- 時間によって場所が変わる、卒業式のリアルタイム配信の品質を高めたかった
- 他社製品との比較はせずATEM一択、価格や使い勝手、品質などすべてに満足
- 機材納品のみならず配信全体のアドバイスもしてもらい、これまでになくクオリティが高い卒業式の配信ができた
- ATEMのようなツールを土壌に、生徒のリーダーシップや自主性などを高められる環境を整えたい
全寮制の国際高校である、ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン様。長野県の軽井沢に位置する自然に囲まれたキャンパスで、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちに、自ら成長し続け、新たなフロンティアに挑み、共に時代を創っていくチェンジメーカーを育むプログラムを提供しています。今回は海外在住の保護者様に向けて卒業式をオンライン配信するために、配信映像スイッチャーのATEMシリーズ(Blackmagic Design)などを導入されました。導入の背景や効果を、配信を担当されたDean Kirkness様、Rie Koido様、Olivia Boissel様、Aya Masumoto様に伺いました。
リアルタイム配信の品質向上が必須だった
Kirkness様(以下、敬称略):
本校は世界80カ国から約200人の生徒が在籍しています。MEXT一条校の学習過程に加え、基礎をしっかりと学ぶ独自のリーダーシッププログラムと、国際バカロレア資格プログラムがカリキュラムの中心です。
Koido様(以下、敬称略):
本校の70%以上の保護者様は海外在住のため、これまでも卒業式の配信はおこなっていました。しかしコロナウイルスの影響で、オンラインコンテンツが世の中に溢れるようになり、ハイクオリティの映像を当たり前に求められる時代になりました。そのため、本校も品質向上に注力しなければいけないと考えていました。
本校の卒業式のスタイルとして、講堂で卒業証書授与などをおこない、その後屋外に移動して生徒が被っている帽子を投げるキャップトスをおこないます。式の進行に合わせて場所が変わるため、リアルタイムで配信するには中継できるカメラワークや、映像の切り替えが必要です。そんな折に元々お付き合いがあったTooさんに、以前から興味を持っていたスイッチャーのATEMについて相談しました。
ATEMの価格や使い勝手、品質などすべてに満足
Kirkness:
去年までは他社製品のソフトウェアを使って、専門の知識があるスタッフが配信していました。私たちも使い方を覚えようとしていたものの、操作が難しくとても苦労していました。一方ATEMは使い方もシンプルで安価な上、製品のラインナップが非常に多く、最適なモデルを柔軟に検討できました。ユーザーも多いため、ネット上に使い方の解説動画も豊富に載っていました。アクセシビリティ、価格、製品ラインナップ、言語対応など、ATEMはすべてが満足いくものでした。
Koido:
視覚的に操作がしやすく機材としてもメジャーなため、他社製品との比較はせずATEM一択でした。機材を触るのはスタッフがメインですが、生徒が配信の手伝いをするテッククルーというグループがあります。生徒にも機材を体験してもらうために、卒業式で使うATEM Mini Extreme ISOの他に、さらに価格が低く簡単に操作できるATEM Miniも導入しました。
短期間の準備で卒業式の様子をスムーズに中継
Koido:
卒業式が予定より1週間前倒しになり大慌てで準備を進めましたが、Tooさんには本番前日に本校まで足を運んでもらい、そこですべてレクチャーしていただきました。卒業式の象徴的なシーンであるキャップトスの際には、ワイヤレス映像伝送システムのHollylandをカメラに取り付けて、映像を中継しました。講堂から屋外への移動もスムーズに配信できたため、臨場感も伝えられたと思います。当日の技術的なオペレーションは、本校のスタッフ4人とテッククルーの生徒たちで十分に対応できました。
Tooさんには機材の操作方法だけでなく、途切れず中継するためのレシーバーの位置や、視聴者が快適に音声を聞き取れるミキサーのレベルなど、私たちだけでは行き届かないところまで丁寧に教えていただいたおかげで、当日はこれまでにないクオリティの高い配信ができたと思います。また、本校で元々所有している機材を活かした上で、新たな機材を提案してもらった点も助かりました。
Kirkness:
式中に大きなトラブルは特に起きませんでした。視聴していた皆さんには、配信方法に気が逸れることなく、式に集中して生徒をお祝いできたのではないかと思います。短い準備期間で卒業式の配信を成功できたのは、ATEMが私たちのニーズにいかに沿っていたかを物語っていると思います。また、Tooさんによるサポートも、言葉では言い表せられないほどありがたいものでした。
リーダーシップを育むためのプログラムにATEMを活用したい
Koido:
卒業式以外にも、学校紹介やプロジェクト活動など、生徒主体の配信イベントもあります。今まではビデオ会議システムを使っていましたが、ATEMやミキサーを使ってクオリティ向上にも注力したいと考えています。また、本校にはシアターという特徴的なプログラムがあります。コロナ禍でも配信であれば外部の方に見てもらえますので、カメラを複数台置いて、テッククルーの生徒がATEMで画面を切り替えるなど、生徒主体で配信できるようなプログラムにも取り組みたいです。
Boissel:
私たちは毎年新しい視点を持った生徒たちとリーダーシップを育んでいきます。ISAKにおけるリーダーシップの特徴は、コーチングし合うことだと思います。ATEMのような製品を扱うためにも、お互いに助け合い、協力し合い、質問できる土壌を大切にしていきたいです。
Masumoto:
本校では生徒がテクノロジーに触れ、学習する機会がとても多いですが、新たなチャレンジはもちろん、基本的なマナーやルールもしっかり押さえるべきだと思います。生徒が主体となって取り組むことも大切にしながら、大人がしっかりと生徒をガイドできる環境を整えていきたいです。
Kirkness:
生徒からライブイベントの依頼はたくさん来ますし、よりよい体験のために、教室でATEMを使いたいと考えるスタッフもいると思います。しかし、時差など、視聴者を取り巻く環境への配慮や、同時配信でのアクシデントに対する配信側の知識も同時に高めていく必要があります。本校のカルチャーでありユニークな点は、生徒たちに自主性や向上心を育む機会を最大限与えている点です。そして、その自由に伴う責任感も同時に身につけてもらいます。ATEMのようなツールは体験がすべてですから、プロジェクトなどのアイデアを自発的に考えてもらうなど、自分の興味があることを追求できる環境を整えていきたいです。
TEL:0267-46-8623 ウェブサイト
※記載の内容は2022年9月現在のものです。内容は予告無く変更になる場合がございます。