学校法人イーエスピー学園専門学校ESPエンタテインメント大阪様は、ギターの製造販売および教育事業を主要な柱とするESPグループを母体にもち、エンタテインメントで活躍するアーティストやスタッフを育成されています。同校では、実践的な教育環境としてMac教室を構築され、Apple専用のデバイス管理サービスJamf Proで管理されています。導入の背景や効果を、総務課 主任の内藤康宏様に伺いました。
時代の変化に合わせて授業のカリキュラムを編成
本校では、2年間の学生生活を有意義に過ごせるよう、時代の変化に合わせたカリキュラムを編成しています。ここ10年ほど、DTMソフトを使った音楽制作や、YouTubeが主な活躍の場であるアーティストが増えています。本校でもDTMの授業やサウンドクリエイターを育成するコースなど、デジタル系のコースを増やしています。
私が所属する総務課は、行政対応や出願業務をメインに、PCやレコーディング機材、DTMの周辺機材や、建物の管理も担当しています。カリキュラムを作成する教務課と一緒に、年度ごとに必要な機材を話し合って導入を進めています。
プロの制作現場の環境は、常に変化し続けています。2年間勉強して卒業したら、学校で習ったことがすでに変わっていたということがないように、現場の標準になり得る機材を導入し、カリキュラムに取り入れていくことを重視しています。
音楽業界のスタンダードであるMacを授業で活用
本校では、音楽に携わる授業では主にMacを使用しています。macOSは音楽制作ソフトウェアとの親和性が高く、音楽業界でのスタンダードです。同じ環境で実践的なスキルを身につけてもらうために、Mac教室を構築し、DTM実習や、音楽を作る授業であるPro Tools実習、映像に音を当て込むMA実習などをおこなっています。
昨年からは映像編集の授業が始まり、Adobe Premiere Proを使ったセルフプロデュースのための動画活用の授業を展開しています。SNSにアップするショート動画や、「歌ってみた」動画など、アーティスト活動の表現方法を鍛える授業です。
以前から、本校には他社から導入したMac教室がありました。コロナウイルス流行下でリモート授業用のiPadについてお声がけしたのが、Tooを知ったきっかけです。Apple製品に強く、デバイス管理についても知見があったことから、その後のデバイス入れ替え時にMacとJamf Proを併せてTooから導入することにしました。レスポンスが速く、デバイス管理も含めて相談に乗ってくれるなど、頼りがいがあります。
Apple Financial Servicesによって費用を抑えながら新しいデバイスを調達できる
Apple製品のリリースのサイクルは速いため、学生にできるだけ新しいものを使ってもらえるよう、残価設定型オペレーティングリースのApple Financial Services(以下、AFS)で導入しました。
以前もリース形式でMacを導入していましたが、リース期限が来てもまだ使える状態だと再リースすることもありました。その分手数料がかかったりと、あまり良い運用ではありませんでした。AFSなら価格を抑えて導入できる上、決まった期間で新しいデバイスに入れ替えることができます。学生が自宅に制作環境を作りたいというときにも、学校で使っている機材を参考に、時代に合ったものを揃えてもらえると思います。
100台近くのMacを効率的に管理。1週間かかっていたキッティングが1日で完了
今回、iMac 89台とMacBook Air 5台の入れ替えにあたりJamf Proでの管理を始め、キッティングが圧倒的に楽になりました。以前は1台1台手作業でキッティングしており、1教室20台ほどのMacを箱から出して並べ、アカウントを作り、必要なソフトウェアをインストールして…と、1週間ほどかかっていました。そのためすべてのデバイスを一気に入れ替えることが難しく、教室ごとにリース時期をずらしていました。
Jamf Proでデバイスの環境を1つ作ってしまえば、ネットワークに接続するだけで、管理者アカウントや学生アカウントの作成、授業で使うソフトやアプリのインストールなど、必要な設定がすべてのデバイスに自動で施されます。キッティングが1日で終わるようになり、これまで難しかった全台一斉の入れ替えが可能になりました。
さまざまな制限がかけられるようになった点もメリットです。以前はmacOSのアップデート通知が自動で出てしまい、学生が何気なくクリックしてアップデートが始まってしまうことがありました。授業で使用するソフトウェアはOSに依存することが多いため、アップデートのタイミングを制限できます。
また、Jamf Proでさまざまな情報を収集できますが、ソフトウェアの起動状況をよくチェックしています。次年度のカリキュラムを作る際に、「この授業であまり活用されていないライセンスを別の授業で使おう」という会話ができるようになりました。柔軟に効率的に管理ができるようになり、Jamf Proがない頃にはもう戻れません。
大量のデバイス管理も今では楽しめる。提案型の対応でMac教室の更なる活用に期待
MacをJamf Proで管理するにあたって、自分たちがどこまで使えるのかという不安がありました。Tooが提供しているMDM運用支援サービス「あんしんMDM運用」を付帯することで、疑問点をすぐに質問して解消できる環境ができてとても安心です。
Jamf Proを導入してからmacOSへの造詣が深くなり、macOSの管理を楽しむことができています。私たちの部門では、今まで要望があったら対応するという、受け身の業務が多かったと感じています。しかし今は、カリキュラム案ができたら「今あるものでできますよ」「こんな方法はどうでしょう」など、こちらから一歩踏み込んで提案できるようになってきています。バックオフィスというよりもフロントオフィスとして、Mac教室の活用やカリキュラム編成のサポートなどに取り組んでいきたいと思います。
※記載の内容は2023年12月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。