株式会社クリニコ様は、介護食・流動食・医療食などの販売を通して「食の楽しみ」を追求されています。今回、パッケージ類の校正業務にパッケージデザイン向け文字検版支援ソフトウェア「フォルトファインダープロ」を導入されました。デジタル検版を導入された経緯とその効果を、クリニカルマーケティング部に所属する砂田峻様に伺いました。
導入の経緯
弊社の製品は病院や介護施設に向けたものが多いため、パッケージの文言や数値に相違がないか念入りに確認しています。例えば病院で製品を提供する際は、このパッケージ情報を元に患者さんに必要な栄養を計算します。万が一数値や表示にミスがあった場合、食品表示法違反となり会社の信用問題につながるだけでなく、何よりも患者さんの健康状態に関わります。そういった意味でも、表示については常に細かくチェックしています。
また、社内では読み合わせ作業を二人がかりで声に出しておこなっています。以前から音読では、同音異義語はカバーできないというデメリットは感じていました。また、読み合わせの作業には最低二人必要な上その工程を複数回繰り返すため、人員や時間が取られることも負担になっていました。クリニカルマーケティング部では表示の確認だけではなく、新製品の開発や市場動向の調査・分析、臨床研究の企画や学術情報の収集など、業務は多岐に渡ります。読み合わせをおこなうたびに、それぞれが抱えている他の作業が止まってしまうこともありました。これらの課題を解消できるものはないか探していたところ、 Tooさんにフォルトファインダープロを提案していただきました。
OCRの精度とシンプルな操作感が導入の決め手に
重視していたのはOCRの精度と、誰でも簡単に操作できる点でした。トライアルで一通り運用してみて、条件をクリアしたフォルトファインダープロは魅力的でした。折しもそのタイミングで、社内でデジタルトランスフォーメーションを活用して業務改善を進めていこうという動きもあり、導入の追い風となりました。
膨大な作業による負担を減らしながらミスも検知し、導入効果を実感
フォルトファインダープロ導入後は、音読では判別できない間違いが減らせました。検査のフローとして、最初にフォルトファインダープロのアオリ表示機能で検査をして、どこがどれだけ変わっているのか、森を見るように全体を把握します。その後、木を見るように部分部分で細かく比較するのが弊社のオーソドックスな使い方です。今のところ二人がかりの読み合わせは同時並行でおこなっていますが、フォルトファインダープロで一度検査をしているので、特に注意すべき箇所はわかっています。より注意して確認が必要な部分の目星をつけることで、メリハリをつけて読み合わせできるようになりました。
検査対象にはパッケージだけではなく、パッケージに貼るシール、製品を詰めるダンボール、製品のパンフレットなどが含まれるため、これらすべてを修正して食品表示法や社内規則等に準じているかをチェックする必要があります。ミスを犯さないように細心の注意は払っていますが、人間の集中力には限界がありますので、神経を使う作業をデジタルツールでカバーできるのは理想的な形だと思います。実際に、確認中に表示修正箇所が検知されたケースもあり、導入効果も実感しています。
また、読み手に依存せず検査がおこなえるようになりました。経験がものを言う業務であるため、新人や若手には判断が難しい場面も多々あります。検査結果のばらつきがなくなった点も、フォルトファインダープロ導入の大きなメリットだと感じています。
在宅勤務で検査結果の回覧も可能に
弊社では、パッケージ類のデザインが変更になった際は必ず回覧をします。以前のパッケージから何がどう修正されたかをフォルトファインダープロでチェックして、検査結果を添付してまずは部内で回覧します。それ以降は全社での回覧、そしてグループ会社にも回覧をおこなっています。検査結果をPDFなどにエクスポートして確認できるため、ソフトを持っていない社員も含めた複数人での確認作業に活用できるのが便利です。新型コロナウイルスの影響もあり在宅勤務をする人も増えているので、メールに検査結果を添付することで、遠隔地でも回覧作業ができるようになりました。
他社への導入実績も豊富なToo一択
他社製品との比較はほぼせず、Tooさんから提案されたフォルトファインダープロ一択でした。それだけ質もよかったですし、他社さんへの導入事例が多かったのが魅力的でした。他社さんも同様の悩みを抱えていることがわかりましたので、それをデジタルツールで解消するのであれば、アフターフォローも丁寧なTooさん以外に選択肢はないと思います。フォルトファインダープロの導入で工程が少しでも効率化されれば、新製品の開発などにより注力できるといった効果も生まれると思います。食品メーカーの皆さんにはぜひ使ってほしいです。
今後は他部署や他部門への導入も視野に
今はまだ、フォルトファインダープロを業務の中に完全に取り込めたわけではありません。使う人も限られているため、今後は標準手順として業務に組み込めるようにしていきたいです。また、現在はクリニカルマーケティング部のみの導入ですが、勉強会の資料やマニュアル、広報誌を作成・確認する部署もあります。他部署や他業務にもいずれは使ってもらえればいいなと思います。
※記載の内容は2021年8月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。