東京学芸大学附属高等学校様は、多様な分野でイノベーションを引き起こし、国際社会に貢献する人間の育成をビジョンに掲げ、「本物」に触れながら生徒の知的好奇心を高める「本物志向」の教育活動を展開されています。2012年から、科学技術や理科・数学教育を重点的におこなうスーパーサイエンスハイスクール(以下、SSH)事業にも指定されています。
今回は、学業で利用するAppleデバイスが購入しやすくなるファイナンスプログラム「まなび応援!Apple専用分割プログラム(残価設定プラン)」を、生徒1人1台に導入されるMacBook Airの購入方法の一つとして採用いただきました。導入の背景や効果を、教論(理科・地学)の齋藤洋輔様に伺いました。
探究活動と相性の良いMacBook Airを生徒1人に1台導入
私は理科・地学の授業を担当しながら、研究部の立場で学校の教育研究をマネジメントしています。2020年度から始まった、生徒1人1台にMacBook Airを導入する「1to1プロジェクト」も教育研究の一つです。SSH事業と連携させながら、学校の教育を底上げする取り組みとして注力しています。
本校では1995年からMacintoshを導入してインターネットを活用した授業開発をしていたこともあり、学校で使用するPCは基本的にすべてMacです。学習のアウトプットをスムーズにおこなえるよう、生徒が使用するデバイスは、スタンドアローンで使えることと、キーボードが必須だと考えていました。MacBook Airであればこれら条件を満たし、さらにiPadやiPhoneなどハードウェア間の連携も良く、本校でのMacの教育実践を継承できるメリットがありました。
また、操作性にも優れているMacBook Airは、本校が重視している探究活動と非常に相性が良いと感じます。論文を検索し、データを整理したり、レポートやポスターを作成したり、ストレスフリーにさまざまな作業をおこなうことができます。スマートフォンやタブレット端末では、スペックや画面の大きさなど、物足りなさを感じます。
デバイス導入における支払い方法の選択肢を増やし、金額的な負担やデバイスの管理コストを減らしたかった
以前は他社からリースでMacBook Airを導入しており、本校が契約主体となって生徒に貸与していました。当時は一括での支払い方法しか存在しなかったため、入学前に保護者から集金して、まとめてリース会社に支払っていました。保護者にかかる金額的な負担を考えると、選択肢が一つしかない状況は変えるべきだと考えていました。
膨大な数のデバイスを管理することも大変でした。デバイスを返却する際の初期化や、故障した際の修理対応など、教員が手を動かして保守管理をしていました。本校が管理するデバイスの数を減らすことも1to1プロジェクトを進めた理由の一つでしたが、従来の契約形態では、結果的に膨大なデバイスを所有することになっていました。
そのような折に見つけたのが、「まなび応援!Apple専用分割プログラム」です。詳しく話を聞くうちに、これまでのストレスはだいぶ解消できそうだと期待を持ちました。
契約主体が保護者になったことで教員の負担は軽減。支払い方法の選択肢も増えた
現在「まなび応援!Apple専用分割プログラム」を採用しているのは1年生で、順次他の学年にも導入を進めていく予定です。導入後に感じた一番のメリットは、保護者に分割払いという選択肢も提示できるようになり、学校として1to1プロジェクトへの協力をお願いしやすくなったことです。また、契約主体が保護者になったことによるメリットもあります。これまで生徒が転学する際は、解約するのか、転入先に持っていくのかなど、確認と調整がとても大変でした。しかし生徒所有のデバイスになったことで、学校が介入すべき案件が大幅に減りました。
費用に関しては、残存価値をあらかじめ引いた金額で導入することができます。修理保証サービスである「Tooあんしんパック エデュケーション」を付帯しても、デバイスを普通に購入するのと同じぐらいの金額に収まるのがありがたいです。
デバイスが故障した際は、今の1年生は基本的に生徒とTooがやり取りをしてくれます。現在の2年生と3年生は、トラブルが起きると故障の具合が分かる写真の撮影や、契約書のやり取りを教員が対応していますが、1年生に関してはデバイスに関する業務が教員の手から離れ、これまでかかっていたストレスを忘れてしまうほどです。
デバイスの学生販売におけるフローをTooがサポート
デバイスの調達だけでなく、デバイスを購入できる本校専用のウェブサイトや、新入生の保護者に対する説明資料、チラシなどを作ってもらいました。複雑な情報を一目見ただけで伝わるコンテンツを用意してもらい、大変助かりました。細かなところまで尽力してもらったので、お願いして本当に良かったと感じています。
毎年秋ごろになると、3月に卒業する生徒がリースしているデバイスをどう返却するかを、教員同士で相談し始めます。全学年でTooからの導入に切り替われば、生徒の保護者に直接判断を委ねることができるため、そういった議論に時間を充てる必要もなくなります。デバイス管理に割いていたリソースが開放され、教育工学に関する教育研究の議論にウエイトを置けるのではないかと期待しています。
生成AIを取り入れた授業展開や、場面ごとに最適なデバイスを選べる環境を整えたい
MacBook Airを文房具のように当たり前に使える環境は整ってきました。それを踏まえて、次は生成AIを活用した授業を実践していく必要があると感じています。インターネットが登場した時代と同様に、学ぶことの意味合いが大きく変わる技術です。まずは教員が積極的に活用して知識をつけて、実践を重ねていきたいと思います。
※記載の内容は2024年10月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。