カバヤ食品株式会社様は、1946年に創業以来「子供たちに夢と希望を」の精神のもと、グミ、清涼菓子、チョコレート、キャンディ、ビスケット、玩具菓子などの製造をされている菓子メーカーです。パッケージ印刷に必要な版下作成を担当している研究開発室で、パッケージの校正作業に文字検版支援ソフトウェア「フォルトファインダープロ」を導入されました。デジタル検版を導入された背景や、今後の本格運用でどのような効果が期待されるかを、研究開発室開発管理課の根井良江様と堀田梨加様に伺いました。
精神面・人的労力の負担が大きい目視でのチェック
パッケージ印刷の版下校正は、従来目視によるアナログ確認でおこなっていました。特に食品表示ラベルにおいては、万が一のミスは人命に関わることもあり、絶対に避けなければいけません。もしもミスが発生した場合、商品の回収作業が必要になるなど、メーカーとしても大きなリスクを負うことになります。そのため、校正作業はプレッシャーも感じますし、慎重にならざるを得ない作業です。
もともと、半期ごとの商品リニューアルのタイミングがあるなど、デザインの改廃が頻繁におこなわれる業界です。加えて、食物アレルギーの原材料が追加されるなど、食品表示法の改正にも対応しなければなりません。そのたびに手がける200品目弱の商品に対応をしていくとなると、かなりの負担がかかります。既に版下の検査に多くの人数、時間を割いていることもあり、目視による検査時間を減らし、業務自体を効率化できる手段はないか、2020年ごろから本格的に解決策を探し始めていました。
パッケージ制作に最適なフォルトファインダープロ
他社の検版ソフトウェアも比較検討していましたが、Tooさんに提案いただいた「フォルトファインダープロ」の導入を決めました。決め手となったのは、パッケージ版下向けに最適化された機能が備わっていたことです。版下をPDFでやり取りすることが多いのでPDFに対応していること、さらにデザインの版下だけでなく原稿資料にもアオリ機能が使えるなど、パッケージデータの検査をする上ではぴったりだと感じました。
また、グループ会社が先行して「フォルトファインダープロ」を導入していたことと、トライアル利用ができたことが安心材料となりました。導入するには自社の業務環境とソフトの機能がきちんと整合するかが重要ですので、実際に使用する社員が事前に運用イメージをつかめたことでの現場の安心感が大きかったです。このような観点から「フォルトファインダープロ」の導入が最適だという結論に至りました。
ヒアリングから導入まですべてをオンラインで実施
ヒアリングからトライアル、そして導入まですべてオンラインで対応してもらいました。当初は不安もありましたが、Tooさんがオンライン上で説明会や勉強会を開催してくださるなど、細やかなフォローをしてくれたため安心して導入までたどり着きました。テキスト資料に加え、勉強会はビデオ会議システムでおこなわれました。画面上でソフトを操作する様子を見ながらリアルタイムで説明を聞くことができるので、より理解が深まったと感じています。
食品だけでなく玩具の説明書にも活用予定
まずは私たちが所属している部署への導入を予定しています。そこが窓口となり、他部署での業務にも展開していく可能性もあります。本格的に運用する上で社内においてどのような施策が必要か、ニーズを汲み取ることができればと考えています。「フォルトファインダープロ」を使用するタイミングとしては、デザイン会社へのパッケージデータの入稿前の校正作業や、印刷会社の校了前の確認に活用予定です。
玩具付きのお菓子の製造もおこなっており、玩具の説明書の校正作業にも導入を検討しています。玩具の説明書には、お客様に視覚的に理解してもらうための玩具組立図が掲載されています。文字であれば読むことでミスを発見できますが、玩具組立図に表現される玩具のパーツの重なりや、指示する矢印の向きや長さは複雑なことも多く、より精密な校正作業が必要です。このような、文字以外の図示された情報にも活用できるのではないかと感じています。
会社全体での業務改善に期待
目視のみでおこなっていた際の見逃しや思い込みを排除することで、校正のクオリティは保ちつつ効率化に繋げたいと考えています。また、従来校正作業にかかっていた時間を削減することで、商品開発のスピードアップも狙っていきたいと思います。本格的な運用はこれからですが、社員全員が同じスキルを持って活用できるように進めていきたいです。
新型コロナウイルス対策に限らず働き方改革の一環として、在宅勤務の選択肢も今後増えていくと思います。社内でもペーパーレス化に踏み切り、電子印鑑の導入や、印刷しての確認、承認作業を減らしていった背景があります。検査工程で目視での読み合わせの時間を取っているのですが、在宅勤務期間は対応が難しいと感じることがありました。今回の「フォルトファインダープロ」導入によって、出社していない状況でも対応できる体制づくりにつながることを期待しています。業務標準化や自動化をさらに進め、今後は自部署の事例を他部署にも展開して、会社全体で業務改善を推進していければと思います。
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