六甲バター株式会社様は「おいしいって、生きること。」をメッセージに掲げ、「Q・B・B」ブランドのもと多彩なチーズ商品の製造販売や、ナッツ・オーツミルク等の販売を手掛けられています。近年はチーズデザートシリーズやお酒に合うベビーチーズなど、バラエティに富んだ商品を発売されています。
今回は、商品のパッケージに印刷される食品表示や商品カタログの校正作業を効率化し、品質を向上させるために、「AIOCR」オプションを追加した文字検版支援ソフトウェア「フォルトファインダープロ」を導入されました。導入の経緯や効果を、品質保証部 品質保証チーム チームリーダー 山本眞子様と、品質保証係 澄川聡子様に伺いました。
業務用を含め年間約400品製造される商品の食品表示を校正している
山本様(以下、敬称略):
六甲バターでは、家庭用では年間約250品、業務用を入れると年間約400品の商品を取り扱っています。品質保証係では、これら商品の食品表示のチェックを担当しています。新製品の表示案がやってきて、パッケージデザインに起こす前に内容を確認し、その後デザイン案ができたら、法律上問題がないかを3人体制で確認しています。そのほか、商品の規格書の発行なども担当しています。
澄川様(以下、敬称略):
会社としては新しい分野にも挑戦しており、六甲バター初のアイスクリームを販売しました。また、オーツミルクの取り扱いも開始しています。新商品は主に春夏・秋冬で年に2回発売します。会社の承認が降りたら私たちの元に表示チェックの依頼がきます。新商品の登場時以外にも、工場の移転時や原料原産地表示への対応時などは、一斉に200品以上の表示が変わりました。
パッケージの文字や図柄・色の校正を目視からデジタル化
山本:
フォルトファインダープロ導入前は、目視で食品表示を校正していました。校正の初期段階は、Excelで作られた表示原稿とパッケージのレイアウトデータを比較します。制作が進んでいくとデザイン案が変更されていくので、どこが変わったかをチェックしています。
澄川:
私たちの予想外の箇所で変更が発生していることもあるため、毎回パッケージ全体を確認する必要があり、とても時間がかかっていました。
山本:
目視での校正では、文字だけでなく図柄や色を完璧に確認できる自信はありませんでしたし、ミスを見落としたこともありました。校正する量も多く、やればいつかは終わる、と自らに言い聞かせながら校正をこなしていました。
数年前にデジタル校正ツールの存在を知り、導入の検討を始めました。6社比較しましたが、トライアルを経て私たちの業務に一番合っていたのがフォルトファインダープロでした。
澄川:
操作が簡単で、OCRの精度が他社ツールに比べて高かったです。また、外国語にも対応できる点がありがたかったです。
山本:
英語と中国語での表示を校正することもあり、外国語は日本語と同じように読むわけにもいかず、検査に苦労していました。中国語のパッケージの校正において、想定外のミスがありましたが確実に差異を検出してくれました。
校正の品質をさらに向上させるためにAIOCRを活用
山本:
導入して数ヶ月ですが、現在はパッケージと商品カタログの校正にフォルトファインダープロを活用しています。特に6Pチーズのパッケージ校正では、従来のフォルトファインダープロの機能だけでは難しかった高い品質で検査ができるようになり、ビットマップ画像の識別が高品位でできるAIOCRに助けられています。
澄川:
パッケージ自体が丸い形状のため表示も丸く配置されています。1文字でも次の行にずれてしまうと非常に読みづらく、目で追いながらの確認はとても大変でした。比較するデータは文字情報がないPDFですが、確実に検査できます。
山本:
また、商品の実物を撮影した写真と、パッケージのデータを比較することもできます。新商品のオーツミルクは海外でパッケージが作られているので、オーダーした通りに制作されているかを比較するときに役立っています。
カタログでは校正の時間を半分以下に削減。心の余裕が生まれる
澄川:
導入後は校正にかける時間が減ったのが一番大きい効果です。20ページほどあるカタログは文字数が非常に多く、以前は1回の校正に2〜3時間かかっていました。1箇所でも変更されると他のページもすべてチェックする必要があり、改版のたびに5回は校正が回ってきました。フォルトファインダープロを活用すれば、1時間以内に校正が終わるようになり圧倒的に速く検査できています。
山本:
パッケージでも同様に、検査時間が短くなっています。一部色が変わっただけでも、すみずみまでチェックするため時間がかかっていましたが、今は検出された変更箇所を重点的に確認できます。全体を一通り確認する作業は継続していますが、時間は短縮された上、デジタルで確実に検査したという安心感が得られます。
操作もわかりやすかったです。アイコンにカーソルを持っていけば、どの操作ができるのか文字が表示されます。マニュアルを読み込まなくても、感覚的に使うことができます。今後他のメンバーに業務を引き継ぐ場合も、スムーズに進むのではないかと思います。
メンバーが1人産休に入る予定があります。業務の現状維持をして、仕事が回せるように環境を改善していきたいです。業務が重なって追い込まれてくると、「あの人がチェックしたから大丈夫だろう」という思い込みが発生しがちなので、心に余裕を持って検査できるのがありがたいです。
フォルトファインダープロの特長を活かしてさらに精度高く検査できる体制を整えたい
山本:
Tooのサポートの方々のフォロー体制はとても速いです。問い合わせした際に来社してくれ、まずは対面で丁寧に説明があり、そのあとはオンラインできめ細かなフォローしてもらいました。
今後は校正に使うデータを統一できればと考えています。フォルトファインダープロは文字情報があるPDFの比較による精度が一番高いですが、現状その対応ができていません。本社のマーケティング部門や、外部の印刷会社、デザイン会社を巻き込んでデータを統一していく必要があります。それが叶えば、フォルトファインダープロの特長を活かしてさらに精度の高い検査が実現できると期待しています。
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