Too主催、MODO JAPAN グループ協力による『Rhino + MODO デザインビジュアライズセミナー』が、2014年3月6日にToo本社の「The Gallery Too」(東京都港区虎ノ門)で開催されました。
セミナー概要
このセミナーはプロダクト・ジュエリー・建築など『デザイン』に携わるすべての方々、またはパッケージ、広告などのCG制作に3DCADや3DCG導入をご検討中の方を対象に行われ、3DCADモデラーのRhinocerosと次世代3DCGツールのMODOを使ったデザインビジュアライズワークフローが紹介されました。
【Rhinoceros】3Dデジタルモデリング
Rhinocerosのご紹介
RhinocerosはNURBS(ナーブス)形状をコントロールしてモデリングを行う、3D CADモデラーです。最近では主にプロダクトデザイン/建築デザイン/ラピッドプロトタイプ/学校・教育機関での利用が多くなってきています。
Rhinocerosモデリングの特長
実際の操作画面を見ながら、Rhinocerosモデリングの特長の説明が行われました。
グラフィック系のソフトウェアではおなじみのベジェ曲線に似たナーブス曲線により、形状のコントロールを行うことがモデリングの特長となっています。面をゴム板のように、直感的かつ簡単にコントロールしてモデリングすることが可能となっています。
最新バージョンRhino5新機能紹介
つづいて、Rhinocerosの最新版の新機能が紹介されました。今回のバージョンから64bit化されています。
■ガムボール
オブジェクトを選択すると制御点をXYZ軸方向にコントロールできるUIが表示され、位置の移動や変形などを簡単にコントロールすることが可能になりました。サブオブジェクトの選択やエッジ/面のみの選択が可能になりモデリングがより直感的になりました。これによって押し出しやテーパーが簡単に作れるようになり作業効率が大幅にアップしています。
■シェル化
これまでのバージョンでは板厚を付けるのがやりづらい場合がありましが、新バージョンからは簡単に厚みをつけることができるようになりました。ただし、囲まれたソリッド形状に限定されるようです。
もちろんオープンな形状の場合にも対応がはかれており、サーフェスのオフセットの機能が強化され、前バージョンから操作性の向上が図られています。
■ヒストリー機能
ヒストリー機能を使うことによって、回転体などの形状を簡単にコントロール可能になりました。ラインから回転体を作成するような場合も、ガムボールを使って自由に形状のコントロールが行え操作性が格段に向上しました。
ヒストリーを記憶させると、曲線に沿って渦巻き形状を作成するようなケースも便利です。もとの曲線でコントロールすることが可能で、オブジェクト作成後の微妙な調整がしやすくなっています。
【Rhinoceros】RhinocerosのTips
コマンドライン機能
■アイソラインからナーブス表示への切り替え
Rhinocerosには、通常のメニューには無い機能があり、それを利用するにはコマンドラインで実現できます。そういった機能のうちの数点が紹介されました。
前のバージョンからアイソラインを省略した、ライトウェイトオブジェクトという形式を採用することにより、データ容量を約1/10にすることができました。しかしトリム等の編集時にはアイソラインが省略されたことにより面の指定ができなくなり、直接編集ができなくなりますが、コマンドラインの機能を使ってナーブス表示に切り替えれば編集が可能です。
都度変更するのが面倒な場合は、別のコマンドラインをつかって、従来同様、常時ナーブス表示にすることも可能です。
その他、いらない部分をカットする際に「曲線のブール演算メニュー」を使うとトリムカットの省力化ができたり、「ソリッドを作成」「ワイヤで切断」も同様にトリムカットを省力化する機能もコマンドラインで実行できます。
■曲面にロゴを配置する
ハンディークリーナーのヘッドのような湾曲した平面にロゴを押し出したものを配置したいような場合に便利なやり方が紹介されました。まず、「サーフェスのUV曲線の生成」湾曲したヘッドの曲面を平面化します。平面をはったところに「サーフェスにそってフロー変形」を使うことで簡単に配置をすることができます。変形対象となるロゴを指定し、次にベースとなる面上記で作成した平面を指定します。最後に配置先となる曲面を指定するだけで、曲面にそった状態で配置されます。もちろんロゴの移動はXYZに対応しています。
その他「面をマージ」機能で分かれた平面を簡単に結合できたり、ジュエリー関係の方にも便利に使えるTIPSが紹介されました。
【Rhinoceros】 スタンドアローンライセンスを一元管理
Zooライセンスマネージャー(無料)
「Zooライセンスマネージャー」はスタンドアローンライセンスを一元管理、複数のPCで共有することができるソフトウェアです。このソフトウェアを使うと、ライセンスの一時的な貸出し(チェックアウト)が可能になります。例えばオフィスの作業を、自宅で引き続き行いたいケース等で便利です。
Phonoceros 4と5、一部のプラグインで無料で利用できるとのこと。
【MODO】デザインビジュアライゼーション
後半はRhinocerosで利用できるプラグイン機能の紹介がされました。
MODO
■概要
はじめにMODOについての概要が説明されました。MODOはRhinocerosと組みあわせて利用するビジュアライゼーションツールで、一般的な3DCGソフトとのデータ互換があります。レガシーなDXFにも対応しているとのことです。
■データのインポート
Rhinocerosのデータをインポートするには2つの方法があり、1つは直接読み込む方法で、もう1つは標準の読み込み可能なフォーマット以外のファイルを読み取る場合で、プラグインのCAD Loaderを使うことで可能になります。変換精度は後者の方が高く、変換に少し時間がかかますがメッシュか均一できれいになるようです。読み込み後は各種パラメータを調整しながら最終的にポリゴンデータに変換。各パーツに関して素材感の指定してレンダリングを行います。
背景や材質はコンテンツのインストーラによって、サンプルやインストールされるので、これをベースにした方が早いとのことです。
アニメーション機能も充実しており、複数のカメラを設定することによって、一度に複数のアングルでレンダリングが可能。また、素材などの設定をパスとして設定することにより、様々なバージョンのレンダリングが一度の指定で可能です。用途としてフォトリアルなレンダリングはもちろん、プロダクトデザインでよく利用されるカットモデルのビジュアライゼーションでも活躍します。
■ビジュアライゼーションツールとしてのMODO
大勢のお客様にご来場いただき、ありがとうございました。