- 生徒1人1台のデバイス導入のため、ネットワークの増強が必須だった。
- コミュニケーションがスムーズになることで生徒がアイデアを実現しやすくなった
- インフラ整備をTooに任せることで教職員が本来の仕事に専念できる
- 次の目標はCAI教室のメディアラボ化の実現。
古都鎌倉の豊かな自然と歴史的な史跡に囲まれた、学校法人鎌倉学園中学校・高等学校様。中・高一貫教育の方針のもと、基礎学力を身につける授業だけではなく、「自主自律」の精神を養うための教育を展開されています。
同校では生徒1人1台のデバイス導入に合わせ、校内のネットワーク環境の再構築をおこないました。デバイスを同時接続した際の安定性や、周辺を山に囲まれた立地による不安定な公衆回線を補う屋外無線LAN環境の構築、持続可能なネットワーク環境の整備を目的に、構築を一貫してTooにお任せいただき、電波干渉にも強いフルノシステムズ無線APなどを導入しました。導入の背景や効果を、CAI教室(Computer Assisted Instruction, コンピューター支援教育)担当の田嶋克弘様、神田基成様、柴崎美夏様、柴田直樹様に伺いました。
生徒が自主的に学習に取り組む環境づくりを目指す
田嶋様(以下、敬称略):
私たちはCAI教室の担当として、コンピューター室でiMac等を使った教育の環境整備や維持をしながら、生徒のICT教育全般を支援しています。
神田様(以下、敬称略):
授業で利用するGoogleアカウントの配布や生徒・教職員のデバイスの手配、修理対応、備品の保守などをおこなっています。それぞれが担当している教科では、自主自律の追求を目指し、道半ばではありますがアウトプットに重きを置いた授業を展開しています。
柴崎様(以下、敬称略):
情報科では、自分がやりたいことを実現するためのツールの一つとして、PCを使った授業をしています。基本的な知識やスキルを身につけてもらうため、アドビ製品を使ったポスター制作や動画編集の授業などもおこなっています。
生徒1人1台のデバイス使用に耐えられるネットワーク環境の構築が急務だった
柴田様(以下、敬称略):
9年ほど前の学校の耐震工事を機に、Tooさんに相談してネットワークの構築を段階的に進めていました。当時も各教室にネットワーク環境はありましたがほとんど使われておらず、映像教材を見せたい時にはプロジェクターが設置された教室に移動する必要がありました。第一段階として、どの教室でも映像教材を見せられる環境の構築を進めました。
第二段階として、総合学習など4〜5人程度の生徒のグループにデバイスを1台貸与して使用できる強度のネットワークを構築していきました。
田嶋:
その後コロナウイルスの流行もあり、家庭学習と授業を連携するために生徒1人1台のデバイス導入を2022年度に完了できるように進めることになりました。本校には1学年180人ほどが在籍していますが、これまでの環境では全員がGoogleフォームを一斉に開くことも難しく、ネットワークの増強が必須でした。
インフラ整備をTooに任せることで教職員が本来の仕事に専念できる
柴田:
そこで、再びネットワークの増強をTooさんにお願いしました。3棟ある校舎や体育館、グラウンドなどで再構築してもらい、デバイスの同時接続に耐えられるようになったことでストレスも減りました。私たちはネットワークの専門家ではありませんから、一からサポートしてもらえた点は安心でした。
田嶋:
耐震工事と同時に最初にネットワークを再構築しようと試みた際、担当者の異動などで以前の構成図が見つからず苦労しました。持続可能な学びの環境を構築する上で、一貫して担当してもらえるのは非常に助かります。何かと頼られがちな情報科の教員も、本来は授業の運営や教室の管理が業務の中心です。情報科の教員に本来の業務に専念していただくためにも、ネットワークの困りごとを相談できるのはありがたいです。
ネットワークの整備で生徒のアイデアを実現する機会を創出
田嶋:
本校は山の裏側に位置していることから、グラウンドの場所によっては携帯の電波が届きませんでした。ネットワークにつながったことで、運動部の生徒たちは練習の様子を各自のデバイスで録画し研究することができます。ネットワーク環境が整ったことで格段に便利になりました。
体育館にもネットワークを整備しました。例えば文化部で練習時に全員が揃わないような場合でも、生徒同士で録画した動画を休んだ生徒に共有することができます。他校の生徒と合同で企画を進行する際にも、ウェブカメラが使えることで意思疎通がしやすくなりました。
柴崎:
学園祭でも、増強されたネットワーク環境が活きました。受付の際に来場者に事前にメールで配布しているQRコードを表示してもらい、それを生徒がiPadで読み込み、その情報がスプレッドシートに送られチェックできる仕組みを生徒が考え、スクリプトも組んでくれました。ネットワークが構築されているからこそ、生徒が思い描いたアイデアを実現することができました。
田嶋:
授業中に職員室にかかってくる電話や来客に関しても、チャットツールが使える状態になり、学校放送が格段に減りました。これまでは生徒との面談中でも、学校放送が入れば職員室に向かわなければいけない時がありましたが、今は用件があればチャット1本で済むようになりました。職員会議の時間も減り、生徒と向き合う時間が増えた印象です。
探究心を掻き立てる学校の設備づくりに注力したい
神田:
ネットワークが当たり前に繋がるようになったことで、学習内容を管理できるGoogleクラスルームを通じて課題を提出する教科もあります。授業中では拾いきれなかった生徒の考えや感想を後からフィードバックできるようになり、学習の記録も蓄積しやすくなりました。一方で、膨大なデータの蓄積を与えただけで生徒が賢くなるわけではありません。教職員も生徒と一緒になって、学習意欲を引き出すような授業づくりに取り組む姿勢が大事だと感じています。
田嶋:
次の目標は、CAI教室のメディアラボ化の実現です。映像編集向けに高スペックのデバイスを置いたり3Dプリンターなどを置いて、探究心を掻き立てる空間を提供していきたいです。ただ、一過性にならずみんなが使いこなせるスペースにするためにも、まずは生徒個人がデバイスを持ち寄ってゆったり過ごすことができる交流スペースのようなものを目指していきたいと思います。Tooさんには今後も引き続き、本校にないものを本校に合った形で提案してもらえると嬉しいです。
Tel:0467-22-0994 ウェブサイト
※記載の内容は2023年5月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。