千葉県内で認可保育園「キートスチャイルドケア」を運営する、株式会社ハイフライヤーズ様。紙媒体を使うことが多い保育業界において、いちはやく保護者とのやりとりをIT化されました。すべての職員が社用iPhoneを、それに加えマネージャークラスはMacBookを利用しています。さらに、複数拠点にまたがる書類管理や情報共有のため、クラウド・コンテンツ・マネジメント「Box」を導入されました。Boxの導入背景や具体的な活用方法について、ICTツール活用を推進された石﨑氏と石垣氏にお話を伺いました。
働きやすい環境を整え「また明日も行きたい」保育園に
弊社はいま、千葉県内で認可保育園を10園運営しています。お預かりするお子様、保護者の方々はもちろん、働く職員にとっても、「また明日も行きたいな」と思える保育園でありたいと、職場環境や働きやすい制度の整備に力を入れています。認可保育園になってから5〜6年ということもあり、現場の平均年齢が20代前半と若い職員が多いのも特徴です。職員が保育士である前に、ひとりの社会人として保護者の方々と話ができるよう、3カ年計画で社員研修を組んでおり、プロ意識を持って働けるような環境づくりに力を入れています。ICTツールの導入もそういった取り組みのひとつです。
手書きであることより、ITツールでわかりやすく内容を伝えることが重要
保育は驚くほど紙が多い業界です。2年前に保護者との連絡をペーパーレスにした際は、現場の職員からの反発がありました。「手書きで温かみを伝えることが『保育士さん』であり、自分のやりがいにつながる」というのです。このときは長い時間をかけて職員たちと話し合いました。見た目や、自分がやったという満足感ではなく、内容を保護者の方にしっかりお伝えすることが大切だと。いまではあたり前のように、ITツールで文章や写真のやりとりをしています。保護者の方々からも「読みやすくなった」「管理がしやすくなった」とご好評いただいています。保護者の方々とのやりとりをペーパーレスにできたので、次は園内の紙書類をなくしていこうとBoxを導入しました。
園どうしの情報共有でナレッジが10倍に増加、職員が他の園から学べるようになった
園児の名前が書かれた書類を外に持ち出すことにはリスクがあります。これまでマネージャー職である園長以外は書類の持ち出しを禁止されており、書類を見るには園に出向くしかありませんでした。一方で、各園で立てている保育計画など、複数拠点で共有したいナレッジもあります。Boxにより、10園で共有されるナレッジは10倍に増え、若い職員たちは自分の所属している園だけではなく、他の園ではどんな取り組みをしているか、活動時の注意点は何かを学べるようになりました。セキュリティの観点でも書類を外に持ち出さなくてよくなったのは非常にありがたいです。
IT嫌いな職員も手間削減を実感、Box Noteを使いこなすように
職員の中には新しいITツールに苦手意識のある人も多かったのですが、「その書類はBoxに上げましょう」「こうやって共有したらどうですか」、会議後には「いま書類を共有したのでiPhoneで開いてみましょう」などアドバイスし、Boxに触れる機会を増やしました。その結果、印刷やメールなどの手間を減らせると実感してもらい、少しずつ職員たちにも浸透していきました。
システム導入を決めるときは、特にインターフェースにこだわって選んでいます。職員たちも最初の苦手意識こそありましたが、見やすく使いやすいので操作方法では特に苦労していないようです。
特にBox Noteを便利に使っています。週に1度、マネージャークラスが本社に集まってミーティングをするのですが、議題をBox Noteに事前に書き込み、内容を理解した上で会議に臨んでいます。議事録もリアルタイムに更新されるので、全員に伝わっているかを確認しながら会議を進めることができます。最後の5分間は全員で内容を振り返り、そのまま共有リンクで全職員に共有しています。
重複作業をカットでき、書類作成が効率的にできるように
Boxで書類の共有や管理体制を整えたことで、園ごとに行なっていた重複作業を省くことができました。弊社では、社内研修の位置付けで職員が複数拠点を行き来しており、園ごとのマニュアルやシフト表なども共有しています。書類はBox上で直接編集して更新できます。さらに共有することで、どこの園からでも常に最新版のものを確認でき、情報共有することで仕事が楽になるとあらためて実感しました。
また、本部の保育園を開設する業務では、30種類以上の申請書類を揃える必要があります。データ共有により、誰がどの書類をどこまで作成しているか進捗が可視化され、仕事を分担してプロジェクトを進めることができました。以前は、膨大な数のフォルダーでデスクトップ画面がいっぱいになっていたので……もうBoxがなかった状態には戻れません。
容量無制限のBoxで、紙書類の保管スペースを削減
書類の保管についても、我々はなるべく紙をなくそうと取り組んでいますが、業界全体をみると進んでいない部分もたくさんあります。他の保育園さんには心からBoxをおすすめしたいです。 以前は自治体による監査の度に、本部で保管している分厚い書類ファイルを園まで持ち運んでいました。紙書類をスキャンしてBoxに保管することで、現在ではMacBook 1台で済むようになりました。書類を持って行き忘れて再提出、なんてこともありません。保管期間が定められている書類も多く、各園で一定期間保管しなければいけない書類もあります。ただ保育では子ども一人あたりに必要な面積が定められているので、保管場所を広げるとその分、子どもたちを預かれなくなってしまいます。保管スペース削減のため、紙である必要がない書類はすべて容量無制限のBoxに保管しています。またクラウドなのでサーバー管理の手間が必要ない、これも我々にとってすごくありがたいポイントです。
Box導入の前後に何でも相談できた
弊社がMac中心ということで、Box社からTooさんをご紹介いただきました。私たちはITに関して専門的な知識はないので、Tooさんには、直接Boxと関係のないシステムや操作方法、専門的ではない質問にも丁寧にご回答いただきました。さらにBoxを活用していく、使いこなしていくというのが当面の目標なので、今後は導入後の電話サポートを活用させていただきたいと思います。
今後の展望
千葉市内で今後、30園くらいまで事業所を増やす予定です。Boxを導入していなかったら到底データや情報を共有できず、会社として成り立っていませんでした。保育園の数を増やすタイミングで導入できてよかったです。
まだ環境構築が完全ではないので、ここはどんどんやっていきたいです。いまはマネージャークラスがアカウントを持っており、現場の職員は共有リンクを通しての閲覧のみ。さらにセキュアな体制を整え、全職員がアカウントを持って仕事を始めるときにまずBoxを開く、ゆくゆくはそんな環境にしていきたいです。
※記載の内容は2019年6月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。