「VTuber」は企業のプロモーションでも活用機会が増加しています。「VTuber」の形成にも影響与えたと言われているのが、VOCALOIDのバーチャルシンガーです。VOCALOIDのバーチャルシンガーは日本だけでなく、世界各国、特に中国でも人気があります。 この記事では、中国でのVOCALOIDの活躍の様子をお伝えします。
VOCALOIDとは
VOCALOIDという言葉はみなさんご存知でしょうか?
VOCALOIDとは、ヤマハ株式会社が開発した音声合成技術およびその応用製品の総称です。 「初音ミク」をはじめ「鏡音リン」「鏡音レン」「巡音ルカ」などの「バーチャルシンガー」を思い浮かべる方も多いと思います。
こういったVOCALOIDのキャラクターは、音声合成のための音源を提供している歌手はいるものの、「VTuber」と違い、「中の人」は存在しません。また、ファンの創作活動(イラスト、音楽制作など)が活発なため、「VOCALOID」はファンによって形成されたサブカルチャーとも言えるでしょう。
2020年前後VOCALOIDのキャラクターは中国のメディアでも活躍しています。
ここでは、「初音ミク」および中国版VOCALOIDオリジナルキャラクター「洛天依」(ルォ・テンイ)をご紹介します。
中国超大手企業とコラボを実現する初音ミク
2007年以降、「初音ミク」は日本でブームとなりました。その人気は海をも越え、中国まで広がりました。今中国のSNS「Weibo(ウェイボ)」の「初音ミク」アカウントには340万人以上のフォロワーがいます。また、2020年には中国の大企業とのコラボレーションが実現しています。
一例としては、2020年 3月8日の国際女性デーを記念し、中国大手企業Alibabaグループ傘下のECサイト「天猫(Tmall)」にて、有名キャラクターと並びプロモーションビデオに登場しました。
また、同年Alibabaグループ傘下のECサイト「タウバオ(淘寶)」ではライブコマースをおこないました。ライブの熱気は人気俳優を超え、中国の一大ECイベント「618セール」のランキングでトップに輝きました。
中華愛を沸き立たせるバーチャルシンガー「洛天依」(ルォ・テンイ)
「洛天依」という名前にあまり馴染みがない方がいらっしゃるかもしれませんので紹介させてください!
「洛天依とは、VOCALOID3をベースに制作されたバーチャルシンガーです。
「洛天依」は、中国国内の人気声優「山新」が音源を提供しました。キャラクターデザインコンテストをおこない、選出されたデザイン画を元に、イラストレーター「ideolo」が公式イラストを手掛けました。2012年7月に、正式にバーチャルシンガーとして中国でデビューしました。もちろん中国語で歌います。彼女は、「初音ミク」を始めとしたVOCALOIDに憧れを持ち、幸せと感動を伝えるバーチャルシンガーになりたいという目標を持っています。
そんな「洛天依」は先輩である「初音ミク」に負けない活躍をしています。
2020年12月31日はZ世代に人気のBilibili年越し番組に出演し、2021年2月11日の旧正月には、中国国務院直属機構である中央広播電視総台のテレビチャネルCCTV(中国中央電視台)の春晩にも登場しています。
春晩とは、中国語の「春节联欢晚会」の略称です。旧正月の大晦日に放送する特別番組、日本人にとっての「紅白」と同じ国民的な番組です。)
2022年2月2日には、北京オリンピックの開催を先んじておこなわれるオリンピック文化祭のイベントで「Time to Shine」を歌唱しました。
まとめ
いかかでしたでしょうか。
世界的にバーチャルヒューマンがどんどん広まり、中国では国レベルのイベントにまで登場してきました。
今後はますますバーチャルヒューマンの活躍する場が増え、我々が想像しているメタバースへ一歩近づくことでしょう。海外の動きも目が離せません!