今やテレワークに必須のビデオ会議(Webミーティング)ですが、中でもテレワークで一躍脚光を浴びることになったビデオ会議サービスが「Zoom」です。ワールドワイドでの利用者数は2019年12月1日時点では1,000万人でしたが、2020年4月には3億人に達したということです。

緊急事態宣言の解除以降、テレワークをされていた方々の出社の割合が増えている傾向にあるように感じていますが、それに付随して新たな問題も出てきているようです。この記事ではそういった状況の中、Zoomをより快適に利用する方法をご紹介します。

ビデオ会議参加者が1箇所に集まると生じるハウリング問題

出社率は増加傾向にあるものの、以前のように「仕事は会社に出社してやるもの」という意識は薄まっています。同じ企業でも出社している人・テレワークの人と、ハイブリッドな状態になっています。全員が同じ場に集まるということが、当たり前ではなくなっているので、社内や自宅等それぞれの状況によって参加する場所が異なるビデオ会議が増えてきています。そうすると、新たな問題が生じます。
その問題の1つがハウリングです。社内の1箇所に集まり同じビデオ会議に参加した際、ハウリングを経験された方も多いのではないでしょうか?ハウリングとは、英語の遠吠えを意味する音の現象で、主にスピーカーとマイクの位置が近すぎる場合に発生します。マイクから入力された音がスピーカーから発せられた際、その音が再びマイクに入力されることで発生します。同じ音がループしてしまうことが原因です。このようにビデオ会議では、自分のスピーカーの音を近くの人のマイクが拾わないように注意する必要があります。

皆さんは、どのように対策されていますでしょうか? 社内から参加する人たちは、1台の端末だけでビデオ会議に参加し、モニターは大きな画面で共有するという対策をされているケースを見ることがあります。しかし、画面は見やすくなりますが、逆にカメラのある端末は人が離れてしまうので、それぞれの顔の確認ができなくなるという問題が生じます。

ハウリング対策法

ハウリングの対策法を、Zoomを中心にいくつかご紹介します。

1.端末のオーディオを利用しない



Zoomでは、ビデオ会議画面左下のマイクアイコンの隣にあるボタンから「コンピューターオーディオから退出」を選択することで、各自の端末のオーディオを使わずにビデオ会議に参加することができます。
画面は自分の端末で確認できますが、スピーカー・マイクについては、他の人の端末を利用することになります。そのため、マイクの付いている端末から離れている人の声が、小さくなってしまうことがあります。

2. Zoom Roomsを利用する



Zoom Roomsは、Zoomのオプション機能で会議室に設置する従来のテレビ会議に近いシステムです。会議室に集まって一つの専用端末から会議に参加します。ビデオ会議に適した画角の広いカメラや聞きやすいスピーカー、感度の良いマイクが常設されているのが一般的です。そのため、参加者の顔の確認もしやすく、声が小さくなるということもありません。
Zoom Roomsが常設されている会議室の空き状況にミーティングスケジュールを合わせなければならないという点は、通常のZoomミーティングに慣れていると少し面倒に感じるかもしれません。

3. Meeting OWL を利用する



Meeting OWLとは、360°カメラ・マイク・スピーカーが一体になった会議室用カメラです。マイク・スピーカーが一体型なので、これ1つでハウリング対策になります。また、カメラ機能の大きな特長の1つが360°対応という点です。通常は室内全体を表示し、発言があるとAIを利用してその人に自動でズームするという機能も搭載されています。
自身の端末(PC)にUSBで接続すると、外部カメラとして認識されます。手軽に接続できるので、Zoomに限らず各種ビデオ会議サービスで利用可能です。マイクもスピーカーも360°に対応しており、合計8個のマイクを搭載、半径5.5mまで認識できます。
つまり、1箇所に複数人集まる際は、1台の端末にMeeting OWLを接続するだけで、参加者の顔を見ながらハウリングを気にせずに快適にビデオ会議ができるということです。
Meeting OWLは小さく持ち運び可能なので、場所を選ばずに利用できます。ただし、360°カメラなので、余計なものの映り込みには注意が必要です。

新型コロナウィルスの感染拡大は、誰も想像もしなかったような環境へ変化させました。ここ数年VUCA(将来の予測が困難な状況)という言葉がキーワードになっていますが、2020年は変化の速度が劇的に上がっており、誰も正解がわからない状態です。 この特殊な状況下、コミュニケーションを円滑にとることは非常に重要です。自社に適したやり方・運用でビデオ会議の不快なハウリングをなくすことに取り組んでみてはいかがでしょうか?


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