日進機工株式会社様は、プラントメンテナンスの専門医「生産現場のドクター」として、50年以上事業を展開してきた老舗企業です。不測の事態でも業務を継続させるBCP対応(事業継続対策)と、現場社員の利便性を高めるため、2013年より社内システムのクラウド化を促進。クラウド・コンテンツ・マネジメント「Box」を、2017年1月には一部拠点、2018年6月には全国拠点に導入しました。
社内ITツール導入を推進してきたシステム顧問の高野氏と、運用を担当する総務部システム課 吉田氏に、Boxの導入背景や活用についてお話を伺いました。
現場で仕事をするのに、 社外から必要なデータにアクセスできなかった
弊社では、多くの社員がさまざまな現場に出向いて仕事をしています。例えば建設関係では、1〜2ヶ月もの間、現場に出続けることもあります。社外で活動するメンバーが多いにもかかわらず、以前はその環境が整っていませんでした。社外からはファイルサーバーにアクセスできず、会社に戻らないと仕事が進まない状況で、余計な手間がかかっていました。また遠方の現場とのコミュニケーションが取れないと、社員が現場で孤軍奮闘になってしまいがちです。そんな状況の改善と、BCP対応(事業継続対策)を進めたいという経営側の意向もあり、5年前から徐々にシステムのクラウド移行を進めてきました。すでに財務や給与関係はクラウド化しています。地方拠点のリースが切れるタイミングで、ストレージのクラウド化を本格的に検討しはじめました。
Box導入前は、拠点ごとにファイルサーバーを立てていました。以前本社のファイルサーバーを入れ替えた際に、新しいファイルサーバーへのデータ移行を経験したのですが、これが非常に手間のかかる作業で……。さらに、写真や動画のデータ、3DのCADデータが多く、そのとき増設した容量が、2年間であっという間に埋まりつつありました。
魅力は容量無制限。 サーバー管理の手間やリスクを回避する
今後も使用容量が増えるだろうと考えると、容量無制限で使えるBoxに惹かれました。加えてファイルサーバーには、メンテナンスの手間という、見えないコストを感じていました。専任者がほぼいない状態での故障やトラブル、特に地方拠点ではサーバー管理業務がブラックボックスになっており、会社としても好ましくない状態でした。Boxを含めて5〜6社を検討しましたが、他のストレージサービスには、サーバー管理業務や容量制限がありました。途中で別のサービスへ移行したり、使用容量を変更するのは手間なので、ざっくりと費用面を試算して、Boxを導入しようと決めました。
Box Driveで社内定着を加速
2017年1月には、先行して地方拠点7箇所のファイルサーバーをBoxに移行しました。容量無制限なので、移行のためにデータをわざわざ整理する、といった手間は省きました。それでもBoxには検索機能があるので、必要なフォルダは見つけられます。現在も特別なルールはつくらずに運用しています。
社内浸透に不安もありましたが、先行導入では、とにかくまず社員にBoxを使ってもらうことを重視しました。デスクトップ・アプリケーションの「Box Drive」を使えば、デスクトップからBoxフォルダにアクセスできます。Box Driveの使用を広めて、現在では多くの社員が日常業務にBoxを利用しています。
その後、Box利用を希望する本社メンバーも徐々に増え、2018年6月に本社もBoxに本格移行しました。Box管理画面では、アカウント単位での使用率や活用度合いをチェックできるので、日々データ容量が増えている様子を確認できます。またBoxのモバイルアプリによって、スマートフォンからの利用も増えています。
Boxの多機能に期待、社内レクチャーで業務改善を推進していく
近年は、大量の添付ファイルによるメールサーバーの圧迫にも悩まされてきました。これは「CC」をつけた社内メールのやりとりの多さが要因ですが、Boxの共有リンクを活用するだけでも改善できるはずです。徐々にBoxのコメント機能やドキュメント作成ツール「Box Notes」なども活用していきたいと思います。すでに各拠点のキーマンとなる事務担当者には、Boxのストレージ以外の機能を積極的に使ってもらっていて、今後は社内での使い方のレクチャーをしていく予定です。また、同タイミングで導入したグループウェアとの連携も検討しています。
「こう使いたい」現場の声に応える
デスクトップにあるデータをクラウドに上げて、メールやソフトウェアもID/パスワードでログインして使う……フルクラウドで場所や端末に依存しない、将来的にはそんな使い方になっていくと考えています。今後はシステムのクラウド化と並行してWi-Fi環境の整備を進め、ノートPCの割合を増やしていく予定です。 ITツール導入を進めていくと、現場から「こういう使い方がしたい」という声が上がってきます。むやみに使い方を制限するのではなく、現場の期待に応えるシステム環境を整えていきたいと考えています。
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