ニッポンハムグループ様は、ハム・ソーセージをはじめ、食肉、加工食品、水産物、乳製品、天然系調味料、健康食品など、食に関するあらゆる分野へと事業領域を展開。「たんぱく質を、もっと自由に。」というスローガンのもと、食から広がるさまざまなフィールドで、新たなおいしさと暮らしの楽しさを提供されています。
今回は、食品パッケージなどの校正をデジタルで実施し効率化するために、「AIOCR」オプションを追加した文字検版支援ソフトウェア「フォルトファインダープロ」を導入されました。導入の経緯や効果を、加工事業本部 商品統括事業部 品質指導室 原田友代様、片倉梨紗様、中田優子様に伺いました。
年間約800点の商品のパッケージを従来は目視で校正
原田様(以下、敬称略):
品質指導室では、ハムやソーセージなどを担当するチームと、ピザやハンバーグなどの加工食品を担当するチームの2つに分かれて商品の規格審査をしています。私たちチームの主な業務は、加工品の食品表示や安全性、パッケージの表現の確認です。近年は食品表示基準や景品表示法の改正が続き、さらには商品のリニューアルも非常に多く、パッケージの表現に特に注意を払っています。
年間700〜800点の商品を確認し、また大量の商品がリニューアルされる時期が年に2回あります。商品の立ち上がりから製造までに携わって規格審査をしていますが、その際にパッケージのチェックミスによって商品回収が起きないような体制づくりを心がけています。
従来は目視でパッケージの版下を校正していました。新商品の展示会が近づく時期はひと月100件以上をチェックします。限られた時間の中で、一言一句漏らさず確認するには集中力の限界を感じていましたし、何回チェックしても見逃しがあるのではないかと不安でした。
目視での校正から脱却しヒューマンエラーを仕組みで解決したかった
片倉様(以下、敬称略):
一括表示や原材料名、アレルゲン、栄養成分など、法律に関わる部分はミスの見逃しが起きないよう神経を使います。しかし、目視チェックしている限り絶対に大丈夫だと言い切ることは難しい状態でした。
原田:
ヒューマンエラーを仕組みで解決できないかとツールを探し、さまざまな検版メーカーと商談をした中でフォルトファインダープロに行きつきました。フォルトファインダープロは誰でもわかりやすい画面で、データを読み込み校正対象の箇所を括るだけでチェックできます。複数人のスタッフで使用する予定があったため、使い勝手の良さは導入するツールに一番求めていた条件です。
中田様(以下、敬称略):
いくつかの他社製品と比較しましたが、使い勝手が良く精度も高いフォルトファインダープロの採用を決めました。フォルトファインダープロの導入によってデジタル化が進んだ現在は、商品パッケージや商品を梱包するダンボール、商品に貼るラベルなどの校正が効率的におこなわれるようになりました。
校正にかかる時間は1/3に短縮。精神的なプレッシャーからも解放された
原田:
校正にかかる時間は、フォルトファインダープロを導入してから3分の1ほどになりました。大きな商品リニューアルが発生する繁忙期には、1日で何品も校正する上にミスが許されない緊張感がありましたが、そのプレッシャーからもだいぶ解き放たれました。
また、パッケージ作成に修正が発生した場合は、何らかの原因で修正箇所以外にも変更が生じることがあります。再度パッケージ全体を目視で校正するのはかなり大変でしたが、今は修正部分を重点的に確認して、その他の部分はフォルトファインダープロに任せられるので、負担が明らかに減りました。
片倉:
校正の精度も非常に高いです。パッケージに必要な情報が一部入っていなかったことがあるのですが、フォルトファインダープロでしっかり検出されました。印刷前の段階で発見できたので本当に助かりました。
AIを活用したOCR機能によって精度が向上。その他にも校正に役立つ機能が充実
片倉:
オプションで導入したAIOCR機能を活用すると校正の精度がさらに向上するため、版下と商品カルテの照合や、版下同士の比較にはいつも活用しています。今後は、ラベルに関しても、AIOCRを使って現物をスキャンして校正できる体制を整えたいです。現状はきれいにPDF化された版下で校正することがメインですが、工場からは実物のフィルムをスキャンして校正したいと要望が挙がっています。それらを実現できるよう検証を進めていきます。
その他にも、あおり機能を主にパッケージ全体の確認に利用しています。イラストやアイコンなどの位置のズレは確認が難しいのですが、あおり機能なら微妙なズレも検出できるので、デザイン全体を見るときにとても役立っています。回転機能もよく使っています。例えばピザのパッケージは、版下を展開すると文字がパッケージの裏表で同じ向きでは無いため、文字が正面になるように回転させて検査できるのが便利です。
パッケージに限らずさまざまな分野で業務効率化を推進していきたい
原田:
導入に際し、Tooには説明会やトライアルのレビュー会を複数回開いてもらいました。フォローもしっかりしていて、質問には素早く丁寧に答えてもらえます。「ちょっと厳しいかな」と思うことも、Tooのサポートに相談すると前向きに検討してくれるので大変助かっています。
片倉:
校正にかかる時間の削減によって、パッケージに表現している文言の根拠となる資料や、ブランドに関する資料、商品の登録上必要な書類などのチェックを重点的にできるようになりました。これらによって審査精度も向上しています。また、校正にかかる時間が減り他部署に承認されるまでの時間が短縮され、審査のスピードも全体的に速くなっているのを実感しています。
中田:
ヒューマンエラーを無くすためにも、知識に頼らずにおこなえる業務はデジタル化を進めていきたいと考えています。パッケージに限らず他の分野でもフォルトファインダープロを活用して、業務の効率化を図れないか引き続き検討していきます。
※記載の内容は2024年3月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。