東洋美術印刷株式会社様は、コミュニケーションの課題を多彩なソリューションで解決し、共感を生み出すクリエイティブカンパニーとして、目的に合わせた多様なコンテンツの企画や制作、印刷を手がけられています。今回、長年ご注力されている保険・金融商品に関する契約書や約款、説明書制作の初稿段階の突き合わせ校正に、ドキュメント差分検出ソフトウェアCollate Proを導入いただきました。導入の経緯や効果を、代表取締役社長 山本久喜様とトーヨーデザインコア 担当部長 津乗真由美様、校正チーム ご担当者様の3名に伺いました。
保険・金融商品の契約書やしおりを長年制作。目に見えない商品を正確に、わかりやすく伝える
山本様(以下、敬称略):
会社名から美術印刷専門の会社と思われがちですが、創業以来、商業印刷にも力を入れてきました。契約書や約款、保険のしおりなど、保険・金融機関に関わる文書の制作も、戦前から続く事業の一つです。形がない商品を伝える媒体であるため、文字組やレイアウトの正確性、わかりやすさを大切にして取り組んでいます。
最近ではウェブサイトの制作や動画、VR、CGなどお客様の課題や分野に合わせたメディアでの表現の提供にも注力しています。一貫して、情報発信の目的に寄り添い、最適なソリューションを提供することを大事にしています。
制作部門のメンバーのほとんどは、ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会が定める、「わかりやすさ」の客観的・科学的な基準を身につけるためのUCDA認定資格を持ち、常に「わかりやすさ」「伝わりやすさ」を意識しています。また、「わかりやすい文書であることを示してほしい」というお客様のご要望に応え、当社の認定資格者が「UCDA認証」というわかりやすさを保証する第三者認証を取得するお手伝いもしています。
校正にかける時間が20分の1に。時間的にも精神的にも余裕が生まれた
津乗様(以下、敬称略):
トーヨーデザインコアは、クリエイティブ力が求められる紙やウェブ媒体の企画・デザインから組版処理までワンストップで行う当社の制作部門で、20名ほどで動いています。その中で、3名が校正チームとして取り組んでいます。2校以降の組版同士の突き合わせには、以前からデジタル校正ソフトウェアのProof Checker PROを使用していますが、お客様からいただくWordやExcelの原稿と組版初稿の突き合わせは目視で行うため、一つの制作物の校正に何時間もかかっていました。ダブルチェックをしても見落としが発生する可能性があり、さらに見直しが必要になることもありました。
さまざまなツールを検討しました。PDF同士を比較できるツールが多い一方で、WordやExcelなど異なる形式のファイル同士を比較できるCollate Proは初稿段階の突き合わせに最適でした。
校正ご担当者様(以下、敬称略):
制作部門からの校正依頼は1日におよそ20件、多いときには30件を超えます。その中でも保険や金融商品に関する文書は膨大なものが多く、一定の集中力を保ちながら正確性を求められる文書の校正には時間がかかるため、効率向上が求められていました。
Collate Proにかけると、1ページ1分もかからず校正が完了します。目視の場合だと1ページおよそ20分ほどかかるため、約20分の1に校正時間が短縮されました。校正依頼が集中したときは、校正の締め切りを調整してもらわなければならないこともありましたが、Collate Pro 導入後は、そのようなこともなくなりました。
例えば、アニュアルレポートの冊子には、数字の表が入ることがありますが、Excelのファイルと突き合わせて校正できるので、便利です。直感的に操作できるので使い方に困ることはありません。比較したい文書を2つ入れるだけでCollate Pro の方で調整し、しっかり比較結果を出してくれます。部分的に校正できる「補助ツール」も活用することで、作業の小回りも利くようになりました。
校正でお客様にとっての付加価値を提供する
校正担当:
当社は、長年保険・金融商品に関する文書の校正に注力する中で、内容の確認や疑問点を整理してお客様に伝える「青字校正」を通して、お客様に付加価値をご提供することを代々強みとしてきました。Collate Pro の導入により、作業効率が向上し、時間的にも精神的にも余裕を持って校正に取り組めるようになり、より一層お客様のニーズに応じた校正を提供できるようになりました。
校正の精度の高さがサービスの信頼に繋がっている
山本:
新規のお客様の場合には、サンプルとして、既存の印刷物をお借りして校正を差し上げることがあります。その際には、校正の精度の高さをご評価いただいています。お客様の気づかないところまで気づくというところで信頼をいただけています。長年、お客様に寄り添った校正に取り組んできた積み重ねがそのような評判に繋がっていると考えています。
津乗:
Collate Proを使っているということで、校正のご依頼をいただくこともあり、信頼に繋がっていると感じます。
十分なトライアルで効果をしっかり実感。導入の安心感があった
山本:
どう業務フローに組み込むかを決めないと十分に活用できないのではないかという懸念がありましたが、事前のトライアルで現場で使用する機会をいただき、効果をしっかり実感した上で導入に踏み切ることができました。
確実な校正で、全部門がよりクリエイティブに、お客様にもう一歩伴走できる体制を目指す
山本:
編集やデザインのレイアウトだけでなく、企画や物を売るための戦略を一緒に考えてほしいなど、多様なお客様の要望に伴走できる体制を整えていきたいと考えています。そのために、重要な基盤である校正業務をソフトウェアに任せられることで、校正チームをはじめ、全部門がよりクリエイティブに、お客様にもう一歩踏み込んで仕事にチャレンジできるのではないかと考えています。
※記載の内容は2024年8月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。