足柄香粧株式会社様は、化粧品の試供品をメインに、化粧水・乳液・クリーム・口紅まで幅広い製品の、充填からラベル貼り、アソートセットまで一貫生産されています。高品質な製品の提供を志しながら、多くの人達に「美しくなれる夢」を一緒に届けていらっしゃいます。
今回は、パッケージ表示の受け入れ検査を目視からデジタルに移行するために、サブスクリプション簡易画像比較検査ソフトウェア「Hallmarker Elements」を導入されました。導入の経緯や効果を、足柄工場 工場長 柳孝司様、足柄第二工場 工場長 須山昌彦様、足柄第二工場 品質管理グループ 加藤幸祐様に伺いました。
月に約1,000点の資材・包材を目視によって1人で検査するのは限界があった
柳様(以下、敬称略):
弊社では化粧品の試供品をメインに充填から仕上げまでを、OEMで請け負っています。デパートや化粧品店で配布されるサンプルや、コンビニエンスストアなどで販売されるトラベルサイズの化粧品などを生産しており内容量が少ないものを得意としています。
須山様(以下、敬称略):
私たちの部門では、製品の品質管理を担当しています。その中の業務の一つとして、クライアントから提供された表示の見本データと、入庫した資材・包材を比較して受け入れ検査をしています。1ヶ月間で1,000点ほどを、以前は目視で確認していました。
柳:
資材や包材として照合確認の対象となるなかには、パッケージ本体やサンプルに付く台紙、同梱される使用書などが含まれます。使用書は広げるとA3ほどの大きさになるものもあり、紙の表裏に日本語や英語、中国語、アラビア語など、多いと16ヶ国語で説明が書かれています。
加藤様(以下、敬称略):
例えばアラビア語は、文字の長さなどの微妙な違いを手がかりに目視で確認していました。表示の検査を担当しているのは現在私1人だけで、業務が集中する週末や月末は、1日70点ほど目視で確認するときもあります。また、化粧品のサンプルに印刷される文字は非常に小さく、肉眼でのチェックは労力がかかります。業務は受け入れ検査の照合確認だけではないので、これだけの量を人が担当するのは、時間的にも集中力的にも限界がありました。
誰でも簡単に使えるHallmarker Elementsの導入を決定
須山:
こうした現状をデジタルの力で改善できないか考えていたところ、クライアントがTooさんからデジタル校正ツールを導入していると聞きました。弊社では、受け入れ検査業務専任の担当を採用する計画があり、誰でも簡単に使うことができて、膨大な点数をスピーディーに検査できるツールを探していました。
加藤:
Hallmarker Elementsをトライアルで触ってみましたが、数日で操作に慣れることができたので、今後誰が担当になっても教えるのに苦労はしないと感じました。導入後は、台紙や箱状のパッケージ、アルミパウチや使用書など、展開すると平面になるものを中心に照合確認のデジタル化が実現されました。
デジタル化によって照合確認の正確性が向上。作業時間も約半分になった
加藤:
一番実感する効果は、照合確認の正確性が向上したことです。目視による検査では思い込みによる見逃しなど、ヒヤリハットが起こりかねない状況にありました。Hallmarker Elementsで検査すると、自分の目では確認しきれなかった部分を機械的に検出してくれるので非常に助かっています。
須山:
作業時間も大幅に削減されました。使用書に関しては1品種30分かかっていたのが半分ぐらいの時間になりました。その分、心身にかかる負担も軽減されていると思います。操作に慣れて手際がよくなれば、さらに作業時間を短縮できそうです。
5ptほどの小さな文字も正確に検査が可能。クライアントへの信頼に繋がる
須山:
化粧品のサンプルは非常に小さいです。文字は5pt程度の大きさで、細い書体が使われている上にグレーに近い色で印刷されているものもあります。そのような肉眼では読みづらい文字も確実に検査できるようになりました。
化粧品の表示は法令遵守に関わる部分です。弊社を信頼して製造を委託してくださっているクライアントの期待に応えるためにも、ツールを活用することは有効だと感じています。
加藤:
照合確認に関してはHallmarker Elementsが大部分を担ってくれるようになりました。その分の時間を、他の業務に使えるようになっています。
ワークフローに合わせた設定でスピーディーに照合確認できる。さらなる業務効率化に期待
須山:
初めて導入するツールでしたが、業務で活用するイメージを想定できたのが導入の決め手となりました。スムーズに使えるように、Tooさんには弊社が検査する資材に合わせて設定を絞り込んでもらいました。Hallmarker Elementsは検査の感度が高い分、そのまま使うと過剰にエラー認識されることもあります。クライアントから提供されるデータの状態に合わせてベストな設定をしてもらったことで、社内のワークフローに落とし込むことができました。
柳:
現状照合確認をデジタル化できたのは、平面にできるパッケージです。それ以外の容器に表示が直接印刷されている製品の照合確認もデジタル化できれば、より正確性と効率が上がります。照合確認以外の業務に時間を活用できるようにもなるので、引き続きTooさんによるサポートに期待しています。
※記載の内容は2023年11月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。