21世紀アカデメイア 専門学校 福岡ビジュアルアーツ・アカデミー様は、音楽・声優・俳優・ダンサー・映像などの、エンターテインメント業界を目指す学生を育成する専門学校です。今回は、バーチャルプロダクションを簡素化するためのカメラトラッキングシステム HTC VIVE Mars CamTrack(以下、VIVE Mars)を、映像に関する授業で活用するために導入されました。導入の経緯や効果を、学務部 CG映像学科 浅谷弘樹様に伺いました。
構築のハードルとコストを抑えられるVIVE Marsを導入
私の主な業務はCG映像学科の運営に関するマネジメントや授業運営、オープンキャンパスなどの広報活動です。ここ数年CG関連の技術への注目度が高まっていることから、CG映像学科に興味をもつ人も以前より増えています。
技術の進歩が激しい分野ですが、学生が挑戦したい表現を実現できる機材を導入したいという考えのもと、2016年頃からVR関連の機材の導入や、別のトラッキングシステムについて情報収集をしていました。しかし当時は、授業に取り入れるには知識の要求レベルや難易度が非常に高かったため、研究対象にとどまっていました。
そこからしばらく経ち、TooからVIVE Marsを紹介してもらいました。赤外線センサーでトラッキングをすることから、セットアップが短時間で終わり、実写の映像とCGで作った背景を比較的簡単に合成できると感じました。また、数千万円するものが多いバーチャルプロダクションの中でも圧倒的に安価です。これなら教材として十分活用できるのではと考え、導入に至りました。
エンターテインメントの分野で表現の幅を広げてほしい
VIVE Marsの授業での活用はこれからですが、エンターテインメントを学ぶ学校として、パフォーマーの表現を豊かにする技術を身につけてほしいと考えています。
CG映像学科だけで活用するのではなく、ミュージッククリエイト学科や声優や俳優学科、放送・映画学科の学生たちと、バーチャルスタジオを使ったコンテンツ作りができたらおもしろそうです。本校の学内イベントではアーティストや芸人がゲスト出演するので、ここにもVIVE Marsを活用できれば、新たなアウトプットの場になると思います。
また、2025年4月から「ネットタレント・インフルエンサーコース」が新設されます。VIVE Marsを使えば今まで以上にVTuberと人の掛け合いも可能になるので、一段ステップアップした作品が出来上がりそうです。学生たちとバーチャルプロダクションを使った作品をまずは世に出して、エンターテインメントの分野での表現の幅を広げていきたいと考えています。
学生でも操作できる難易度ながら基礎的な知識を身につけることができる
実際に教室内でセットアップしたところ、改めて触りやすい機材だという印象を受けました。一方で、カメラそのものの知識や、どのようなレンズを選ぶか、どのようにズームするかなど、正確にキャリブレーションするには、VIVE Marsや周辺機器についてある程度の知識が必要です。授業で学生が操作できる難易度ながら、業界を目指す上で必要となる基礎的な知識を求められるので、教材としても優秀だと感じています。
また、バーチャル背景の運用には、ゲームエンジンのUnreal Engineを採用しました。業界でスタンダードになりつつあるUnreal Engineを、ちょうど本校でも授業に落とし込んでいこうとしているタイミングでした。VIVE Marsを導入したことによって、時代に即した映像制作の手法に、実践を通して触れることができる機会になりそうです。
VIVE Marsのトレーニングや必要機材もまとめてTooから導入
導入に際し、Tooのスタッフによるトレーニングを受けました。VIVE Marsのセットアップの方法、カメラの設置の仕方、キャリブレーションの方法、Unreal Engineの操作など幅広く教えてもらいました。専門的な用語もあり難しい内容でしたが、とても丁寧に解説してもらい感無量です。製品について正しい知識がある上に、その製品が大好きだという熱意も感じ、楽しくトレーニングを受けることができました。
Tooとの付き合いは長く、PCやカメラ、その他周辺機器なども導入しています。私が入社した時は、どの機材をどの会社から購入したのかわからない状況もあり、機材トラブルの度、不要なやり取りが発生していました。現在はTooに機材の導入や相談をさせてもらう機会が多く、トラブルが起きても電話一つでだいたい解決できます。また、Tooのオフィスに呼んでもらい新しい機材を見学させてもらったこともあり、何でも気軽に相談できる良い関係を築いています。
※記載の内容は2024年10月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。