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学校法人郁文館夢学園 ID学園高等学校様は、通信制と全日制を組み合わせた新しい学校として、生徒の個性を受け入れ活かす教育活動を展開しています。
Adobe Creative Cloudを活用した授業で生徒の発想力・表現力などを伸ばすために、お客様のご要望に沿ったカリキュラムを構築できる、アドビソフトのデザインスクールDesiのプログラム「アドビカスタム講習(以下、カスタム講習)」を生徒様に受講いただきました。受講の効果を、広域通信制高校 ID学園高等学校 企画部 宮坂修平様と、同じく企画部の伊藤明里様に伺いました。
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社会でも通用するスキルを体系的に身につけるためにAdobe Creative Cloudを活用した授業を実施
宮坂様(以下、敬称略):
ID学園では、「夢教育」を教育理念に掲げています。生徒が自ら興味・関心を見つけ、大学進学の先にある将来をイメージして、「夢へのフライング」に向けたきっかけ作りを大切にしています。
通信制高校の特性を活かして、生徒が学びたいことを自由に学べる環境を重視しています。日々の探究活動や文化祭で、生徒の成果物は第一印象で心を打つ作品が多いと感じていました。デザインやイラスト、動画編集などの、表現するスキルを体系的に学び、知識として身につけることができれば、生徒の大きな力になると感じていました。
このようなスキルを習得してもらうために、本校ではプロも使用しているデザインツールのAdobe Creative Cloudを導入しています。生徒がキャリアを描く過程で、本物に触れる経験は非常に重要です。小中高ユーザーライセンスを契約しており、低価格で使用できるのはとてもありがたいです。
生徒のニーズに合わせて柔軟に講習内容を構築できる点が魅力
宮坂:
一方で、専門性の高い内容を教えるには、教員のノウハウや準備時間の確保が難しい状況にありました。当初、オンデマンド動画のサービスを契約する方法も検討していましたが、リアルタイムで集中的に学べる方が、生徒の進捗に沿って進められるなど本校には適していると感じました。
伊藤様(以下、敬称略):
本校には多様な背景をもつ生徒が在籍しており、授業の個別最適化を進めるためには、幅広い選択肢を提示できる環境が理想です。専門学校と連携して授業プログラムを準備する方法もありますが、大規模な企画になる上、受講人数も相当数確保しなければいけません。そのような折に、Adobe Creative Cloudを導入しているTooからカスタム講習について提案してもらいました。本校の要望に沿ってカリキュラムを構築できるため、これなら通信制高校のニーズに合致した授業を提供できると感じました。
短期集中型のカリキュラムを難易度別にオンライン実施
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宮坂:
Tooの講師と相談しながら、主に2点を重視して講習を組み立てました。1つ目はコマ数の設定です。毎月のレポート提出の時期と講習が重なると、モチベーションの維持が難しくなる可能性があるため、短期間で完結する内容を希望しました。2つ目は、参加のしやすさです。講習の難易度を初級・中級に分けることで、初心者でも気軽に参加してもらい、さらに学びたいと思った生徒は次のステップへ進めるようにしました。
生徒がツールを使いこなせるようになった上で、自分の考えを形にして表現できるカリキュラムを目指して、3種類の講習を用意してもらいました。1つ目が、Adobe Expressを使用してバナー画像やウェブページなどを気軽に制作できる講習、2つ目がPremiere Rushで基礎的な動画編集スキルを学ぶ講習、3つ目がIllustratorとPhotoshopでプロ仕様のデザインツールを基礎から学ぶ講習です。いずれも4〜9コマという限られた時間で必要なスキルを学べます。また、Zoomを使ったオンライン開催にすることで、さまざまなキャンパスに在籍する生徒が受講できました。
ITツールに苦手意識をもつ生徒もいるため、当初はカリキュラムの難易度が高いのではないかと心配していました。しかし、Tooの営業や講師が来校して直接提案をしてくれたり、内容の概要を紹介した動画まで作成してくれました。これによって、多少難易度が高かったとしても、生徒だけでなく教員も「挑戦したい」と思える雰囲気が生まれました。
ツールの使い方とデザインの基礎となる知識の両側面から学習
伊藤:
生徒はとても前向きに取り組んでおり、中にはカスタム講習を受けるためにパソコンのスペックを上げた生徒もいました。講習では、生成AIを使った画像制作やInstagramのストーリーズ作成などの、個人の趣味に寄り添った内容と、オープンキャンパスのCMやチラシの制作を通して学んだスキルを活用できる機会が用意されていました。
単純なツールの使い方だけでなく、色の選び方や文字の配置など、デザインの基礎となる知識も教えてもらい、人にものを伝える効果的なスキルが身に付いたと思います。中級であるIllustratorとPhotoshopを使用した講習では難易度がぐっと上がったように感じましたが、生徒全員が課題にしっかり取り組み、アウトプットの手段を自分のものにできていました。
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生徒とのコミュニケーション方法や授業後のフォローも柔軟に対応
伊藤:
