長野県下伊那郡西南部に位置する、人口900人ほどの自然豊かな根羽村。根羽村立義務教育学校根羽学園様では、小学校から中学校まで9年間の一貫教育を取り入れ、生徒が主体性を持って学べるカリキュラムを村一体となって展開しています。学園ではICT教育推進のため、生徒1人1台のiPadと、各教室にApple TVを導入されました。根羽学園校長の中原秀樹様、社会科教員の上柳智寛様と、根羽村教育長の下井敦志様、根羽村教育委員会の石森智様にお話を伺いました。
iPadの導入で、創造性を育む教育を目指す
根羽村は90%以上を森林が占めており、豊かな森林や水に恵まれています。本校では村の特性を活かし、森の啓蒙活動や、根羽村産の野菜の直送販売を農家の方と協力しておこなうなど、総合的な学習の時間を大切にしています。また、愛知県安城市と連携し、安城市の方が家族ごと、根羽村に移り住んで根羽学園に入学できる親子留学制度があります。さらなる教育の魅力強化のため、GIGAスクール構想で配布されるタブレットを有効に使い、創造性を育む教育にさらに力を入れたいと考えていました。デバイスに対する知識が少なく不安ばかりでしたが、とにかく生徒が使いやすく、より有益な環境をと考えていたところ、TooさんからiPadを提案していただきました。
他の製品とも比較検討しましたが、非常に軽く持ち運びが容易であること、カバーとキーボードが一体化しているため耐久性に優れているところが魅力的でした。とは言え扱うのは子どもですので、壊してしまう可能性もあります。Tooさんが提供している修理保証サービス「Tooあんしんパック」を付帯することで、5年間の保証が付いてくる点にもひかれました。また、教育関係に力を入れているAppleは学習アプリも充実しています。これらを考慮し、iPadの導入を決定しました。導入後は生徒も教員も抵抗なく使いこなしている姿が多く見られます。日常生活でiPhoneを使っている教員も多く操作性が似ているため、Apple製品の導入は最適でした。
生徒一人ひとりに最適な学習環境を構築
本校では、「一斉学習」「個別学習」「協働学習」と3形態の授業に合わせて運用しています。この各場面で生徒一人ひとりに寄り添った環境をと考えています。
1人の教員対生徒の「一斉学習」では、これまで黒板に貼るために資料を大きく印刷するなど、教材準備に労力がかかっていました。iPad導入後は、教材や資料を個人のiPadとApple TVに映すことができるようになったので、教材準備の時間が減りました。遠くの黒板と手元のノートを交互に見ることに抵抗がある生徒もいますが、iPadと自分のノートを両方、手元で見られるようになり、学習する上での障害を一つ取り除くことができました。
生徒が個人で取り組む「個別学習」では、リアルタイム授業支援アプリのMetaMoJi ClassRoomを使用してワークシートを共有しています。Apple Pencilとキーボードの2種類の記入方法から選べるので、自分に合った方法でワークシートを完成でき、紙に鉛筆で書くことに苦手意識がある生徒にも好評です。
生徒の学習の様子を教員が、手元で一元把握できるので、リアルタイムで今生徒がどんなことを書いているのか、生徒がどこにつまずいているのかが分かりやすくなりました。分からないことがあった時には、手元のボタンを押すと、周りの友達に知られることなく教員に質問できます。みんなの前で挙手することに抵抗があった生徒も、より意思表示しやすくなりました。
生徒同士が教え合いながら学ぶ「協働学習」では、生徒が記入したワークシートをiPadで共有でき、発表や話し合いがスムーズになりました。個人で取り組んだ時に生じた疑問点も、生徒がお互いの情報にアクセスすることで解消できますし、真似をすることも学びの一つです。発言に苦手意識がある生徒の意見も埋もれず、それぞれが自分自身の考えを深める学習に有効活用できそうです。
教員の時間を有効活用しながら、個別最適学習を叶える
本校は生徒一人ひとりに合わせた丁寧な学習を促進していますが、それでも個々の進度や理解度の的確な把握は難しいものでした。今では、ドリルアプリなどを活用すれば、生徒が間違えやすい問題の傾向が蓄積され、類題が自動で出題されます。ICTの導入で、個別最適化学習が叶えば嬉しいです。
今後は、フォームで小テストを実施して結果をスプレッドシートにまとめることにより、データ分析をしたり、生徒の学びのポートフォリオを作ったりしたいと考えています。さらに、宿題をクラウド共有にすることで、家に忘れてしまったということをなくせます。教員側の確認作業も効率化され、生まれた時間を有効に使えるのではと期待しています。
勉強や部活の時間、遊ぶ時間のスケジュールを生徒が自分で組み立てて実行することも、非常に重要です。こうした取り組みは、本校の理念である「自立」につながる、将来本当に役立つ力が養えるのではと思います。
Tooの教員向けiPad講習で、自信を持って端末を導入
Tooさんはレスポンスが非常に早く、真摯に対応してもらいました。こちらの知識に合わせた説明があったので、製品に対する理解を深めることができ、iPadの導入にも自信がもてました。教員向けiPad研修の開催や、関連ソフトについても詳細を説明してもらいました。本当に感謝しています。
教員側からすれば、ICT教育はまだまだ手探りで開拓している最中です。他校の事例は喉から手が出るほど欲しいので、Tooさんが数多く見ている学校現場の様子から「こんな面白い使い方ができますよ」とこれからもご提案いただけると助かります。
ICT教育と実体験を伴う教育のバランスを追求
VRなど、我々の世代からは信じられないような技術が次々開発されています。Tooさんから最先端のツールを教えていただき、より良い教育がおこなえればと思います。また、実際に手を動かすことも教育において非常に重要だと考えています。ICT教育と実体験を伴う教育のバランスがとれた、理想的な環境を作り上げ、生徒のこの先の人生を考えた時、適切なツールを使いこなせるようになってほしいと思います。
山間部にいながら隣の学校や都会の学校、さらには海外の学校を繋いで学習できると、学びの幅が広がります。新たな学習指導要領で重視されている、対話的な学びが実践できるのではと思います。ICTの活用で子供たちが自立し、地域に根ざして活躍することをとても楽しみにしています。
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※記載の内容は2021年6月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。