「膝を突き合わせる」という言葉に象徴されるように日本では対面の会議が重要視されてきました。そのため、欧米企業に比べて映像会議システムの導入には消極的だった一面があります。しかしブロードバンド環境やインターネットを活用したWeb会議システムの充実、業務効率化の必要性の高まりなどから、近年Web会議が注目を集めています。Web会議の概要やメリットを踏まえ、おすすめのWeb会議サービスをご紹介します。

Web会議の概要やテレビ会議との違い

Web会議の概要やテレビ会議との違いについてご紹介します。

Web会議とは

Web会議とは、PCやタブレット端末、スマートフォンなどを用いて、メンバー同士が離れていても会議を行うことのできるシステムのことを指します。時間や場所の制約をあまり受けずに会議を行えることや「働き方改革」推進に活用できることなどから、近年人気が高まっています。

Web会議とテレビ会議の違いとは

Web会議とよく混同されるのがテレビ会議ですが、以下のような違いがあります。違いを把握し、ニーズに合わせて使い分けることで、会議の質を向上させることができます。

デバイス

テレビ会議は専用のテレビ会議端末が必要ですが、Web会議はインターネットにアクセスできればさまざまなデバイスで利用できます(厳密には、ツールによって対応デバイスやOSがあります)。

音声・画像品質

一般的にテレビ会議のほうが音質や画質が高く安定しているため、大人数の会議などに適しています。Web会議の場合、インターネット環境や使用する機器(パソコンやタブレットなど)の性能に左右されます。

データ共有

テレビ会議はPCとの連携によりデータ表示のみ可能です。Web会議は、データの表示、書き込み、遠隔操作、データ送信などが可能です。

Web会議の利用シーン

時間と場所を選ばずに利用できるWeb会議は、以下のような場面で有効活用できます。

テレワーカーとの会議・打ち合わせ

「働き方改革」の推進により、在宅ワークやモバイルワーク、サテライトワークなどの活用が進んでいます。 Web会議を活用することで、これらのテレワーカーたちが会議室まで出社しなくても会議や打ち合わせを行うことができます。

海外拠点との会議

海外出張をしなくても、海外拠点との会議を気軽に行うことができます。Web会議はインターネット回線を使用するため、通信費の面でも費用対効果に優れています。

工事や作業の進捗管理・情報共有

工事や作業に関して、Web会議を使用して現場と管理部門で映像を共有し、進捗管理や細かな指示を行えば、作業品質の向上、認識の食い違い防止に役立ちます。

Web会議のメリット・デメリット

Web会議にはさまざまなメリットやデメリットがあります。

Web会議のメリット

Web会議の主なメリットとしては以下の点が挙げられます。

初期費用が安い

Web会議を行う際には、専用の端末やインフラ設備の設置は必要ありません。インターネット環境が整っていれば、各種デバイスを使って、低価格で利用を開始することができます。

拡張性が高い

会議のメンバーは、ライセンスを追加するだけで増やせます。メンバーや拠点の増減にも柔軟に対応可能です。

データが共有しやすい

画面共有やホワイトボード機能、データの送受信、遠隔操作などの機能により、データ共有が容易に行えます。ホワイトボード機能とは、テキストを入力したり、手書きのメモや図を描いたりすることのできる機能です。

多様な働き方を実現できる

時間と場所を選ばないWeb会議の導入により、メンバー全員が会議室にそろわなくても臨場感のある会議が行えます。

他のクラウド製品との連携・親和性が高い

Web会議ツールは、Office 365やストレージサービスのBox、Dropboxなどのクラウド型ツールとの連携が容易な点も魅力のひとつです。データを検索して資料を追加したり、会議日程をクラウド上のカレンダーと連携させたり、会議開催の案内をチャットで一斉送信したりするといった活用方法があります。

Web会議のデメリット

Web会議のデメリットは、主に下記の3点があります。

インターネット環境や使用するソフトによっては通信が不安定になることがある

インターネットを活用したツールのため、回線の状況に影響を受けます。導入前にデモなどを活用して通信状況をチェックしてから利用するといいでしょう。

同時に多人数で利用するには、難しいことがある

カメラやマイクの接続数に限界があるため、同時に多人数が参加する会議にはあまり適していません。メンバーを絞り込んでWeb会議を行うか、テレビ会議やオフラインの会議を行うなどの対応が適しています。とはいえ、最近は100人規模でも簡単に接続できるWeb会議システムもあるため、用途や可能接続人数によってサービスを比較検討するのがいいでしょう。

接続に手間がかかることがある

使用するソフトによっては、ログインまでの工程が多いことがあります。特に外部のユーザーを招待する際などには会議開始にいたるまでの手間が敬遠されがちです。1クリックで簡単にログインできるものもあるので、ツール選定の際にチェックするようにしましょう。

Web会議のおすすめサービス4選

さまざまなビジネスシーンで活用されている利便性の高いWeb会議ツールとその特徴を紹介します。

Zoom

Zoomは設定が簡単で、あらゆるデバイスで利用可能なWeb会議ツールです。ホスト側が登録すれば、参加メンバーは登録をしなくても、アプリをダウンロードして専用URLにアクセスするだけで会議に参加できます。圧縮率が高く、高品質で安定した映像を共有できます。また、画面共有、ホワイトボード機能、録音機能などが搭載されています。録画機能がついているので、セミナーなどを後から見直す際にも有効活用できます。無料版があるので、画質や音質、操作性などを無料版で試してみとよいでしょう。

Zoomについて詳しく

Skype

個人向けの無料インターネット電話サービスとして有名なSkypeにも、Web会議機能が搭載されています。最大25名のグループ通話が可能で、PCからのアクセスの場合には、画面共有も行えます。利用するには、メンバー全員が個人アカウントを取得して、グループ間通話に招待するという形をとります。

Vidyo

VidyoはアメリカのVidyo社が提供する次世代型クラウドビデオコミュニケーションシステムです。4Kの高画質と、ネットワークや端末の性能に合わせて途切れにくい安定性の高い通信が可能で、カスタマイズのしやすさなどが大きな特徴です。国内にも販売パートナーがいるので、日本語でのサポートが受けられます。

WebEX

アメリカのシスコ社が提供するWebEXは、世界トップシェアのビデオ会議システムです。高品質な映像を多彩なシーンで活用できることが強みとなっており、Webセミナーやオンライントレーニング、リモートサポートなどにも活用されています。多言語対応しており、海外拠点との会議の際にも利用しやすいサービスです。アプリケーションの共有や画面共有、録画機能などに対応しています。

Web会議システムでコスト削減と業務効率化を!

大掛かりな設備投資をしなくても利用できるWeb会議システムは、コストや手間をかけずに導入可能なサービスです。ビデオ会議とは導入目的が大きく異なり、現場担当者レベルで資料共有やPC画面共有をしたり、多様な働き方を推進したりするために大いに役立てることができます。自社のニーズに合ったWeb会議を導入し、業務効率化を実現しましょう。


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