- 目視でパッケージの照合をおこなっていたが、見落としリスクを減らすために導入を決定した。
- 難しいパラメーターの初期設定をTooのサポートで解決。
- デジタル化により照合作業を年間約100時間削減できる試算に。
- レポート出力機能で証跡を残し、作業の透明性を向上。
- サンプル印刷と版下データの照合が在宅でも実施可能に。
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社様は、テレビやレコーダーなどのビジュアルサウンド機器、デジカメなどのイメージング機器、固定電話、インターフォンなどのコミュニケーション機器の3つのカテゴリーのビジネスユニットで製品の設計、製造、販売をおこなっています。
同社が力を入れている完全ワイヤレスイヤホンを担当するスマートコミュニケーションビジネスユニットでは、商品パッケージのサンプル印刷と元の版下データとの照合の工数削減を目的に、サブスクリプション版総合印刷検査ソフトウェアのHallmarker Elementsをご導入されました。機構設計部の神部俊正様に、導入の経緯や効果を伺いました。
パッケージが版下データ通りかのチェック時間を削減したい
私が所属している部門では、主に商品パッケージの版下作成を担当しています。海外にある印刷メーカーに商品パッケージの版下データを渡すと、サンプル印刷したパッケージを送ってくれます。このサンプル印刷が元の版下データ通りに印刷されているかのチェックを、従来は目視でおこなっていました。
商品のモデル数が多くなったこともあり、チェックにかける時間をなんとか削減できないかと思いデジタル化を検討しました。また、目視での見落としのリスクを減らしたいとも考えていました。
デジタルデータ同士を比較できる校正ツールをすでにTooさんから導入していたこともあり、印刷物に関するソリューションはTooさんに相談するのが1番良いと思って話をしたことから、サンプル印刷のアナログデータと版下のデジタルデータとの比較ができるHallmarker導入の検討が始まりました。
難しいパラメーターの設定をTooがサポート
Hallmarkerは機能が豊富な分、パラメーターの初期設定が難しいと感じました。照合の精度を上げすぎるとエラーだらけになりますし、下げすぎるとミスを見落とすことになります。
そこで、サブスクリプション版で機能もシンプルなHallmarker Elementsを提案してもらいました。Tooさんに要望をヒアリングしてもらい、我々の印刷物を測定して、初期設定をチューニングした形で組み込んでくれました。弊社がトライアル版を導入する段階ではかなり絞り込まれた設定をされていたようで、最初からすんなり照合ができて導入の目処が立ちました。
ソフトの使い方に慣れてきて、自分でパラメーターのチューニングもこなしたいとなればHallmarkerも選択肢にあったのかもしれませんが、今回は導入ハードルが低いHallmarker Elementsを導入することにしました。
小さなパッケージの照合に効果的。年間100時間の工数削減が見込める可能性も
まだ導入して数週間ですが、まずはデジタルデータ同士での照合作業として、改版したデータが正しく修正されているか、余計なところが変わっていないかの確認をおこないました。照合にかかる時間を計測したところ、1点だいたい2〜3分でできました。試しに1つを従来のように目視でやってみると12〜3分かかったので、1点10分くらい時間短縮されていることになります。
一番の目的である、印刷メーカーから送られてくるサンプル印刷と版下データとの照合にも、今後Hallmarker Elementsを活用していきます。イヤホンは商品がすごく小さいので、パッケージ自体はもちろん、商品名や商品の特徴を書いた文字もかなり小さいです。目視でのチェックが大変な面もあったので、照合がデジタル化できるのはありがたいです。
会社で業務改善の取り組みをしていますが、アイテム数などを考えて試算して、Hallmarker Elementsの導入で年間100時間くらい工数削減できるというプレゼンを社内でおこないました。今後の効果に期待しています。
確認した証跡をデータで残せるので便利
印刷メーカーでは、サンプルを印刷する際にパッケージの版下データを刷用データに変換しています。その時に、データが欠損したり文字化けが起きていないかを確認するために、JPEG画像に書き出したファイルを送ってもらっています。この確認用画像データと元の版下データとの照合にもHallmarker Elementsを使いました。
目視での確認では作業したという証跡が残りませんでしたが、Hallmarker Elementsの場合はレポートを出力する機能があり、日付と確認結果を残せるので重宝しています。チェック結果は版下データなどを格納しているデータサーバーに残しています。
社名変更に伴うパッケージリニューアルでの活躍や在宅勤務での活用にも期待
直近で改版作業が大変だったのは、パナソニックの組織再編で会社名の変更があったことでした。社名だけ変えて、ほかは変わってないことの確認が意外と大変です。全製品の改版が必要となるので、社名変更によるパッケージ類の改版にも活用できるのが、Hallmarker Elements導入のきっかけの一つになっています。
Hallmarker Elementsはインターネットが繋がりライセンスがあればソフトを立ち上げられるので、在宅勤務で活用できるところも便利だと考えています。サンプル印刷のスキャニングは出社しておこなう必要がありますが、版下データは会社のサーバーにあり、印刷メーカーからの確認用の画像ファイルはメールで受け取るので、在宅でも十分使用可能です。
照合の業務を削減してクリエイティブな作業に時間を使いたい
Hallmarker Elementsを導入してから、Tooさんに初歩的な使い方のレクチャーを2時間ほどZoomでおこなっていただきました。トライアルの頃は操作に慣れなかったのですが、レクチャーを受けた上で自分で操作していくうちに、感触がつかめてきました。今はスムーズに操作できることを実感しています。
まだ導入したばかりで、私しかHallmarker Elementsを利用していませんが、稼働実績などを集計しながら、ほかの人も利用できるよう広めていきたいです。今後は、製品に貼るラベルやページものではない取扱説明書にも活用したいと考えています。そして、Hallmarker Elementsを利用することで、チェックに追われる業務よりもクリエイティブな作業に時間を使えるようになればいいなと思っています。
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※記載の内容は2023年6月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。