教員がやることといえば出席管理くらいで、安心してすべて任せられる体制が整っていました。また、生徒がオンラインホワイトボードのMiroに感想を書き込める仕組みや、クラウドストレージのBoxを利用した課題提出の動線を作ってもらい、生徒とのコミュニケーション方法も設計してくれました。
さらに、講習の内容はすべて録画してもらいました。欠席した生徒もアーカイブを視聴することで、課題にしっかり取り組んで次の授業に臨むことができました。本校のニーズに合った柔軟な対応をしてもらいありがたかったです。
宮坂:
デザインのスキルを学び、それを形にしてアウトプットする授業はこれまで本校にはなかったため、大きな一歩を踏み出せたと感じています。専門的な知識を持った講師の方々に熱意を持って指導してもらい、生徒の新たな興味や関心が芽生えるきっかけになったため、Tooの皆さんとタッグを組めて本当に良かったです。
Tooはデザインツールの提供だけでなく、デバイスに関してもApple製品の正規販売代理店としてValue Added Resellerの認定を受け、教育業界に大きな価値を提供しています。Tooのように100年以上の歴史を持ち、日本の教育業界に大きなインパクトを与える可能性がある企業と関わっていること自体が宝だと感じています。生徒のキャリアを応援する活動でもご一緒できると嬉しいです。
カスタム講習で培ったスキルを実践できる場作りを目指したい
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伊藤:
私は留学を伴うグローバルコースも担当していますが、海外の学校ではパソコンを使った発表の機会が日本とは比較にならないほど多くあります。留学して初めてスライド資料を作成する生徒も少なくないため、留学を目指す生徒にはカスタム講習の受講を必須にしてもいいのではと感じています。
また、カスタム講習の参加者を増やすには教員の役割も重要なので、我々も積極的にAdobe Creative Cloudを活用したいです。教員自身が「これは良い」と感じたものは生徒にも伝わるので、良いサイクルを回すことができればと考えています。
宮坂:
さらに多くの生徒に受講してもらいたいと考えています。受講しやすい時期や形式を整え、生徒から「クオリティの高い作品を作りたいからアドビを使いたい」と声が湧き上がる工夫をしたいです。
次のステップとして、生徒の成果物を発表する場を設けたいと考えています。総合型選抜や学校推薦型選抜では、高校時代にどのような努力をしてきたのか、将来どうありたいのか問われることもあります。成果物をもとに具体的な説明ができれば表現の幅を広げられるため、今回身につけたスキルを実践できる場を作りたいです。
カスタム講習を受講した生徒様からもコメントをいただきました
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受講しようと思ったきっかけを教えてください。
地主さん:
Premiere Proで動画編集をしたことがあり、アドビの存在は知っていました。でも個人でアドビを使うとなるとハードルが高く、なかなか機会がありませんでした。今回の講座を知って、できるものはすべて挑戦しようと受講を決めました。
小林さん:
趣味で動画編集をしていますが、独学だったため、字幕を入れる作業やイラストを動かす作業に難しさを感じていました。動画編集を習ってみたいと考えていたときに学校で講習があると聞いて、ぜひプロの先生に教えてもらいたいと思い申し込みました。
小菅さん:
私はソフトを使って絵を描いたりデザインしたり、創作活動がすごく好きです。講座を受けたらもっと創作の幅が広がるのではないかと思い、受講を決めました。
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受講した感想を教えてください。
地主さん:
講習を受けることで、自分ができることの可能性を増やしておきたいと考えていました。3種類の講座を受講しましたが、特にAdobe Expressは、アプリの画面も直感的でわかりやすくて、楽しさに任せて自由に制作できました。
講習で学んだことと、自分が元々もっている知識や力を活かして、いろいろな作品制作に挑戦してみたいです。いつも好奇心で行動しているので、自分の力を試せる機会が増えたのがとても嬉しいです。
小林さん:
基本の操作がテキストにしっかり書いてあって、講師にもいちから説明してもらい、進めやすかったです。手こずったことがあっても、相談するとすぐに助けてもらえたので、やりたい表現に挑戦できました。
Adobe Expressに用意された素材を組み合わせることで、気軽にアニメーションを作ることができるようになりました。ほかにも、ラフのイラストの状態で軽く編集をして、動きの確認をしてから本描きする方法があると知り、前よりも作業効率が上がりました。今回習ったことを活かして、自分の興味がある情報を動画で発信してみたいです。
小菅さん:
受講して率直に「楽しい」と感じました。私はアドビや動画編集は初めてでしたが、とても分かりやすく説明してくれたので、遅れを取らずにサクサク進められました。基本から教えてもらい、自分の可能性が広がった気がします。Zoomで授業を受けましたが、Miroで他の生徒のコメントを見ることができたのもよかったです。
趣味の創作活動に活かせるようになったのが一番嬉しいです。授業以外でもAdobe Expressをよく使っていて、日常生活で使うスケジュール帳や、友達と交換するプロフィール帳を手作りできるようになりました。ほかにも、将来の仕事に生かせたらと考えています。これまで漠然とイラスト関係の仕事に興味がありましたが、講習を受けて、動画編集やデザインのお仕事も面白そうだと考えるきっかけになりました。
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