オハヨー乳業株式会社様は「真の欲求を究めて、ホンモノをカタチにする」というスローガンを掲げ、おいしさだけではなく、人の豊かさとは何か、健康とは何か、食全体を考え新しいマーケットを生み出す企業を目指されています。今回は、商品パッケージの校正作業に文字検版支援ソフトウェア「フォルトファインダープロ」をご導入されました。研究開発部 包材技術開発課の千葉朋子様、岩井光様、田島楓子様に、導入の背景やその効果を伺いました。
制度の改定に伴い、版下の改廃が大量に必要な時期を迎えていた
千葉様(以下、敬称略):
私たちの部署では主に商品パッケージの形状や材質などの技術開発をおこなっています。業務の一環である校正作業では従来、成分表示が掲載してある版下を印刷して一文字一文字目視で検査していました。すべての商品の版下検査を担当しているため、繁忙期には1日20点ほど溜まってしまうこともありました。1日がかりで版下照合をおこなうので目を酷使していましたし、人力なのでミスも発生し、その度に検査に関わる社員や部署の数が増えていきました。さらに食品表示基準が制定され、新たな食品表示制度が開始したため、2年間ほどかけて全商品の表示を変更する必要がありました。その後、原料原産地表示制度に関しても表示をすべて変更しなければならず、改版が大量に必要となる時期を迎えていました。こういったことが重なり、作業時間を短縮しつつミスを減らせるツールはないかと探していました。
他社製品ではゼロから作り上げるシステムが多く、弊社の版下を見せて相談したところ、開発費用も工数も膨大になるということで行き詰まっていました。そのような折にTooさんをご紹介いただき、価格がリーズナブルかつシンプルな操作性であるフォルトファインダープロの導入を決めました。
検査する人員や残業時間を削減。デジタルに任せることで一定の品質をキープ
岩井様(以下、敬称略):
フォルトファインダープロでは版下データのミスだと判断された部分が赤く表示されるため、注意すべき箇所を中心に確認できるようになりました。過去には「/」「.」などの細かい表示を見逃してしまい、急遽差し替え作業をおこなうこともありました。人の目では分からなかったミスもデジタルで確認できるので安心です。表記が正しい箇所は青く表示されますが、改めて確認しても間違いはなく、ツール自体の正確性は信頼できるものだと思います。検査人数が半分になった上にミスも減りました。残業時間の削減にもつながっています。
田島様(以下、敬称略):
フォルトファインダープロを使用することで、同音異字を記載していたミスに気づくことができました。「もしも人力でやっていたら」と、とても怖くなったのを覚えています。「間違えてはいけない」という精神的なプレッシャーも軽減されました。ソフトの使い方も簡単で、一度覚えればすぐに使い始めることができました。新入社員もフォルトファインダープロを使っていますが、誰が検査をしても一定の品質を保てるので安心して任せられます。
パッケージの微細な変更も効率化。強みのある商品を育てる
千葉:
現在弊社では数多くの商品を出すことよりも、強みのある商品を育てることに力を入れています。この場合、パッケージに大きな変更はありませんが、キャンペーンなどの広告表示の追加や成分の一部だけ変更するマイナーチェンジが発生します。以前は一箇所変更するたびに版下全体を確認していました。しかしフォルトファインダープロの「あおり表示機能」を活用することで異なる箇所が瞬時に見つかるため、変更箇所を中心に確認できるようになりました。
商品によっては、版下の校了までを1日で終えなければならない場合もあります。従来は、検査者が所属するすべての部署が回覧しないと先に進めなかったため、校了が締め切りギリギリになることもありました。しかしフォルトファインダープロ導入後は、検査人数が減ったことでスピーディーに回覧されるようになりました。緊張しながら回覧を待つことも、最終段階でミスが発見されることもなくなり、各部署への負担も軽減されています。
展開図の検査にも最適。副次的な効果にも期待できる
岩井:
商品を詰める段ボールや蓋材など、照合できるものはすべてフォルトファインダープロを使っています。特に段ボールにはJANコードなどの細かい数字が入りますし、版下が展開図なので文字がさまざまな方向を向いています。「回転機能」を活用することで比較画像の向きを合わせられるので、展開図の検査にもピッタリです。
千葉:
コロナ禍の影響で、現在社員は週に何日かリモートで勤務しています。従来は検査結果を印刷して回覧していましたが、この状況下で難しくなってしまいました。フォルトファインダープロでは検査結果をPDFデータとして保存できるので、今はアップロードした検査結果を各部署が確認したらサインをする運用にしています。出社しなくてもいつでもデータを参照できるので、コロナ禍においてとても助かっています。
田島:
紙の出力も削減できています。アナログの校正ではさまざまな部署が検査結果を出力していましたが、今ではその作業も必要なくなりました。資料の保存もデータで済むようになったので、廃棄する紙も減っていると感じます。
校正はデジタルに任せ、本業であるパッケージの開発に注力
田島:
トライアル時には丁寧なサポートで、困り事もその場で解決できました。導入後も頻繁にアップデートがあり、読み取りの性能がさらに良くなっているのでどんどん使いやすくなっています。検査をしていて疑問点があればすぐ答えてくれますし、場合によっては版下をTooさんに送って実際に検証してもらえるので、アフターフォローも安心です。
千葉:
弊社では扇型の版下を扱うことがあります。フォルトファインダープロ導入当初は対応しておらず、導入後も目視で検査をおこなっていました。その後Tooさんから開発元へのフィードバックもあり、扇型の版下も検査ができるように新機能が追加されたので、とてもありがたく感じています。導入してから1年ほどのことですが、ユーザーの意見を汲み取ってソフトを改良してくださる技術力の高さやスピードに感動しました。
包材技術開発課は文字の校正だけでなく、本来パッケージの形状や材質を開発する部署です。表示を照合する作業はなるべく短縮して、包材開発に注力することができ、現段階でさっそく成果が見え始めています。今後は弊社の広報冊子やHPでの校正にも役立てられないかと考えていて、他部署へも積極的に紹介していきたいと思います。
Tel:086-279-1231 ウェブサイト
※記載の内容は2021年10月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。