- さらに生徒が主体的に学べる授業を作りたいと考え、PCが置いてあるメディア室の再構築を検討
- 生徒同士の対話の生まれる空間作りを重視。対面しても邪魔にならないノートPCで検討
- アドビ製品を使うなら、直感的に使えてクリエイティブに向いているMac一択だと確信
- プロも使うアドビのツールが使えるようになることで、生徒の将来の選択肢が広がる
- 生徒はメディア室での経験があるので、急なオンライン授業にもスムーズに対応できた
- 考えを表現できるツールがあることで、生徒が成功体験をつかむ瞬間が増えたと感じる
- 今後はメディア室に加え、本校ならではの楽しさを感じられる情報の授業を他にはない価値にしていきたい
湘南学園中学校高等学校様は、「個性豊かにして身体健全、気品高く、社会の進歩に貢献できる、明朗有為な実力のある人間の育成」を指針に掲げ、中高一貫の教育をされています。今回は、生徒が主体的に学習できる環境作りのため、MacBook AirやAdobe Creative Cloudなどを導入したメディア室を再構築されました。導入の背景や効果を、情報科教論の小林勇輔様に伺いました。
生徒一人一台のデバイスを所持していてもMac教室の必要性を感じた
本校は全教室にプロジェクターを導入するなど、早い段階からICT教育の促進を意識していました。2018年度からは高校1年生を対象に生徒一人一台のデバイスを導入、デバイスを「最強の文房具」として使ってほしいという思いから、2019年度からはBYOD*を採用しました。自由にデバイスを扱えるように、厳しく制限をかけるのではなく万が一トラブルが起きても対話と教育で解決していこうと考えています。各自が自由にデバイスを選べる中、7割ほどがタブレットを選択しています。
*Bring Your Own Device
さらに生徒が主体的に学べる授業を作りたいと考え、PCが置いてあるメディア室の再構築を検討しました。これまでのメディア室では、デスクトップPCが置いてあり生徒同士が対面で話し合うことができませんでした。また、国語の授業でドキュメントを使ったり、保健体育の時間にスライドを作成したりと、以前は情報の授業で教えていた内容は5教科内で当たり前に使うようになってきました。情報の授業では、もう一段階レベルアップした授業展開が必要となったため、デバイスの性能も求めていました。
クリエイティブな授業を実現するならMac一択
重視したのは「対話の生まれる空間作り」です。情報の分野は得意不得意がはっきり分かれるため、生徒同士の教え合いや学び合いが大切です。お互いの顔が見えるよう、新しく導入するデバイスはノートPCを検討しました。
メディア室では座学の授業はもちろん、3Dプリンターやレーザーカッター、Adobe Creative Cloudの活用、プログラミングなどもおこないます。デジタルの良さは間違えてもボタン一つで前に戻ることができる、スピーディーに試行錯誤できる点です。生徒にはどんどん挑戦してもらい、「作る側」になれる授業構成を意識しています。過去には他社製品のPCも使用しましたが、アドビ製品を使うとなると、直感的に使えてクリエイティブに向いているMac一択だと確信しました。
本校ではGoogleのツールがプラットフォームです。課題はドキュメントやスライドなどで作ってもらうことが多いですが、特に制限がない授業もあります。「使うツールもまとめる方法も自由」とすると、スライドを作る生徒や論文のようなテキストのレポートを提出する生徒、音楽や素材を自作した動画を提出する生徒など、さまざまな方法で成果物が提出されました。クオリティの高さに驚くこともありますし、それぞれが得意としている表現方法を発見できるようになりました。
プロも使うアドビのツールで生徒の表現の幅を広げる
メディア室のMacBook AirにはAdobe Creative Cloudをインストールしてあり、IllustratorやPhotoshopなどの基本操作を教える授業もあります。長い目で見ると、アドビ製品が使えた方が将来の選択肢が広がると思います。まずは学校で使い方を覚え、「プロの世界ではアドビを使っている」と気が付くことが大きな一歩になります。ここで興味をもった生徒は、大学のAO入試や美大受験で、アドビのツールでポートフォリオを作っています。部活動や学園祭で使う資料や動画を作る際に、InDesignや、XD、Premiere Proなどを使っている生徒もいます。きっかけを作ることで、授業で教えていないソフトも積極的に活用し、成果物の質も上がっています。
急なオンライン授業にも対応できる力が身についた
緊急事態宣言下では、基本的に完全オンラインで授業をおこなっていました。しかし、ご家庭のネットワークやデバイスの調子が悪いときは、メディア室で授業を受けてもらいました。
本校の生徒は中学1年生からメディア室を使っているので、どのデバイスでも自分のGoogleアカウントでログインすれば、いつもと同じ環境で作業できることを知っています。急遽オンライン授業実施が決まった際も、メディア室でやっていたことを各家庭にあるデバイスでやればいいだけなので、とてもスムーズでした。メディア室での授業がなければ各家庭で混乱されていたと思うので、本当によかったです。
生徒の成功体験を積み重ねる
生徒は日によってコンディションがまったく異なり、ここぞというタイミングを掴むと驚くほどやる気に満ち溢れることもあります。その瞬間にパソコンが固まったり、データを送るのに時間がかかってしまうと、パタッと集中力が切れてしまいます。スペックの高いMacBook Airを導入し、AirDropやGoogleドライブなどで瞬時にデータが共有され、考えを表現できるツールがあることでストレスが減り、生徒一人ひとりが成功体験をつかむ瞬間が増えたと思います。MacBook AirもAdobe Creative Cloudも自由に活用できるものだと生徒が認識してくれているのが、本当に嬉しいです。
メディア室の授業で他にはない価値を提供したい
今回はメディア室構築ということで、モノを買って終わりではありません。導入後の管理や運用も含め、Tooさんはとても相談しやすかったです。デバイス以外のインフラやソフトなど必要なものの窓口を一本化できましたし、こちらの要望にも「できます」という返事が高確率でもらえるのも嬉しかったです。今後は、Tooさんが扱っている画材のコピックを利活用した「アナログ×デジタル」のような授業に、一緒にチャレンジできたら楽しそうです。
2022年度から情報の授業のカリキュラムが変わります。情報の授業の醍醐味は丸とバツで判断できない部分にあるので、いかにその楽しさを感じさせられるかが直近の課題です。いわゆるSTEAMを混ぜた授業を展開していきたいですが、そのためにも、メディア室に入るたびにワクワクする空間にしたいです。そうした楽しさが、情報の分野に対する興味に変わるのではないかと期待しています。この教室や本校の情報という授業を、他にはない価値にしていきたいです。
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※記載の内容は2021年11月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。