デザイン制作をしている企業、デザイン制作を依頼している企業共に苦労されている業務に「校正」がありますが、テレワークが進む中、新たな課題もでてきました。
そこでテレワークの浸透に伴い、導入が進んでいるクラウドストレージのオンライン校正に活用できる機能をご紹介します。
また、これまで人の目を介しておこなわれてきた校正業務を、デジタル化でさらに効率化できるツールもご紹介します。
デザイン制作の校正フローは、デザインソフトのデータをPDFに書き出してクライアントに送信し、クライアントがプリントした紙に赤入れ後、それをスキャンしPDFにして制作会社に戻す、といったことが一般的です。 また、電話やメールでこれとは別に修正依頼が入ることもよくあります。このやり取りを何往復かして校了する、といった流れを面倒に思っている方も多いのではないでしょうか。 実際にこのやり方だと、似たようなファイル名のデータがPC上にいくつもできてしまうことで発生するファイルの取り間違いや、電話やメールでの修正依頼などの履歴の確認などに時間が取られてしまいます。
さらに、コロナ禍の影響でテレワークが進み新しい課題もでてきています。PDFで送られてきたA3データを出力できるプリンターやスキャナーが自宅にないなど、これまでと全く同じやり方では行き詰まってしまう点が出てくることから、オンラインでもおこなえる校正方法に注目が集まってきています。
オンライン校正に利用できるクラウドツール
今回はテレワーク導入を期に導入がすすむクラウドストレージの「Box」や「Dropbox」、さらにプロジェクト管理ツール「Wrike」の機能を使ったオンライン校正の方法を中心にご紹介します。どれもプレビュー画面で、修正指示をしたいポイントを指定して簡単にコメントを入れられる点が、大きな特長です。
Box
企業での利用に求められる管理機能が充実しているクラウドストレージサービスで、全世界で97,000社以上が導入しており、導入社数が右肩上がりで増え続けているサービスです。
BoxではIllustratorやPhotoshopといったデザイン制作アプリケーションで作成されたデータも、Webブラウザー上でプレビューできます。
下の画面は、Adobe IllustratorをBoxでプレビューしたものです。
黄枠で囲まれている部分に対応したコメントが右側に表示されています。例では「リラックス」と「考え中」の表情が同じになっているので、修正を依頼しています。
メンション機能で、特定の人に通知を送れます。
Dropbox
ユーザー目線で便利な機能を続々と追加しているDropboxはいわずと知れた有名なクラウドストレージサービスです。全世界での利用者数は6億人を超え、ビジネス利用(Business版)での導入も多く、50万以上のチームで契約されています。
Dropboxも、IllustratorやPhotoshopといったアプリケーションで作成されたデータを、ブラウザ上でプレビューし、場所を指定してコメントを入れられます。
コメントは上記のBoxと同様の機能があります。
また、Dropboxでは動画に修正指示を入れられます。
動画の修正指示となると、「○分○○秒くらいの部分」といった感じで表現が曖昧になりがちです。
下の画面は実際に動画をDropbox内でプレビューしている画面です。下にタイムラインのバーがあります。右側にはコメントが入っています。タイムラインのバーに印(赤丸で囲った部分)がつき、どの時間に修正指示が入っているかが一目でわかります。具体的な修正指示が入っている箇所にはマークがつきます。「○分○○秒くらいの部分」という曖昧な表現ではなく、的確に指示できます。
Wrike
タスクやプロジェクトの進行状況を可視化することができ、世界中で2万社以上に利用されているプロジェクト管理ツールのWrikeも、オプションのWrike Proofを利用することで、オンライン校正に利用できます。
Wrikeの校正機能の特長は、Adobe Creative Cloudの拡張機能を利用することで、Illustratorなどのアプリケーション上で、修正指示のコメントを確認できることです。また、Webデザインの校正にも便利に使えます。Webサイトライブビュー機能でHTML表示し、校正やコメント入れができます。Dropbox同様、動画にも対応しています。
校正の課題にスピーディーに対応するには?
緊急事態宣言解除後、出社されている方も増えていますが、コロナ禍でなかば強制的にテレワークを体験し、そのメリットを感じた方も多いのではないでしょうか。
新型コロナウイルス対策の長期化やニューノーマルといわれる今後の新しい働き方に対応するためにも、ペーパーレス・クラウド化という流れは避けては通れません。
働き方を含め、多くの物事が過渡期にある今は、時間をかけて要件を固めるのではなく、まずはアジャイル型※で試しながら自社のやり方や運用を変更していくという柔軟な体制が必要です。
この記事で紹介したのは校正に特化したサービスではなく、テレワークに便利に使えるクラウドストレージやプロジェクト管理ツールにオンライン校正の機能がついているものです。まずはこういったサービスからはじめて、自社の業務での過不足をご確認いただくというやり方もあります。
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