学内ICT環境を充実しiPadを配付
新潟工科大学では、平成27年度の新入生全員にiPad mini 2 32GB Wi-Fiモデルを配付しました。これまで、新入生ガイダンスで紙袋いっぱいに渡していた紙の資料が、無償配付されたiPadに格納されていました。
講義で使用する資料・教科書は専用サーバに用意され、学生は事前にダウンロードを行い予習やレポート提出などに利用しています。この他、電子図書館の利用や実験記録の撮影など、iPadの用途は多岐に渡っています。さらに、ICT教育導入の一環として取り入れた授業の一つでは、iMovieを用いた30秒の自己紹介ビデオを作成し、入学直後のまだスムーズといえない学生間の交流を深めることにつながりました。
学生への配付に先駆け全教職員へのiPadの配付も実施されました。グループウエアを使用した情報共有および各種資料の活用を開始。また学内無線LAN環境の見直し、全講義室への電子黒板とAppleTV導入などICT教育の環境整備も図られています。このような環境ができたことで、グループディスカッションなどの講義では、講義室内の場所にとらわれず学生が自ら発言する能動的な授業となり、教員も教壇から解放されるようになりました。
平成27年度新入生ガイダンス
全員にiPad miniが配付。従来、紙袋いっぱいの資料が、iPadに格納されています。
同学では、新学科の開設、送迎バスの充実、iPadの配付などの効果により、志願者が30%増加しました。
導入のポイントと、その後の管理
新潟工科大学 工学科 寺島教授:
導入成功のポイントは、導入後の運用にもそれなりの人出がかかるという事を覚悟し準備しておくことです。大規模であれば業者に全部お任せするという方法もありますが、本学のような小規校で、ある程度の管理を自分たちで実施する場合は、知識を有した専任者がいないと負担が大きいと思います。
事務局長特別補佐 安藤氏:
導入検討当初は、ノートPCとタブレットの双方の意見がありました。ノートPCでは講義室内の電源確保の問題がありました。その点タブレットであればバッテリーの心配は必要ありません。セキュリティ面などからタブレットであればiPadだと決まりました。
ICT教育担当 金崎氏:
iPad利用のルール作り、キッティングやMDMの設定について事前に勉強しました。本学の規模だからできたことかもしれませんが、すべてを業者にお任せしてしまうのではなく、自分たちの手で端末導入設定や管理設定を行えるようにしました。当初は試行錯誤の連続でしたが、それを経験したことでノウハウが取得でき、大きくコストを削減することができました。
寺島教授(右)
「社会や企業の求めるエンジニアになってほしい。単なる歯車ではなく自ら考えて発信していく人材を育成したい。」
金崎様(左)
「業者に丸投げではなく、自分たちでどうしたいかよく勉強しました。その上でよいパートナーを見つけることが導入成功のポイント。今後は学生が大学のためのシステムを開発してくれたらうれしいですね。」
ICT導入は避けられない 教職員は学生以上に勉強を
寺島氏:
学生たちには、社会に出てから役に立つ、社会から求められる人材になってほしいと思っています。すなわち、自分で問題を見つけ出し、調査して、計画を立て、実行する。そしてその内容を他人が納得できるように発表する力をつけてほしいのです。その点で今の時代ICT導入は避けて通れません。教職員は工科大学という性格上、少なくとも原則的なことは把握しておく必要があり、学生以上に勉強が必要です。
安藤氏:
「iPadの導入は、教育効果をあげることが目的です。導入して終わりということではなく、今後は学内での勉強会や外部講師を招いて教職員のフォローアップをするなど、教える側のスキルアップで全体のパフォーマンスを上げていきたいと思います。
よいパートナーとの出会い
Tooでは、無線の実地調査と設計、設備を株式会社フルノシステムズ様と、無線管理とネットワーク構築を新潟県内のネットワークサービスを提供する株式会社NSコンピュータサービス様と協業させていただき、iPadや機材の調達、技術情報の提供なども含め、ワンストップでの環境構築を行っています。
金崎氏:
今後は在学生全員にiPadを配付するため、無線LANや学内システムの増強整備を進めています。初期導入に際し様々な情報を取集している時にTooと出会いました。Tooなら欲しかった技術や商品を取り扱っていて、とてもよい出会いだったと思っています。知識量と技術力が高く大変心強く感じています。