- 新しいツールは最初にデザイナーが使い始め正式に採用が決まっていく。
- 正式に採用するにはセキュリティの観点からエンタープライズ版が必須。
- 視覚的に情報を捉えやすく、オンライン主体のコミュニケーションでもスムーズにプロジェクトを進められている。
- 最近はMiroで作成した完成までの形跡も活用したい、というクライアントも増えている。
- 資料をすべてMiroに貼り、ふせん機能でおこなうコミュニケーションを議事録にすることで、Miroに情報を集約できた。
- アイデア出しやディスカッションでの発言に慣れていないメンバーも、まずは書きこみできることで議論が活発になったと感じている。
- 今後、カタログなどの撮影のディレクション時の香盤表を、MiroとiPadでペーパーレス化できないかと考えている。
- 知識の吸収のみならずアイデア発見の場としてもなりうるので、オンラインでのコミュニケーションの可能性を感じる。
株式会社コンセント様は「デザインでひらく、デザインをひらく」をミッションに、企業等の組織と伴走しビジネスをデザインで支援されています。今回はオンラインホワイトボードツール「Miro」を全社導入された経緯や効果を、BPR推進部 金子まや様、伊藤奈保子様、アートディレクター 斎藤広太様、サービスデザイナー 齊藤美咲様に伺いました。
セキュリティも担保できるエンタープライズ版の導入を決定
金子まや様(以下、敬称略):
弊社は50年ほど前に百科事典や雑誌のエディトリアルデザインの会社として始まり、その後デザインの領域を広げていき、企業や行政、教育機関といった組織のコミュニケーションデザインや新規事業開発、組織づくりの支援をしています。BPR推進部ではバックオフィス業務にあたるような、社内で利用するシステムの導入や運用などを担当しています。
コンセントの文化として、新しいツールをデザイナーが積極的に使い始めていくケースが多く、Miroに関しても同様でした。業務が活性化される反面、会社としてはセキュリティ面の対策が不可欠ですので、Tooさんにご相談しエンタープライズ版の導入に踏み切りました。
伊藤奈保子様(以下、敬称略):
導入に至る前に全社アンケートを取りましたが、クライアントの重要な情報をいただくことが多いので、セキュリティを担保しつつ業務を円滑に進めたいという希望が社員から多く寄せられていました。他社製品のオンラインホワイトボードツールもある中、インターフェースや機能面でMiroが使いやすいという意見が特に多かったです。
オンラインでも円滑なコミュニケーションが可能
斎藤広太様(以下、敬称略):
Miroは英語版で利用していますが、言語の壁を感じず直感的に操作できます。テキスト入力や図形の記入、手書きツールなど機能も充実しているので、クライアントとの打ち合わせでも、その場でMiroのボード上にフィードバックをもらえます。私は紙媒体のデザインを手がけることが多いので、コミュニケーションの場がオンライン主流になり不安もありました。しかしMiroなら視覚的に情報を捉えやすく、スムーズにプロジェクトを進めることができています。
また、以前はプレゼン資料やプロトタイプはPowerPoint、議事録は別のツールなど、さまざまなツールで資料を作っていました。そのため過去のログを遡ったりする管理も大変でした。しかし、今では資料をすべてMiroに貼り、ふせん機能でおこなうコミュニケーションが議事録代わりになるため、Miroに情報を集約することができました。
齊藤美咲様(以下、敬称略):
私はサービスデザイナーとして、ユーザーリサーチや価値探索をおこない、新規事業のコンセプト立案やサービス開発を支援しています。その際に、クライアントと一緒にワークショップをおこなうことがあります。膨大な情報量を扱う際には、コロナ禍以前からボードを無限に広げられるMiroを活用していました。リアルの場で集まることが難しいいま、Miroをクライアントとの共同ワークスペースとして活用しています。複数人で同時に作業をするときはふせん機能をチャット代わりに、「ここを確認して」「見ました」とやり取りをし、対面と同じように議論できます。エンタープライズ版ならボードの公開範囲を設定できるので、セキュリティ面も安心です。その他にもタイマー機能や投票機能など、チームで作業するのに最適な機能が揃っています。
