ビジネスでは情報共有が重要であるとよくいわれます。しかし、情報共有といっても漠然としていて、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、情報共有の意味するところから、情報共有のメリットや情報共有不足によるリスクなどを解説します。
情報共有の定義とメリットを押さえておこう
ビジネスにおける情報共有の重要性について、なんとなくは理解していても、そのメリットを詳細に把握している人は少ないかもしれません。まずは、情報共有の意味やメリットを理解しましょう。
そもそも情報共有とは
「情報共有」という言葉は広く知られていますが、その目的を理解していなければ情報共有をスムーズに行うことはできません。ビジネスにおける情報共有とは、ITトレンド によると以下のように説明されています。
- 情報共有
- 個々の社員のもつ情報を蓄積、共有、活用すること
情報共有するメリット
業務効率の向上
情報共有の具体的なメリットとして、まずは業務効率の向上が挙げられます。 担当者への通達もれにより取引先とのスケジュール調整が円滑に進まない、現場に必要事項が正確に伝わっていなかったがゆえに納期に遅れが出てしまったなど、ビジネスにおいて情報共有不足によるトラブルは多いものです。 情報共有が円滑であれば、この種の業務停滞・遅延はぐんと減り、業務効率が向上します。 新しい機器を導入したものの、詳しい操作方法は一部の社員しか知らないといったケースもよくあります。情報共有を進めると、一部の社員が時間と手間をかけて一人ひとりに教えることなく、社員全員が操作方法を習得することが可能です。
迅速な意思決定が可能
情報共有は、迅速な意思決定にも役に立ちます。 ビジネスではタイミングやスピード感が極めて重要です。さまざまなモノ・コトが絶えず変化し続けている現代社会では、スピード感の欠如は大きなハンディキャップとなります。取引契約に関しても、システムの導入などに関しても、意思決定の判断材料となる情報をスムーズに共有できれば、決断までの時間を短縮でき、他社に先んじることが可能です。
トラブルに迅速に対応できる
トラブルに迅速に対応できるメリットもあります。 ビジネスにおけるトラブルは初動が重要です。普段から情報共有がしっかりしていれば、「誰がどの業務に携わっているのか、進捗状況はどうか」といった現状を管理者が常に正確に把握しておくことができます。トラブル発生時に素早く状況を把握し、対応にあたることができるため、被害を最小限に抑えることが可能です。
新たな発想が生まれやすい
新たな発想が生まれやすい点も情報共有のメリットに数えられるでしょう。 人にはそれぞれ思考の傾向というものがあり、「三人寄れば文殊の知恵」と古くからいわれているように、情報を社員間で交換・共有することで、発想の固着から抜け出すことができます。 お互いの刺激にもなり、個人では思いつかなかったアイデアが生まれたり 意外な盲点に気づいたりすることもあるでしょう。
情報の取捨選択が可能
必要な情報を取捨選択できるメリットもあります。 今や情報過多といわれる時代です。当然、有益な情報もあれば無益な情報もあります。企業が成長するためには、膨大な情報のなかから、組織にとって本当に重要な情報だけを抜き出していくことも重要です。情報共有が進むと、情報の信ぴょう性などを見定めることも可能になるでしょう。
コミュニケーションが活性化する
情報共有は、コミュニケーションの活性化にもつながります。 日常的に情報共有していれば、コミュニケーションが深まり、団結力も向上します。知識やノウハウ、業務の進捗状況や成果などを共有し合うことで議論が深まったり、仕事の課題点・改善点が浮かび上がったりし、業務効率化につながるでしょう。
情報が可視化する
情報共有することは、情報の可視化にもつながります。 例えば、多くの企業で新人指導をしてきたベテランであり、素晴らしい研修ノウハウを持っているマネージャーが、今年度限りでの転職が決まっており、次年度以降に入社した社員は指導を受けられないという状況を考えてみましょう。 そのマネージャーの持つ情報が可視化されていれば、ノウハウを引き継ぐことも可能になります。次年度以降の新入社員も、相応の教育を受けられるでしょう。 情報の可視化は、人材流出に伴う損失を最小限に抑えることも可能にするのです。
情報共有がうまくいかないとどうなる?情報共有不足が招くリスク
企業にとって円滑な情報共有は欠かせないものですが、情報共有がうまくいかないとどうなるのでしょうか。情報共有不足が引き起こすリスクについて、見ていきましょう。
リスク1:業務に支障が出る
情報共有手段がしっかりしていないと伝達ミスが増えます。 伝達ミスが発生すると、仕事のやり直しやスケジュールの再調整をしなければなりません。伝達ミスが頻発すると業務が滞りがちになり、生産性が大きく落ちることになるでしょう。 また、違う部署で同じような企画が走ってしまう場合もあります。複数の部署で同じことをやってしまうという無駄が発生します。
リスク2:チームワークが低下する
社内での情報共有ができていないと、必然的に情報を持っている社員と持っていない社員が現れてしまいます。業務が円滑に進まなくなるだけではなく、意図せずして「仲間外れ」になる社員が生まれることもあり、チームワークもチーム全体の士気も下がり、生産性も下がってしまいます。
リスク3:情報伝達のタイムラグが発生する
情報共有が滞ると、情報が伝わるまでに時間がかかります。種々の情報が最終的な判断を下すトップに伝わるまでの間にタイムラグが発生すれば、大きなビジネスチャンスを逃すことにもなりかねません。 画期的な企画や商品を立案しても、許可を出す立場の者に伝わるまでに時間がかかれば、実行、販売の時期が遅れ、他社に先を越されてしまう可能性もあるのです。
リスク4:問題への対処が遅れる
問題が発生したとき、情報共有が機能していないと対応が遅れることがあります。 情報共有がスムーズではないと、トラブル発生が明確に認識されるまでに時間がかかり、必然的に対応も後手に回ることになります。
今後は情報共有がより一層重要に!その理由とは
このように、ビジネス活動には情報共有が欠かせませんが、今後、その重要性はますます高まっていくことが予想されます。
ビジネスにスピード感が要求されるようになる
ITが浸透し、あらゆることが目まぐるしく変化する現代では、ビジネスにもフットワークの軽さ、スピード感が求められます。そのような状況下で企業が生存し続けるためには、市場の変化や潜在的ニーズをいち早くとらえ、競合他社の一歩先をいくことが重要です。 市場変化に対応し、潜在的ニーズを先んじて掴み、競合他社に勝つためには、スピーディな意思決定(即断即決、速断速決)が必要です。円滑な情報やデータの共有が今以上に求められるでしょう。
価値観が多様化している
現在は人の価値観も多様化(ダイバーシティ)しています。 企業が生き残るためには、価値観の多様化に対応することも求められます。そのためには、多くの人の意見・アイデアを取り入れたいところであり、情報共有の役割はより大きくなるでしょう。
課題に合わせた情報管理方法で業務効率化を実現
情報管理ツールにはメールや電話、FAX、社内掲示板、クラウドシステムなどいろいろありますが、状況によって最適なツールは異なります。まずは社内で情報共有がスムーズにいかない理由や現状を把握し、それに適した情報管理手段をとることが大切です。
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