株式会社イトーキ様は、『明日の「働く」を、デザインする。』をミッションに、オフィス家具の製造販売やITソリューションの開発から、人々のワークスタイルに合わせた空間デザインのご提案まで幅広く事業を展開されています。
今回、ビジュアルワークスペース「Miro」を全社的に導入された経緯や効果を、DX推進本部 デジタルソリューション企画統括部 デジタル技術推進部 部長 秋山 恵様に伺いました。
空間のDXを通じて新しいコミュニケーションのかたちを創造する
秋山様(以下、敬称略):
イトーキは、オフィスを中心に空間をプロデュースする事業を展開しています。場所に囚われず働くことができる昨今、居心地が良く、関係構築ができる場所としてのオフィスのニーズが高まっており、それに応えられる空間づくりに注力しています。また空間を作って終わりではなく、ユーザーの声をデータ化し、空間にフィードバックさせていくことにも注力しています。
DX推進本部では、社内外に向けて空間のDX化を推進しています。オフィスを中心にソリューションを提案してきたノウハウを学校へ展開し、最新のデジタル技術を取り入れた新しい学びの空間を提案する「ITOKI Smart Campus Solution」という企画を、産官学で共同研究しながら進めています。
また、社員が使うPCやスマートフォン、アプリケーションなどのインフラを整える役割や、オウンドメディアを通してイトーキ社内の働き方やコミュニケーションのかたちを社外へ発信する取り組みも行っています。
「Miroアンバサダー」が社内のMiro活用を推進
秋山:
Miroは、元々フリープランでさまざまな部署で使われていたことから、機能をフル活用できるエンタープライズプランで全社的に導入しました。 デジタルソリューション企画統括部で使用しているほか、研究開発部門や、空間デザイン部門がお客様にプランをご提案する際など、全社で社内外のコミュニケーションにMiro を活用しています。
全社展開のために、利用する各部門から若手を中心に「Miroアンバサダー」という役割を選出して、利用促進を図っています。Miroの使い方や機能などを学び、部門へフィードバックしたり、Miroアンバサダーである社員間で自部門での活用例などを共有しています。利用する各部署に2、3名はMiroに詳しい人がいる体制を整えています。
Miroを活用し、お客様とインタラクティブに空間を考えていく
秋山:
Miroは各部署のさまざまな仕事で使われています。例えば、お客様に空間をご提案する際に、ワークショップを通して一緒に考えていく時にも利用します。移転プロジェクトに関わらせていただく際には、今までのオフィスはどうだったか、課題を付箋に書いて洗い出してもらいます。Miro導入以前は、リアルでホワイトボードに付箋を貼っていましたが、Miro導入後はデジタルで履歴を残せるようになりました。
イトーキでは、さまざまな企業や団体がIoTに関する情報を交換するコミュニティに所属し、サービス開発を視野にコミュニティメンバーを巻き込んだワークショップを自主的に企画・実施しています。ここでも、Miroを活用しています。最近アップデートされたMiroアシスト(AI)を使って、アイデアが書かれたたくさんの付箋を自動でグルーピングさせています。手作業だと1時間かかってしまう作業も、10秒ほどで違和感なく分類してくれて、運営メンバーからも参加者からも好評でした。
Miroは、ボードの広さとクラウドストレージが無制限なので、資料や写真、オブジェクトなど、制限を気にせずアップロードできるところも気に入っています。
場所に囚われず、柔軟にワークショップを組めるようになった
秋山:
学生に向けた産官学連携でおこなうワークショップを企画する際に、リアルで開催したくても、三者が参加するとなると、参加できない方が出てきてしてしまうという課題がありました。Miroをワークショップのプラットフォームにすることで、リアルでやりたかった内容がオンラインでも可能になり、柔軟にワークショップを組めるようになりました。
社内でもMiroを活用。ディスカッションの過程が可視化され、非同期コミュニケーションが可能になった
秋山:
社内でも、例えば新製品を考える際のアイデア出しにMiroを活用しています。みんなでボードに意見やアイデアを貼り込んで、企画書を作成、次年度の開発計画に落とし込んでいくという作業を行っています。
最近よく使おうとしている機能はプレゼンテーションモードです。元々はパワーポイントを使っていましたが、参加者と一緒にボードの中を移動しながら資料を共有できるプレゼンテーション機能を活用し、資料準備から発表まですべてMiroの中で完結できるようになりました。
ディスカッションの過程がビジュアライズされ、すべて記録される点も大変助かっています。ディスカッションに参加できないことがあっても、Miroボードを確認することで、議論の過程を追うことができ、結果に対する認識の齟齬がなくなります。結果までの過程がビジュアルで見えることは、腹落ち度が全然違いますし、とても大事だと考えています。
同じスピード感で対応してくれたのがTooから導入した決め手だった
秋山:
DX推進本部として、スピード感を持って新しいツールを導入し、試行することを大切にしています。そんな中、同じようにスピード感を持って対応してくださったのがTooさんでした。ミロ・ジャパン様と連携し、導入後も疑問点を聞いたり、使い方をレクチャーしてもらう時間を設けて利用をサポートしてもらったりしています。
今後、海外のデザイナーや中国の生産拠点ともMiroを通して連携していきたいと考えています。社内での利用率を高め、「非同期の働き方」をもっと推進していきたいです。また、私たちがデザインする空間とMiroを組み合わせて、引き続き、お客様や学生に向けた新しいグループワークのかたちを構築していきたいと考えています。
※記載の内容は2024年1月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。