Miroなら制作の途中経過も可視化できる
齊藤:
最近は完成までの形跡をネタとして活用したいというクライアントも増えていて、成果物だけでなくMiroのボード自体を納品するケースもあります。ディスカッションの流れから実施したインタビューの分析など、「なぜこうなったのか」というプロセスがクライアントのビジネスに役立つことがあるようです。
斎藤:
コンセントでは1年間の成果を役員にプレゼンする評価制度があります。オンライン実施になったため、1年間の仕事を制作過程のスクリーンショットとともに、Miroに並べてプレゼンしました。紙媒体やウェブサイトなど、異なるフォーマットの制作物も一つのボードに収めることができ一目で過程が分かります。Miroのリンクを共有することで、プレゼン後にじっくり見てもらうこともできます。
社員同士の交流の場としても活用
伊藤:
Miroの自由度の高さを活かして、社内コミュニケーションにも使っています。コンセントには「読書会」というイベントがあり、オフィスにある本棚を中心に交流をしていました。テレワークとオフィス出社の併用となった現在は、「ぶらぶらBOOKS」という社内読書コミュニティに名前を変え、Miroの中にバーチャル本棚のボードを作って活用しています。社員がオススメの本を紹介したり、読んだ感想を自由に書き綴っています。ビジュアル映えもしますし、Miro上で社員のオンライン状況もわかるので、リアルタイムに交流しているように感じます。
金子:
バックオフィスでは事務作業が多いので、アイデア出しやディスカッションする機会はデザイナーと比べると少なくなります。これまでは、いざアイデアを出し合う機会があっても膠着状態になりやすかったのですが、Miroを介することで、普段積極的にアイデアを出せないでいたメンバーも、いきなり発言することではなく書き出すことで議論が活発になったと感じています。テンプレートも豊富に用意されているので、制作ソフトなどに慣れていない社員も気軽に使うことができます。
密に連携が取れるTooから導入を決定
金子:
TooさんとはMiroに限らずOA機器やアドビ製品などの導入を通して、長年お付き合いがあります。さまざまな代理店の方々とやり取りをしていますが、Tooさんは特にレスポンスが早く安定感があります。「こんなツールはありますか?」といった相談も気軽にできるので、一緒に仕事をしやすいです。導入当時はエンタープライズ版を扱っている日本の代理店はありませんでしたが、Miroの担当者と連携してくださり全社導入に至ることができました。
リテラシーの底上げで誰でも楽しんで使える環境を構築したい
斎藤:
今後カタログなどの撮影のディレクションをする際の香盤表を、MiroとiPadで代用できないかと考えています。今までは紙で出力してクライアントに渡していましたが、撮影リストやラフなどたくさんの紙を持ち歩くのはとても不便です。Miroを活用すればiPad 1台で完結しますし、リストのチェックや書き込みもスムーズです。今後活用できそうなプロジェクトがあったらぜひ挑戦してみたいです。
金子:
まだMiroにログインしたことがなかったり、自分でボードを作ったことがない社員もいるので、リテラシーの底上げを目指しています。自分自身で活用することで、新たなアイデアも生まれやすくなるのではないでしょうか。使い方の共有会を社内でおこなえると、これからMiroに慣れていく人にとって知識を吸収する場となるだけではなく、すでに使いこなしている人にとっても、追求したりアイデア発見の場になるかもしれず、オンラインでのコミュニケーションの可能性がより広がっていくと思います。楽しみながら使える方法を模索して、Miroをさらに気軽に使える環境を整えていきたいです。
TEL: 03-5725-0115(代表) コーポレートサイト
※記載の内容は2021年10月取材時点のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。