異なる分野でフリーランスとして活躍されてきた藏本氏、野木氏、村上氏。2016年8月に「株式会社MANN」を3人で起業されました。株式会社MANNは、それぞれの得意分野である映像・写真、グラフィックデザイン、コピーライティングの3要素をベースに、媒体を選ばない提案を強みとされています。起業から1年を経て、起業から今までの変化やフリーランスとの違いについて、お話しいただきました。
3人で仕事をする空気感と、タイミングが合致
起業の経緯
藏本氏:
以前は3人ともフリーランスで、それぞれデザイナー、カメラマン、編集などの仕事をしていました。2016年に某大手日用品メーカーの仕事で一緒になり、とある事業でのプロモーション全体を3人で手がけたんですね。そのときに「一緒にやろうよ」と声をかけたのがきっかけです。元々フリーランスでは大きな案件を受けづらいことから、いつか会社にしたいという思いを強く持っていました。3人で仕事をする空気感と、タイミングもちょうど良かったのだと思います。
起業にまつわる面倒な作業
藏本氏:
起業にあたっての手続きは、私が引き受けましたが……正直大変でした。まず、どんな書類を用意すれば良いかわからない。ある程度は本を読んで調べ、大体の流れを把握して、書類作成などは司法書士の方に丸ごとお任せしました。ビジネス誌のライターもしているので、ある程度の見当はつきましたが、その経験がなかったらもっと苦労していたと思います。
オフィスの引越をしないと住所がない、住所がないと法人登記ができないので、銀行口座を開けられず、銀行口座が開けないと仕事が受けられない……といった順序があったり、法人だと銀行口座の審査が厳しかったり。思い返してみると結構大変でしたね。
起業することで仕事がしやすくなった
クライアントからの信頼向上と、仕事の幅の広がり
野木氏:
フリーランスと比べると「信頼」が大きく違うことを感じます。クライアントによっては、会社になったことで仕事を受けるのがスムーズになりました。他にはカメラ機材が借りやすくなったり、外注先への仕事の依頼がしやすくなったり。元々3人とも独立してクライアントを持っていたので、仕事に関しての不安はなかったです。会社にすることで、どんどん仕事が増えるかもという期待も正直ありましたが……意外と変わらなかったです(笑)。とはいえ、できることの幅が広がったので、いろんな提案を積極的にしやすくなりました。
藏本氏:
「会社として一括で受けられます」となると、こちらの体制は変わらなくとも、見え方が変わりましたね。またビジネス誌のカッチリとした案件から広告、クリエイティブ色の強い仕事まで、3人それぞれ異なる業界を経験してきたことも強みです。ツテのない業界の仕事を個人で受けるのは難しいですが、会社になったことで、新しい業界の仕事も受けやすくなりました。また、1人で受けている案件でも「これってどう思う?」と、ちょっと後ろを振り向けば、相談相手がいるのは良い環境だと思います。
村上氏:
全員がフリーランスを経験しているので、“自分1人だけ”でできる仕事の程度をわかっています。だからこそ、会社になって、できる仕事の幅が広がったことが楽しいです。さらに挑戦しなきゃいけないな、とも感じています。
また馴染み深いクライアントさんにも、新鮮さを伝えられたことが良かったです。クライアントさんに2人を紹介した際に、やりとりを聴きながら「こんなことを考えていたんだ」と感じることがありました。付き合いが長いからこそ、私自身にとっても新たな発見がありました。
資金繰りは成長する気概に
藏本氏:
大変になったことは資金繰りですかね。そこはフリーランスの方が気楽かもしれません。フリーランスは仕事した分だけ収入になりますが、一方で自分1人が生活できればいいや、と無意識に上限を決めてしまいます。法人化は大きくしよう、伸ばしていこうという気持ちが沸くので、可能性の幅が大きいと感じています。また会社としたことで仕事の受けやすさ、広がりの楽しさがありますね。
事業拡大、未知の仕事が楽しみ
今後の展望
我々で一括りの提案ができることを生かして、企業のブランディングやPRを手がけていきたいです。例えばベンチャー企業など、まだ定まっていない部分もある企業に対して、グラフィックデザインから何から、企業PRのためにイメージを再構築する手助けをしていきたいと考えています。
藏本氏:
我々は「デザイン会社」「映像会社」「コピーライトを作る会社」といった、機能がわかりやすい会社ではありません。クライアントと直接やりとりをして、企業や製品やブランドなど、「何かをPRするもの丸ごと」を発注したいとなったら一揃えにできる会社です。そこが強みなので、まずは忙しくなったメンバーのアシスタントを増やし、その後は、異なる分野のメンバーを増やしていきたいと考えています。
野木氏:
異なる分野の人が入ってくれば、またその人の持っているパワーが入ってきて、どんどん新しい流れが起こるのが楽しみです。規模を大きくして、ぜひ人を増やしていきたいです。まだ知らない業界の仕事に挑戦できるのが楽しみですね。
株式会社MANN
株式会社MANNは、「理解」と「実行」に長けたクリエイティブチームとして、クライアントの目指すゴールを共に達成することを掲げていらっしゃいます。販売戦略も含めたコンサルティングやブランディングなど、事業の全体像への理解が求められる案件も得意とされています。
〒107-0062 東京都港区南青山5-4-29 伊万里南青山ビルB1-05
TEL:03-6427-6007 FAX:050-3730-1099
http://mann.jp/
※記載の内容は2017年9月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。
※ 記事は2017年9月現在の内容です。