株式会社ナリス化粧品様は「 “for others”<人様のために>」という経営理念のもと、総合化粧品メーカーとして、化粧品の開発から製造・販売までを一気通貫で手がけられています。同社では、製品パッケージの校正業務の品質向上と効率化のため、文字検版支援ソフトウェア「フォルトファインダープロ」を長年ご利用いただいています。また今回、AIでより高度なOCR機能を実現した「AIOCR」オプションもご導入されました。
導入の経緯や効果を、事務管理部 課長 髙﨑雅也様、主任 藤森詠美子様、出原麻衣様、豊田さやか様に伺いました。
年間約300品目の新製品を開発 チェックする版下はその倍以上
訪問販売事業をベースに、30年ほど前から、店頭販売へ販路を拡大しました。現在はOEM事業やプライベートブランドにも注力し、年間約300品目の新製品を開発しています。主力の訪問販売事業では「LUQUE(ルクエ)」など、手に取りやすい価格帯の自社ブランドを展開し、新規ユーザーの開拓を目指しています。
また、「ぐーぴたっ」など健康食品も展開しており、フレーバーを変更したり、キャラクターとコラボしたスペシャルパッケージも手がけています。
事務管理部の表示開発チームでは、主にパッケージ裏面の原稿作成から版下作成、校正業務までを担っています。通常、1つの製品に対して、容器と個装箱があるため、実際にチェックする版下の数は製品数の倍以上になります。
季節ごとの繁忙期や、ブランド製品のライン展開もあり、締め切りと戦いながら日々校正業務をおこなっています。
業務の効率化をミッションに、新たな校正のやり方を検討
デジタル校正ツールの導入を検討したのは、組織変更により原稿作成から版下作成を一つのチームで対応することになった時です。この時の一番大きなミッションは、業務の効率化と生産性向上でした。校正業務は二人一組で、一言一句声に出して読み合わせをするなど、目視でのチェックには労力がかかっていました。絶対にミスが許されないため、精神的な負担もありました。
以前のやり方で創意工夫するだけでは大幅な効率化には繋がらないと考え、「やり方を変える」というキーワードで検討しました。そんな中で以前からお付き合いがあったTooから紹介してもらったのがフォルトファインダープロでした。
他のツールも検討しましたが、一番やりたかったWord原稿と版下の照合が叶うことが決め手でした。Word原稿のテキストを版下に流し込む工程が誤植のリスクが一番あると感じています。すぐに飛びついてトライアルをお願いしました。
導入以来長く活用、ミスを回避できて安堵したことも
フォルトファインダープロでは、Word原稿と版下、版下と青焼きの照合をしています。とにかく正確に速く校正できるため、2018年導入以来長く愛用しています。校正業務にかける時間は半減したと思います。
現在産休のメンバーもいる体制で校正業務にあたっていますが、その分フォルトファインダープロが大きく貢献してくれています。残業することはほぼなくなり、部署内の他の業務を取り込む余裕まで生まれました。
実際、版下の誤字脱字をフォルトファインダープロが発見してくれて、社内回覧する前に修正できたことがありました。句読点の抜け落ちも発見してくれて安堵したこともあります。
例えば口紅容器の底ラベルに印字された表記は、小さな文字サイズで円形に沿って印字されていますが、問題なくチェックできています。
フォルトファインダープロのおかげもあり、導入以来誤植は一度も起きていません。過去には、完成した個装箱をすべて差し替えたこともありました。特に新製品はすべて刷り直しになるため、想定外の費用がかかります。最悪の場合、製品回収にもなりかねないので、そのような精神的負担から解放されたことは大きいと思います。
AIOCRオプションの追加で、できることが広がった
校正業務をさらに効率化すべく、最近フォルトファインダープロのオプション機能であるAIOCRを導入しました。パッケージには、文字が入ったイラストや図表が入ることがあります。イラストや図表などは文字を手で入力することがあり、特に間違いが発生しやすい箇所です。AIOCRを使うことで読み取る精度がさらに上がり、イラストや図表をまとめてチェックできるようになりました。版下と入稿後にできあがってきたサンプル品の比較にも活用しており、問題なくチェックできています。
海外にも製品を展開しているため、外国語表記のパッケージも扱っています。外国語表記は目視での確認が大変なので、AIOCRによって精度高く照合してくれるため助かっています。校正できる対象範囲が広がり、校正業務がさらに効率化できました。
校正フロー全体のデジタル化へ
フォルトファインダープロの導入に伴い、青焼きをサプライヤーからデータでもらうようにしました。以前は紙だったので、保管も整理も大変でした。校正業務からデータの保管まで、すべてデジタルで完結する体制が整いつつあります。
導入時の手厚いサポートに安心感があった
導入時は何度かTooに来社してもらい、実際の版下を用いて使用方法を丁寧にレクチャーいただきました。疑問点があった場合にもメールや電話で迅速に対応してもらい、ツールの操作に慣れていないメンバーも安心して使い始めることができました。また、私たちの声を製品の開発元まで届けてもらい、実際にシステムがアップデートされたことも、ありがたかったです。
最近、他部門からも「フォルトファインダープロを使ってみたい」という声を聞きます。これからもTooに要望を吸い上げてもらいながら、社内でも活用の幅を広げ、校正の品質向上と、さらなる業務効率化を目指していきたいです。
※記載の内容は2024年5月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。