水上印刷株式会社様では、『360°フルサービスカンパニー』として、印刷会社の領域にとどまらないサービスをクライアントに提供しています。「お客様の“面倒くさい”を解決する会社」をスローガンの一つに掲げ、お客様にとって面倒くさいことをすべて引き受けて、解決するべく、業務の生産性向上の一環としてPDFワークフローのRPAソフト「Enfocus Switch」を導入いただきました。今回はご担当の山本様にお話をお聞きしました。
人が作業する限界を感じていた
多品種短納期の印刷物に対応するためRPA導入を検討
私のところでは、多店舗展開をされているアパレルショップ様の店頭用印刷物のデータ制作、印刷、アセンブリ、発送までを行なっています。この仕事は多品種、短納期になるため、制作したデータの確認や、出荷を間違えないようにするなどの手間が多く、これまで人の手で行なっていた際には何人いても足りないような状況でした。人海戦術でこなしていると、仕事が増えるたびに、どんどん人を増やさなければならない。また単調な繰り返し作業では人的ミスが避けられないため、さらにそのチェック用に人がいる、と雪だるま式に人が必要になっていました。なんとかRPAで自動化できないかということでソリューションを探していました。
企業をあげてICT化を強化
もともと、PDFプリフライトを行うEnfocus PitStopは使っていたので、TooにRPAの相談に行ったところ、同じEnfocusのSwitchを紹介されました。これからの印刷業界では、サービスの多面化が求められ、印刷専門職ではない若い人材確保が大きな課題となっています。そんな中、会社としても一丸となって、若手社員の集中的なICT研修、様々なシステムやソフトウェアの積極的な導入を行なってきました。そんな折だったので、RPA導入時にも会社の理解がありました。
RPAがないと多品種大量生産はこなせない
アパレルショップ様のシーズンごとのセールや新作にあわせて、店舗用の印刷物を制作していますが、多品種のため品番やコードなどのデータを、印刷物のトンボ外に仕様書としてつけています。このためにデータを自動的に流し込むためのInDesignのスクリプトを別途Tooに開発してもらいました。制作データから、仕様書の添付、データ作成まで一連の作業をSwitchで自動化しています。
導入効果
デモ環境でいろいろ試し、またTooでSwitchのフローを組んでもらい試せたので、実務レベルですぐ使えるようになりました。いまでは、年間500時間の削減ができています。もちろん人的ミスはなくなりましたし、特に繰り返しの単純作業をしていたスタッフの心理的負担も減りました。若手の人材確保、働きやすい環境づくりも同時に実現できました。
導入前まで制作部では、リードタイムの短いものや物量の多いものをご入稿いただく場合に、残業ありきの対応が生じがちだったのですが、いまは残業の目標値を下回ることができています。いまでは、もうSwitchが無い状況を想像することもできません。そのぐらい日々のワークフローに使用しています。特に、多品種で大量生産の印刷物を受注する場合は、やはり人の手では難しいので自動処理が必須です。
今後の期待
最初の納品時に設計してもらったフローをメインで使っていますが、それ以外にも自分でフローをいろいろ設計しています。例えば、外部のバリアブルソフトと制作された名刺データを統合し、所定のサーバーへアップロードする名刺作成用のフローや、定型サイズに画像を面付けしたデータを生成させるフローなど、社内の他のシステムとの連携も視野に入れながら、どんどん試して自動化しています。将来的には、PDFワークフローはすべてSwitchで自動化できればいいと思っています。ちょっとUIが難しいですが、他社のSwitchユーザーさんとぜひ情報交換したいですね。
※記載の内容は2019年9月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。
Enfocs Switch
繰り返し発生する作業をUIでフロー設計し、そのフローに沿って自動実行することができるハイエンドの自動化フローデザインソフトウェア。ファイルの回収、フォルダ分け、ファイル名変更、メール通知、他のアプリケーションと連動させた自動処理など多彩なコマンドを実行。また、スクリプトやデータベース、メタデータモジュールなどのオプションを追加することで機能拡張が可能。
Tooからのご提案:印刷・DTP自動化ソリューション(RPA)でコストを削減
印刷ワークフローの課題の一つに入稿されたデータが印刷に適合していないことが挙げられます。また顧客やECから入稿されたデータを次のプロセスにまわす際にも人の手が必要です。こういった作業はロボット(自動化ソフトウェア)を活用することにより、効率的に自動化することができます。
印刷・DTP自動化ソリューション(RPA)でコストを削減の詳細へ