【前編】第一線で活躍するコンセプトアーティストが集った第4回『デジタルアーティスト Meetup!』

『デジタルアーティスト Meetup!』はゲームやCG、映像などデジタルコンテンツの制作に関わるクリエイターに交流の場をご提供するイベント企画。毎回テーマを決め、そのテーマに関係する業種を中心に幅広くクリエイターを集めている。

企画のメインは、クリエイターが携わった作品や制作現場での取り組みなどを話す〝Lightning Talks〟。第4回は『コンセプトアーティスト編』と題して、3名の登壇者によるスペシャルLightning Talksが行なわれた。

トップバッターはウスダヒロ氏。ウスダ氏の仕事は、コンセプトアートまでというより「完成まで仕上げるセットの内容」だという。SILENT HILLやMETAL GEAR SOLIDでもコンセプトアートは存在しておらず、担当者が各自世界観にあった資料を集めて、3Dモデリングでデザイン+データ作成を行なったそうだ。

イラストレーター、専門学校非常勤講師。1999年、現コナミデジタルエンタテインメントに入社。『SILENT HILL 3』『SILENT HILL 4』『METAL GEAR SOLID 3』『METAL GEAR SOLID 4(2006年E3まで)』などに3DCGデザイナーとして参加。2006年、フリーランスのイラストレーターとして独立。

ウスダ氏は大事なこととして、資料集めを挙げた。資料を見ることによって説得力が増し、圧倒的に質が違ってくる。ロシアの研究所を作るため、ヤフオクでロシアの資料を買ったこともあるという。

また、発注する側へは「指示を口頭のみで行なわない」「打ち合わせ内容はメールなどで残しておく」というオススメの方法も示した。

MMORPG『パーフェクト ワールド -完美世界-』日本版メインビジュアルなどの作品紹介も行なわれた。

© bushiroad All Rights Reserved.

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後半では多数の作品の、ラフから完成作品までの工程が披露された。なお、この作品では魔方陣の星と十字が宗教的シンボルに該当するため、修正が加えられている。

二番手の株式会社オープンウェブ・テクノロジー代表取締役である白石俊平氏が話したのは、『コンセプトのつくりかた』。コンセプト・メイキング=アイデアをかたちにする技術と定義して、そのワザについて解説した。

白石氏はコンセプト・メイキングを視覚化したイメージ、アイデアを中心の点としたうずまきを提示。そしてこの図から、

  • アイデアは始点でしかない→アイデアは不可欠だが無価値である
  • 最初の円は必ず小さい→まずは複数形になろう
  • 円は回りながら大きくなる→小さく作って大きく育てる

といったことが学べるとした。

うずまきは始点がなければ描くことは出来ないが、点には大きさがないので誰も巻き込んでいない状態だ。うずまきの最初の小さい円では人を巻き込めないので、面白さが伝わるものを作って人を巻き込んでいくことが重要となる。

また、小さく作って大きく育てるために重要となるものとして、コンセプトの4要素〝CCMM〟=Copy、Contents、Mission、Motivationを挙げた。

受け手はまず名前やキャッチコピーを見て、興味をそそられたらコンテンツを見る。もっと興味がある人は「なぜやりたいの?」「続けたらどういう意味があるの?」と尋ねる。そこでミッションやモチベーションを答えられるようにしておくといい。モチベーションは「だって楽しそうだから」と答えるのが最強だが、語る必要があるとき考えればそれがストーリーとなる。

最後にストーリーの例として、テクノロジー情報に特化した情報収集サービス『TechFeed』が紹介された。

第一線で活躍するコンセプトアーティストが集った
第4回『デジタルアーティスト Meetup!』(後編)

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