ビジネスシーンにおいて業務効率化を図るためには、いかに情報共有するかが重要です。今回は情報共有をすることによるメリットや役に立つツールなどをご紹介します。失敗事例も紹介しますので、導入時に注意すべきポイントを学び、不要なトラブルを発生させないようにしましょう。
情報共有のメリット
ビジネスシーンにおいて、適切に情報共有をすることでさまざまなメリットを享受できます。ここでは主なメリットを3つご紹介します。
「見える化」による業務効率改善
「見える化」とは社員一人ひとりのスケジュールや作業項目、進捗状況や現在何をやっているのかなどを可視化することです。マネージャーなどの管理者が作業の全体を把握しやすくなり、問題点などの発見にも役立ちます。 例えば、AさんがBさんに業務を依頼する場合、ITを活用した情報共有を行い業務の「見える化」をしていれば、Bさんは現在どんな作業をしているのか?外出している場合はどこにいるのか?すぐに対応できそうか?ということをパソコンやスマートフォンですぐに確認できます。確認のための業務中断が減少すると、業務効率は格段に向上します。情報共有によって業務の状況を視覚的に把握でき、組織内の資料や情報などを有効活用できるようになるのです。
メンバー間の信頼関係の向上
情報共有をすることでメンバー間の信頼関係も向上します。共同で業務を行う場合に、一部の人にしか重要な事項が知らされていなければ、トラブルが発生する可能性も考えられます。
情報共有をすることで、このような事態を無くすことが可能です。「報連相(ほうれんそう)」を自然に行える環境にもなるので、コミュニケーションが活性化し、メンバー間の信頼関係の向上にもつながるでしょう。
自主性を持つ人材の増加
例えば、これまで先輩が行なっていた業務を後輩に引き継ぐ場合。先輩のノウハウはITツールによって、スムーズに後輩に共有されます。共有の手段がITツールなので、後輩は先輩のスケジュールや忙しさに気を使うことなく、疑問に思ったことや改善の提案を気軽に共有できます。先輩はその情報に対して的確なアドバイスや改善策の検討を行えます。そういった情報共有をスムーズに行える環境は、自主性を持つ人材の育成にも貢献します。さらに後輩のみならず、先輩をはじめとする周囲の人間にも好影響を与え、チームとしての成長が実現できます。
情報共有の失敗例
情報共有をすれば必ず成功するわけではありません。下記の3つの失敗例を参考に、スムーズな情報共有を進めていきましょう。
ツールの操作が覚えられない
ある企業では、業務効率化を目指すために情報共有ツールを導入しました。使用にあたっては自身でパソコンにツールをインストール、マニュアルを読んでツールを習得させるようにしました。しかし、何人かの社員は操作を覚えられず、逆に業務効率が悪くなってしまいました。 ツールの選択は操作が簡単なものを選ぶこともポイントの一つです。ツールを活用するためには最低限いくつかの操作方法を覚えなければいけません。パソコン操作に慣れていない場合、習得に時間がかかる可能性も考えられます。このケースでは社員一人ひとりに任せるのではなく、会社側が操作方法や活用方法などを教える人材を用意し、講習会などを設けることで失敗を避けることができたと思われます。
明確なルールを定めていない
情報共有をするためにツールを導入して操作方法も覚えさせたある会社では、社員に対して「情報共有を積極的に行っていこう」と指示を出しました。しかし、情報の種類や保存場所がバラバラで、必要な情報を見つけ出すために余計に時間がかかるという事態に陥ってしまいました。
この場合は、運用前に明確なルールを決めるべきでした。「どのような情報を共有するのか」「どこに情報を保存しておくのか」の2点は必要です。業種や職種、目的など企業ごとに共有すべき情報は違いますので、業務効率を上げるための情報の種類をあらかじめ選定するようにしましょう。
また、保存場所も重要です。可能な限りシンプルな場所に置くことを推奨します。階層が深すぎたり、フォルダー名が内容と一致していないと混乱のもとになります。情報共有をスタートする前に、保存場所やフォルダー名の明確なルールを設定するようにしましょう。
優秀な人材がノウハウ共有を嫌う
ノウハウを共有することは、業績や生産性をアップさせることにつながります。社員ごとにノウハウが蓄積されており、そのなかには大幅な売り上げアップもしくは業務効率を上げるものも存在します。優秀な人材が自身のノウハウを同僚に教えたくないと思ってしまう場合もあるでしょう。他の社員にノウハウを教えてしまえば、自身の優位性がなくなり、正当に評価してもらえないことを危惧してしまうからです。
この問題を解決するには、ノウハウを提供してチームや組織の業績が上がった場合などに、その人の人事評価を上げるといったことをするとよいでしょう。優秀な人材は、他者にも好影響を与えられるものです。ノウハウを共有することで人事評価が上がる仕組みを作れば、積極的な情報共有を促すことができるでしょう。
情報共有に役立つ3つのツール
情報共有をするうえで役に立つツールを3つご紹介します。いずれもシンプルでありながら使いやすく、多くの企業で取り入れられています。
Box
Boxはクラウド型の情報共有ツールです。特長は「無制限の容量」「安全なファイル共有」「高いセキュリティ」「マルチデバイス(PC、タブレット、スマホなど)に対応」などが挙げられます。EメールやFTPで情報共有していると、煩雑になりやすく管理が難しくなりがちです。Boxはクラウド上にファイルを簡単に保存することで、社内や外部協力者などとも手軽に情報共有やコラボレーションが可能です。いつ、誰が、どのファイルに、どういった操作を加えたかなどのログを残すことができ、セキュアな運用にも役立ちます。
Dropbox
5億人以上が利用している情報共有ツールがDropboxです。法人向けプランのファイル容量は、Standardで3TB、AdvancedやEnterpriseでは必要に応じたファイル容量の設定が可能です。マルチデバイスでのアクセス、暗号化や2段階認証によるセキュリティ、Office365との連携など多機能で使いやすいのが特長です。グループごとのフォルダー管理もできるので、チーム、部署、プロジェクトでの活用にも適しています。
Teachme Biz
誰でも簡単にマニュアルが作成でき、ノウハウを共有できるのがTeachme Bizです。すかいらーくグループやJALなどの大手企業も採用しています。Teachme Bizは、4ステップで簡単にマニュアルが作成できる操作性や、マルチデバイス対応、作成したマニュアルを確実に伝える・実行するための機能、どのマニュアルがどれだけ活用されているかをグラフで確認できる分析機能などの特長があります。コミュニケーションロスを減らすことで、生産性を向上させることができるツールといえるでしょう。
情報共有を上手に行うためにはツール使用がおすすめ!
情報共有は企業の生産性や効率をアップさせるなどさまざまなメリットがあります。業務改善だけでなく、社内コミュニケーションの活性化やノウハウ共有による優秀な人材の育成などにも寄与します。自社に合ったツールを選び、情報共有を加速することが企業業績向上にもつながるでしょう。今回紹介した情報共有ツールで気になるものがあれば、一度チェックしてみるといいでしょう。