会社の垣根を越えたカーデーザイナーの交流イベント

2018年1月20日(土)、第39回目を迎える「C&T meeting 2018」が、株式会社Tooのイベントスペース「The Gallery Too」にて開催されました。これは自動車業界各社のカーデザイナーが一堂に会し、会社の垣根を越えて業界トピックスやデザイン論に花を咲かせるという、貴重な交流イベントです。

40年続くカーデザイナー同士の交流の場

この交流の場は、1970年後半にサロン的にスタートしました。海外に進出する日本人カーデザイナーが珍しかった頃、当時オペルのカーデザイナーをされていた児玉英雄氏からお話を伺おうと、数十名のデザイナーが集まったのが始まりです。
Tooグループは、その前身であるいづみや時代の1978年に、カーデザイン専門誌「CAR STYLING」初代編集長である藤本彰氏とともにこの会を創設。以後約40年間、このデザイナー交流の場を支援し続けています。
会の名称である「C&T」とは、「CAR STYLING」と「Too」の頭文字に由来しています。

1984年には日本車のカーデザインのさらなる向上を目指して「日本カーデザイン大賞」が制定されました。それ以来、「日本カーデザイン大賞」授賞式およびトロフィーの贈呈をこの会で行なっています。徐々に開催規模が拡大し、「第39回 C&T meeting 2018」には約150名の自動車業界関係者が参加されました。現在では招待制イベントとなっています。

C&T meeting 実行委員会理事 藤本彰氏よりご挨拶

最も優れたカーデザインを表彰する「日本カーデザイン大賞」授賞式

「日本カーデザイン大賞」とは

日本カーデザイン大賞は、他の要素を一切なく、自動車の"デザイン"にのみ着目した賞です。「CAR STYLING」がこの賞を主催してきましたが、より認知を広げていくために、2017年より「日本カーデザイン大賞実行委員会」が発足し、この賞を主催しています。

その年に発表されたモデルの中から、量産車部門、コンセプトカー部門の2部門で賞が選出されるほか、クレイモデリング大賞が決定。授賞式ではそれぞれ「ゴールデンマーカー・トロフィー」「ゴールデンクレイ・トロフィー」が贈呈されます。

各受賞作品の紹介とトロフィー贈呈

審査員長である青戸務氏から、受賞された各社への総評が語られました。授賞式では、それぞれのトロフィーが贈呈され、受賞者の方々からは喜びの声をいただきました。授賞式は厳かでありつつも、和やかなムードで執り行われました。

・ゴールデン・マーカー賞 量産車部門

「LEXUSは長らく世界ブランドとして展開されてきたデザインです。トップモデルの『LEXUS LC』には、サイズやプロポーションに他の車にない新しい魅力があります。人の心を掴むようなデザインが見られました。」(青戸氏)

・ゴールデン・マーカー賞 コンセプトカー部門

「AIや自動運転など、技術はものすごい勢いで新しい車のあり方を目指しています。将来の車の姿を示すような、新しいアプローチのデザインが多く見られました。今回は、全く異なる概念を目指している点で『HONDA NeuV』を選びました。新しいプロダクトとして、デザインが綺麗にまとまっていると思います。」(青戸氏)

・ゴールデン・クレイ賞

「『MAZDA KAI CONCEPT』は量産を目指しながら、フロントフェンダーからリアフェンダーにかけて(※)、非常に難しい面を綺麗につくられたと思います。」(青戸氏)
※フロントフェンダーとは、フロントタイヤの外側を覆うパネル、リアフェンダーとは、リアタイヤの外側を覆うパネルのこと。

各社から語られる、2018年の意気込み

各社からの挨拶

後半では、自動車業界各社の皆様がご登壇されました。2017年を振り返り後、デザイン部門の体制変更や2018年の方針を発表、さらに来年の賞獲得へ向けた意欲的な言葉が語られました。ときおり笑いを交えつつ発表はくつろいだ空気で進んでいきました。
また、普段はドイツに在住されている児玉氏に、一言コメントをいただく場面もありました。

活気あふれる懇親会

会終了後の懇親会では、デザイナーの皆さん同士の話が盛り上がり、会場のあちらこちらで談笑されている様子が見られました。会は終始和やかな雰囲気のまま幕を閉じました。

ご参加いただいた皆様に、刺激的な交流の時間を楽しんでいただけたようで嬉しい限りです。これからも、Tooグループはデザイン材料の提供をはじめ、交流の場、有益な情報など、商品に限らない価値をお届けし、オートモーティブデザイナーの皆さまをサポートし続けます。ご期待ください。

TD

デザインをキーワードとしたスローメディア『TD』。時代とともに変わり続けるデザインの中にある「変わらない部分」を丁寧にすくいあげ情報を発信しています。

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TOOLS INT’L

日本の自動車産業のデザイン黎明期から今日までの蓄積したノウハウを活かし、より良い商品、サービスを提供。よりスピーディーな海外展開や研究開発部門・品質管理部門の強化、Tooグループ各社との協業促進でグローバル化に対応しています。

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