に関するアカウント作成作業がゼロになりました。認証経路がシンプルになったことで、クラウドストレージツールなどの他システムと複合機の連携に関する問い合わせもゼロになり、複合機にかかる工数はかなり削減されたと思います。
MacとWindows PCのどちらからでも同じ環境で印刷できる
佐野:
カードの登録作業についても、以前は手順が煩雑でしたが非常に楽になりました。
まず、ウェブ上で複合機のシステムにログインすると、カードの登録番号が発行されユーザーにメールで送られます。カードをタッチし、登録番号を複合機に入力するだけで登録が終わります。1台登録すれば連携している複合機でも印刷が可能な上、ユーザーに一連の登録作業を任せられます。
関:
また、弊社では業務利用PCを選択制にしており、MacとWindowsが混在しています。以前の複合機はMicrosoft Entra IDで連携していたため、Macユーザーはわざわざ仮想デスクトップ環境を作って、擬似的にWindows環境にする必要がありました。今回のOktaを使った認証はMacからでも直接印刷指示をかけられるので、デバイスの違いによる差異がなくなりました。
従業員が仕事に集中できる環境を構築していきたい
佐野:
従業員はOktaによる認証に慣れているので、その当たり前の形を複合機でもTooさんに構築してもらえました。コーポレートITグループとしては、従業員が何も気にすることなく、日々の業務に集中できる環境を構築できたことが何より嬉しいです。
関:
日光ケミカルズには、大阪の支店や、板橋の研究所など複数の拠点があり、それぞれに複合機が設置されています。それらの拠点にも、今回と同じ仕組みを展開していきたいと考えています。さらに長期的な視点では、グループ各社とも複合機を統一して、全国どこからでも同じ条件で使える環境を目指していきたいです。
※記載の内容は2023年11月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。