学校法人上智学院 栄光学園中学高等学校様は、「MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS」を人間の理想像に掲げ、イエズス会を運営母体とする神奈川県の中高一貫の男子校です。他者に仕えるリーダー・人々の幸せのために貢献するリーダーとして、グローバルに活躍できる人を世に送り出すために、多彩なカリキュラムを展開されています。
同校ではAdobe Creative Cloudの小中高ユーザー指定ライセンスを導入し、生徒の皆様が、画像生成AI「Firefly」や画像編集ソフト「Photoshop」、ベクターイメージ編集ソフト 「Illustrator」などを、授業や課外活動で使用されています。導入の背景や効果を、生徒指導部長 情報科・数学科教員の日野俊一郎様に伺いました。
デジタルデザインの分野で生徒の自信や創作意欲を育みたい
情報の授業ではデジタルデザインの分野も扱いますが、デザインに苦手意識を持つ生徒は少なくありません。私自身もそうですが、新しいものをデザインして何かを作ることのハードルはとても高く感じられるので、ツールに助けてもらいながらでも、何か一つ自分のイメージしたものを形にすることができれば、デザインに対してのハードルも下がり、彼らの自信や創作意欲の向上も期待できるのではないかと考えていました。
小中高ユーザー指定ライセンスなら低コストでAdobe Creative Cloudの機能を活用できる
無料で使用できるデザインツールは世の中にはたくさんありますが、せっかく授業で導入するなら、プロも使うような本格的なツールがいいと考え、まず思い浮かんだのはアドビ製品でした。Adobe Creative Cloudの機能を1ライセンスあたりおおよそ年間500円という低価格で使用できる「小中高ユーザー指定ライセンス」の存在を知り、1番の懸念点であるコスト面の懸念も解消され、導入に至りました。また、アプリではないですが、この機能では多彩なフォントが揃っているAdobe Fontsを使うこともでき、しかもそのフォントを他のアプリケーションでも使用できることも魅力に感じています。
Tooとは今回のアドビ製品の導入がきっかけで付き合いが始まりましたが、以前から他校の先生から社名を聞くことがあり、Tooが開催しているアドビ関連のウェビナーを視聴したこともありました。アドビ製品導入後の現在も、困ったときは担当者に連絡をすればすぐに解決策をしてもらえるので助かっています。
情報の豊富さはメジャーなツールならでは。教員が使用方法をマスターしなくても授業へ十分展開できた
現在、Adobe Creative Cloud は主に夏期集中授業で活用しています。今年は約3時間半という限られた時間で、ポスターを制作してもらいました。私自身は Adobe Creative Cloud 各ツールの経験が浅く、自分自身が生徒に対して教えることは難しいので、当初は授業で展開するにはハードルは高いのではないかと感じていました。
しかしメジャーなツールなだけあって、操作方法などの情報は世の中に数多く発信されています。アドビ公式のオンライン講座「アドビことはじめ」や、YouTube動画、書籍などを参考に、私もポスターを制作できました。これだけ情報が豊富であれば、操作方法を手取り足取り教えるのではなく、生徒自身で頭の中のイメージを再現する機能を調べた方が、成果物としてもおもしろくなりそうだと感じました。
授業ではポスターの作例を見せながら、画像生成AI「Firefly」で画像を生成し、画像編集ソフト「Photoshop」で生成した画像を加工し、ベクターイメージ編集ソフト 「Illustrator」で文字を入れるといった制作工程や、作例に使った機能などをまとめた資料を提示しました。アドビの製品を初めて使う生徒がほとんどでしたが、わからないことは情報を自分で調べながら生徒同士で教え合って、成果物を提出するところまで進行できました。教員が操作方法を完璧にマスターしていなくても、授業へ十分活用することができることを実感しました。
画像生成AIツール「Firefly」の活用によって表現の幅が広がった。著作権も安心して使用できる
Fireflyにも助けられました。プロンプトを入力するだけでメインビジュアルとなる画像を生成できるため、素材を一から作ったり、わざわざ授業前に写真を撮影したりする必要もありませんでした。行ったことのない場所や空想上の世界も生成できるので、表現の幅も広がったと思います。
またFireflyは、アドビが運営するストックフォトサービス Adobe Stockの画像や、一般に公開されているか著作権が失効しているコンテンツから学習しています。権利関係がはっきりしているため、教材としても安心して使用できました。
家での学習や課外活動にもアドビ製品を活用
現在は高校1年生全員にライセンスを付与しています。端末があれば自由にAdobe Creative Cloud製品を使うことができるので、家で課題のために使っている生徒もいます。そのほか、希望する生徒や教員にライセンスを付与しています。
小中高ユーザー指定ライセンスの契約を機に、課外活動でも使いやすくなったので、より多くの生徒を巻き込んで制作できるようになるかもしれません。
集中授業を経て、生徒が自分の考えを表現するツールの選択肢として、アドビ製品が思い浮かぶようになればと考えています。生徒自身で調べてポスターを仕上げてもらったことで、思いもしない使い方をしている様子も見られました。 Adobe Creative Cloud内には豊富なアプリケーションが含まれており、詳しく紹介していないAdobe Expressを使っている生徒もいたので、授業の自由度をさらに高めても良いかもしれません。 Adobe Creative Cloudで何ができるのか、活用のヒントを投げかけられる授業ができればと考えています。
「MEN FOR OTHERS, WITH OTHERS」の言葉とともに、他者に仕えるリーダー、人々の幸せのために貢献するリーダーを育成することをミッションとしています。
※記載の内容は2024年11月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。