学校法人 新渡戸文化学園様は、初代校長の新渡戸稲造の教育理念を礎に、子ども園から短期大学までの6つの学校からなる総合学園です。最先端のICT教育環境を整え、2020年度には経済産業省「未来の教室Learning Innovation」事業のモデル校にも指定されています。
今回、校務に使うデバイスを教職員自らが選べる「従業員選択制」を採用し、教職員が校務にMacBookを選択できる環境を整えられました。従業員選択制を採用された背景や、MacBookを校務に導入した効果について、新渡戸文化中学校・高等学校の教諭 芥隆司 様、酒井雄大 様、勝田浩次 様に伺いました。
Apple Distinguished Educatorとして生徒の創造的な学びを推進
芥様(以下、敬称略):
数学の教鞭を執るほか、Appleが認定する教育分野のイノベーター「Apple Distinguished Educator(ADE)」として、教育分野における最先端の取り組みに携わってきた経験を活かし、シラバスの方向性を決めたり、教員の授業をサポートしています。酒井、勝田も同じADEとして活動しています。
酒井様(以下、敬称略):
中学で国語の授業を担当しており、生徒会や文化祭運営のサポートなどもしています。新渡戸文化学園で1人1台iPadの導入が始まった頃にApple製品に触れ始めました。最初は苦手意識がありましたが、Apple製品の良さを知り、自分なりの言葉で発信できる立場になりたいと思い、ADEになりました。
勝田様(以下、敬称略):
生徒の学習環境全般を支援するチームのチーフとして、またADEとして活動しています。当校で取り入れているクロスカリキュラムやプロジェクトベースドラーニングなどを教員が円滑に授業へ落とし込めるように、わかりやすく伝えたり、実例などを交えてサポートするような役割を担っています。最近はAIを有効的に、かつ安全に授業に取り入れるための活動に注力しています。
「従業員選択制」を採用。教員がMacBookを校務に使用できる環境を整備
勝田:
当校では、生徒・教員ともに1人1台iPadを導入していたり、教室にはApple TVが置かれるなど、ICT環境をApple製品で整えています。一方、以前は教員用PCが別のOSで統一されており、校務をおこなう上で不便な部分がいくつかありました。例えば、PCで作った資料をiPadで編集したい時、データをわざわざ変換して移し替えるなど、煩雑な作業が発生していました。
作業負荷が軽減され、スムーズに授業に臨めたり、生徒とシームレスにやりとりできる環境を多くの教員が体験できるように、従業員選択制が採用されました。
芥:
従業員選択制を採用してから、校務にMacBookを選択する教員が増えました。元々希望が多かったですし、この教育環境の中で、自然とMacBookを選ぶ教員も多かったのではないでしょうか。
既存の校務システムやアプリケーションはほとんどクラウドベースのものを使っており、MacBookへの切り替えは比較的スムーズでした。
酒井:
長年、別のOSのPCを使い続けていた教員もこれを機にMacBookに切り替えていました。iPadやMacBookの活用法は教員同士がお互いに情報交換を行い、学び合っています。今年の夏には、Appleデバイスを主軸とした任意参加の研修も行いました。
勝田:
起動時間の速さに驚く教員もいました。他にも、AirDrop(エアドロップ)機能で生徒からの提出物をスムーズに受け取れるなど、細かな実務一つひとつが便利になり、校務全体の効率化に大きな影響をもたらしています。 Apple 専用のMDM(モバイルデバイス管理)サービスで管理された安全な環境で活用できることも安心感があります。
教員の業務もクリエイティブに。MacBookが創造的な授業づくりを後押ししてくれる
酒井:
授業づくりから業務連絡まで、校務のほとんどがMacBookで完結しています。iPadとシームレスにデータを共有できるところが特に便利で、突然在宅勤務に切り替わった場合でも、支障なく作業できます。
国語の授業では、生徒がPagesなどを活用し、工夫を凝らしながらレポートを作成しています。それらを1年間の学びとしてApple Booksにまとめて、ポートフォリオのように活用できないかと考えています。デザイン性や創造性を広げるきっかけにもなり、面白い活動になるのではと想像しています。
機械が苦手だった私がここまで来られたのは、MacBookをはじめ、Apple製品には直感的に触れるアプリケーションや機能が多く、良い意味で機械っぽくないからなのだと思います。
勝田:
Apple製品は純正アプリが充実しているので、アプリケーションをインストールするところから行う必要がなく、すぐにアウトプットに移ることができます。その点でも授業に取り入れやすいと感じています。当校では、期末テストの代わりに、アウトプット型テストといって、自分で学んだことを教科に応じた形式で自由に表現する方法をとっています。MacBookがあることで、デジタルブックや動画など、多様な形の提出物をシームレスに受け取れます。受け取る側の環境で提出物の形に制限をかける必要がないですし、生徒が操作に困った時に対応できるなど、教員と生徒の交流がよりインタラクティブになったと感じています。
芥:
創造的な学びは、使うデバイスのみに左右されるものではありませんが、教員がMacBookを使用できるようになったことで、授業に創造性を取り入れられる機会の幅は明らかに広がったと実感しています。Appleが創造的な教育の実現に取り組んできた歴史を見ても、教育の現場にApple製品が取り入れられることはすごく良い影響を与えるもので、もっと拡大していきたいと考えています。
Apple製品をフル活用した創造的な学習環境で、自律型学習者の育成を推し進める
勝田:
当校は、自分だけでなく周りの人を幸せにできたり、社会に幸せを届けられる「Happiness Creator」の育成を教育目標に掲げています。そのような姿に近づく一つの要素として、自ら道を切り拓ける自律型学習者を育成することに重きを置いて教育活動を行っています。
慣れ親しんだデバイスを感覚的に使用して学習を進められる環境は、生徒にとって「教えてもらわなくてもできる」と思える体験に繋がり、自律型学習者を育てることに大きな影響をもたらすと考えています。
この先、私たちの学校で取り組んでいることを、もっといろんな学校に伝えていき、日本の教育にポジティブな影響を与えていけたらと思っています。
※記載の内容は2024年11月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。