- iPadを他社から導入した初期は、運用に非常に苦労していた。
- TooにはiPadの他、MDMや補償サービスなど一気通貫で相談に乗ってもらえた。
- 最初はiPadに抵抗があった教員も、普及活動によってさまざまな教科で活用が進んでいる。
- 板書や資料のファイリングなどが苦手な生徒でも、iPadに蓄積された情報をいつでも振り返られる。
- 曖昧な観点である生徒の頑張りも数値化でき、評価しやすくなった。
- 導入予定のオンライン学習システム「MEXCBT 」でも、iPadを活用できそう。
学校法人花巻学院 花巻東高等学校様は、未来を拓く真の人間づくりを目指し、1956年に創立されました。春4回、夏10回の硬式野球部の甲子園出場をはじめ、陸上競技部・水泳部・女子ソフトボール部・男子バレーボール部・柔道部・サッカー部・女子硬式野球部などが全国大会に出場し、高校スポーツ界に数々の栄光を刻んでいます。教育のICT促進にも注力され、2022年度入学の1年生に1人1台のiPadを導入されました。今回は、iPad導入の経緯や効果を、学校のICTを担当されている小岩修平様に伺いました。
iPadの活用で遠征先や大会での学習環境を整える
GIGAスクール構想が始まる前から、学校以外でも勉強できる環境を整えようとiPad導入を始めました。生徒が遠征や大会に頻繁に参加するようになり、部活動で使う荷物に加え、教科書やノート、プリントなどの勉強道具を大量に持ち歩くのはかなりの負担でした。また、スポーツだけではなく、学力のさらなる向上のために、ICTを活用した双方向の授業も目指しています。まずは他の販売店から共有機としてiPad50台を導入しました。当時はiPadの具体的な活用事例は多くはなく、どのような学習アプリを入れるべきか、デバイスを管理するMDMは何が最適なのかなど、運用に非常に苦労しました。
その後2020年ごろから、生徒1人1台のiPad導入を進めることになりました。1学年約240名で、当時はICT担当の教員は私ほぼ1人でしたから、これ以上台数を増やすことに不安を覚えていました。iPadの導入から運用までをサポートしてくれる会社を探し始め、Apple製品を専門に取り扱っているTooさんを知りました。
Apple製品の知識が豊富なTooからの導入を決定
生徒用のデバイス導入に備え、まずは教員用のiPad導入についてTooさんに相談しましたが、その対応が非常にスピーディーでした。また、Appleの正規販売店として専門的な知識を持っている点で安心感がありました。こうした経緯から、生徒用のデバイスもTooさんから導入することになりました。
選定に悩んでいたMDMに関しては、Appleデバイス専用のJamf Proを勧めてもらいました。Apple製品に特化しているだけあって、こちらが意図した通りに管理できます。設定で困ったことがあってもTooさんがすぐに教えてくれるため、苦労はまったくありません。以前は他社製のMDMを使用していたため、Jamf Proを最初から使っていればと思うほどです。
iPadの保証サービスである「Tooあんしんパック」も付帯しています。以前は故障のたびに修理会社を探すのにも苦労していましたし、修理費用もかなりの額になっていました。Tooあんしんパックであれば、故障したとしても回数制限なく修理してもらえ、電話1本で故障デバイスのピックアップから返送までお願いできます。デバイスを安心して使うためには必須のサービスだと思います。
iPadを売るだけであればどの販売店も対応しています。しかし、何百人もの生徒がiPadを使う学校という環境において、特に苦労する設計や運用部分をゼロから一緒に考えてくれるのはTooさんだけでした。校内のインターネット回線なども含めて、一気通貫で相談に乗ってもらえます。
授業や部活動で蓄積された情報をいつでも振り返ることができる
私が担当している化学の授業では、黒板とノートはほぼ使わずにiPadに移行しました。授業内容の配信や課題の確認も、アプリ上で完結させています。最初はiPadに抵抗がある教員もいましたが、普及活動を続けていくうちに、数学や地歴公民科など、今ではさまざまな教科で活用が進んでいます。そのほか、例えば英語では自分がスピーチした音声を宿題として提出するなど、紙では難しかったことも可能になっています。
授業ごとに板書をしっかり取って、配布されたプリントをファイリングし、テストのときにまとめ上げる。こういったことはすべての生徒が得意なわけではありません。休んでいた日の板書が取れていなかったり、プリントをなくしてしまうこともあります。いつ配信した資料なのか、課題をいつ提出したのかなど、データをすべてiPad上に蓄積させることですぐに振り返ることができます。
部活動でもプレーの様子を動画に撮って見返すなど、大いに活用しています。スマートフォンよりも大きな画面で見ることができるため、確認しやすいのではないかと思います。
数値化しづらい生徒の頑張りも可視化
観点別評価で成績を付けていますが、iPadを活用することで「生徒の頑張り」という曖昧な観点の数値化をしやすくなったと思います。いつ、どの課題を出したのか、仕上がりはどうだったのかがすべて蓄積され、評価しやすくなったためです。また、紙の印刷量が圧倒的に減り、ペーパーレス化も進みました。職員会議の資料はすべてPDFにしてiPadで確認しているため、進行もスムーズです。教員が抱えている多くの業務も、ITをうまく活用することで軽減できるのではないかと考えています。
iPadの活用で生徒1人ひとりに合わせた授業の形を作りたい
今後文部科学省が開発した、オンライン学習システム「MEXCBT 」を取り入れる予定です。わからないことを教員や友達に聞くのをハードルに感じる生徒もいます。手元のiPadを活用することで、小中学校などでつまづいてしまった部分であっても、自分が納得しながら学び直せるのではないかと思います。
数年後には全学年にiPadが行き渡ります。無料で使えるApple標準アプリも多数搭載されているので、iPadを授業のハブにすることで新しい授業の形が作れるのではないかと期待しています。
※記載の内容は2022年10月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。