VTuber事務所といえば、どこを思い浮かべますか?
2021年にVTuberチャンネル登録者数1位を達成した「がうる・ぐら」の所属する「ホロライブ」 。もしくは、男性VTuberで初めてチャンネル登録者数100万人を突破した「葛葉」の所属する「にじさんじ」でしょうか。今(2022年2月)VTuberファンに好きなVTuber事務所を尋ねると、「にじさんじ」もしくは「ホロライブ」という回答が多いでしょう。
しかし、VTuberの人気が拡大した2017年〜2018年では回答が大きく違い、2017年〜2018年はVTuber事務所ではなくVTuber単独で人気を拡大していました。この記事では、当時VTuberといえば、「あの5人」だと言われていた「VTuber四天王」について解説します。
VTuber四天王とは
VTuber四天王は、「キズナアイ」「輝夜月(かぐやるな)」「ミライアカリ」「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん(のじゃおじ)」「電脳少女シロ」の5人を指します。VTuber“四”天王ですが、5人なのは一種のネットミームでありそこにあまり意味はなく「VTuber四天王」とはこの5人のことを指します。
VTuberの人気を2017年〜2018年に確立したのがこの5人です。圧倒的なチャンネル登録者数の多さ、キャラクターの見た目や個性がちょうどいい具合にバラバラであることなどが理由で、VTuber四天王として存在が確立していきました。
「この5人のチャンネル登録者を超えるVTuberはそうそう現れない」という人もいたたほど、当時の人気は絶大でした。
個性豊かな四天王
VTuber四天王は、5人とも個性がバラバラなのが大きな特徴です。5人全員が、今のVTuber文化を形作っている要素の先駆者です。ではVTuber四天王の特徴を紹介しましょう。
1. キズナアイ
●2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 / メインチャンネル300万人,ゲームチャンネル151万人
言わずと知れたVTuberの代表格。
アーティストとしての活動をおこなったVTuberとしても先駆け的存在です。2018年の8週連続オリジナル曲リリースは、当時のVTuber業界では異例中の異例であり、度肝を抜かれた記憶があります。
さらに、そのオリジナル曲はジャンルとしてはエレクトロニック・ミュージックが中心であり、VTuberの楽曲といえばエレクトロニック・ミュージックというイメージを作ったパイオニアだと言えるでしょう。
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2. 輝夜月(かぐやるな)
●2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 92.5万人(※2021年10月引退)
明るい性格でむちゃくちゃな展開の動画が多いVTuberです。当時は超新星と言える存在で、一気に話題になりました。
イラストレーター「Mika Pikazo」の独特かつ派手なデザインも相まって、VTuberのデザインが既存のアニメキャラクターより派手かつ突飛になるきっかけを作ったと言えるでしょう。
3. ミライアカリ
●2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 70.9万人
イラスト原案を「初音ミク 」と同じイラストレーター「KEI」が担当しています。今は多く存在するが当時としてはかなり珍しい下ネタありセクシー系であり、元気の良さが特徴のVTuberです。
4. 電脳少女シロ
●2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 67.7万人
現在は「ぶいすぽっ!」を中心にApexやVALORANTなどのFPSがうまいVTuberは星の数ほど存在しています。当時から「電脳少女シロ」は卓越したFPSの腕前で、切り抜き動画がかなりバズっていた記憶があります。
さらに本人のサイコパス的性格も人気に拍車をかけました。
5. バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん(のじゃおじ)
●2022年1月31日時点のチャンネル登録者数 : 17.6万人
VTuberを語る際に、必ず出る話題が「バ美肉(ばびにく)」です。「バ美肉」とは「バーチャル美少女受肉」の略称です。見た目は可愛らしい女の子ですが、中の人は男性であることを指します。「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」、略して「のじゃおじ」は「バ美肉」の先駆者であり、当時視聴者に与えた衝撃は大きかったようです。また、当時コンビニバイトをしていた「のじゃおじ」が、YoTubeの収益化を果たし、クリエイター活動に一本化した姿は、VTuberのサクセスストーリーを最初に視聴者へ提示する存在となりました。
引き継がれるVTuber文化
このようにVTuberを構成するさまざまな要素の先駆者の5人は、多くのチャンネル登録者数を獲得しました。
「VTuber四天王」の時代は続くものだと思われましたが、2020年7月24日にホロライブ 所属の「白上フブキ」が「ミライアカリ」のチャンネル登録者数を超えました。そこからはホロライブ所属のVTuberが勢いを増しており、2022年1月31日時点でVTuberの「YouTubeのチャンネル登録者ランキング」で上位10位の中9人を占めています。
しかし「のじゃおじ」によって広められた「バ美肉」VTuberは「兎鞠まり」や「ふぇありす」を代表に多く活動しています。VTuberの現在のメインコンテンツであるFPSは、「電脳少女シロ」が先駆けであることは変わりません。VTuber四天王が作った文化は多くのVTuberに形を変えながら引き継がれています。
まとめ
VTuber四天王は現在、「キズナアイ」「電脳少女シロ」「ミライアカリ」の3人が活動を継続しています。
しかし、今人気がある別のVTuber達がVTuber四天王と呼ばれることはありません。それは、VTuber四天王が今に繋がるVTuber文化を確立した立役者だからでしょう。「キズナアイ」は全VTuber内のチャンネル登録者数1位こそ、「ホロライブEnglish所属」の「がうる・ぐら」に明け渡したものの、今も2位に君臨しています。「電脳少女シロ」は自身の人気の火付け役であったFPSでの動画投稿やコラボを加速させていますし、「ミライアカリ」も新モデルでの活動を活発化させています。
VTuber四天王は文化の創生と継承をしただけでなく、今も新たな文化を生み出し続けているのです。
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