企業・教育機関でWindowsからMacへ乗り換えたい!実際どれくらい大変?考えることをまとめてみた

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    Windows PCが当たり前だった企業や教育機関でも、Macへの乗り換えを検討するケースが増加していることをご存知でしょうか?

    特に社員や生徒がiPhone・iPadを利用している場合、業務デバイスをMacにすると多くのメリットを期待できます。
    操作感の統一・Appleエコシステムによる連係機能の利用・アカウント管理の簡便化などは、管理者にもユーザにも嬉しいポイントです。

    とはいえ、長年使い慣れたWindows環境からの切り替えには不安も付きまとうことでしょう。
    利用者にとってもどのようなインパクトがあるか、事前に計りかねる部分も多いはずです。

    標準PCの切り替えはどの程度大変な作業なのか、どういったポイントを抑える必要があるのか。
    この記事では、法人でWindowsからMacへ乗り換える際のチェックポイントについて解説しつつ、役立つ各記事へのリンクを紹介していきます。

    Windows更改のタイミングでMacへの移行を考えている担当者の方にも、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

    企業・教育機関共通の検討ポイント6点:まずはここから始めよう

    この記事をご覧いただいているのは、Macを標準PCにしたい、もしくは選択制を取り入れたいと検討していらっしゃる方が多いと思います。
    同じ取り組みをした組織は、どこにその効果を感じ、どのように進めたのでしょうか。

    弊社の事例記事も参照いただきながら、まずご自身の組織にとってどんなメリットがありそうか整理してみましょう。

    ・[Mac導入事例]学校法人 新渡戸文化学園 様外部サイト ・[Mac導入事例]キャディ株式会社 様外部サイト

    事例内では主なメリットとして下記のような内容が挙げられています。

    ・Macの操作性の良さ
    ・バッテリーの持ち
    ・Appleデバイス同士の連係
    ・リセールコストを含めたコスト削減
    ・サポート負荷の軽減

    OSを乗り換えるとなると大変な作業に思えますが、ステップバイステップで進めていくことで、きっと社員や教職員の方に喜ばれるデバイス更改となるはずです。
    まずは基本となる6つのステップを紹介します。

    様々な関連コンテンツも紹介していきますので、ご興味があるものをご覧ください。

    (1)導入タイミングの見極め、スケジュール設定

    デバイスの大規模な乗り換えは、最適なタイミングを見計らうのが何より重要です。
    業務や学業スケジュールの閑散期を狙うことはもちろん、「多くのPCの利用年数が3年以上経過した」「年度末なので予算を消化したい」「社員の一斉増加が見込まれている」など、適切な時期は組織によって様々。

    Macを取り入れる際のポイントは、一斉に切り替えるのではなく、パイロット導入から始めることです。
    小規模な試験運用で課題を洗い出し、解決策を見出してから本格導入に移行することで、リスクを最小限に抑えることができます。

    Tooにご相談いただければ、スケジュールとタスク設定、パイロット導入までコンサルティングと技術支援で並走も可能です。

    Mac導入の進め方(参考)

    (2)業務/校務ツールの互換性確認

    まずは既存の業務システムやツールとの互換性を確認します。
    もし互換性がない場合は代替策を検討する、というのが最も基礎となる部分です。

    校務システム・基幹システム・勤怠・経費精算・メールシステムなどにMacから問題なくアクセスできるか、パイロット導入を通して一つずつ検証しましょう。

    ブラウザベースのシステムを利用している場合は、比較的問題なく移行できます。
    昨今では、SaaSへの移行が進んでおり、「検証した結果意外とMacでも何も問題なかった」という組織が非常に多くなっています。

    校務システムも一時期はWindowsのみ対応のものが多かったですが、たとえば「BLEND」「ツムギノ」「Classi」「ヨリソル」など、WEBブラウザベースで操作できたり、Macやタブレットを含むマルチデバイスで利用できたりする製品も次々登場しています。
    ※実際のOS対応については各ソフトウェアごとにご確認ください。

    ワークフローにWindows専用のクライアントソフトウェアがある場合、どう代替策を検討できるか、代替にかかるコストといった検討項目が増えてしまいます。

    とはいえ、この先のIT環境を考えると一つのOSにロックされるシステムを使い続けることは望ましくありません。
    PC更改のタイミングが、マルチOS対応のシステムへ見直していく良いきっかけになるとも捉えられるでしょう。

    (3)ハードウェアの互換性確認

    既存の周辺機器との互換性確認を行っておきましょう。
    主に下記のような項目です。

     • プリンター・スキャナーの対応状況 
     • ネットワーク機器との相性 
     • 外部ディスプレイの接続方法 
     • USB機器の互換性 

    プリンターに関しては対応バージョンのドライバーがあるか事前に確認し、ドライバーインストールや出力確認を行う必要があります。
    また、MacBook Pro・MacBook Airは機種によってはType-Cのコネクタしかなく、外部ディスプレイやUSB機器への接続にあたって変換アダプターが必要になる場合もあります。

    ・Macのポートを調べる外部サイト

    無線で画面投影できる「AirPlay」、ディスプレイに繋ぐApple TVの導入検討も合わせて進められれば、より利便性を向上できます。
    会議室に置いておくだけで、発表者の繋ぎ換えの手間を省き、スムーズな進行が可能になるでしょう。

    教育機関においては授業中に生徒のiPadからの画面投影もスムーズに行えるため、まだ取り入れていない場合は非常におすすめです。

    (4)コスト分析と導入方法の検討:Apple Financial Services(AFS)の活用

    導入コストの検討では、Mac購入時の費用だけではなく、Total Economic Impactを考えることをおすすめします。
    Macは高価なイメージがありますが、下取りなどを踏まえた総コストで見るとWindowsよりコストを削減できるという場合も多く存在します。

    ・企業におけるMacのTotal Economic Impact(TEI)と 日本企業への計算式の適用外部サイト ・教員用PCにかかるトータルコストとは?MacとWindowsの比較ポイント解説外部サイト

    [Total Economic Impactの例]
     • 初期導入費用 
     • 管理運用にかかるコスト 
     • サポートにかかるコスト 
     • リセールバリュー 

    また、リースをはじめ組織に適した調達方法を選択しましょう。
    例えば、与信を通過した法人で利用できるApple Financial Servicesという残価設定型のリースプログラムがあります。
    端末返却を前提に、企業でも教育機関でも初期投資を抑えながら計画的な導入が可能になります。

    もし学生向けのMacの展開も考えたい場合は、家庭での費用負担を抑える個人購入プログラムもご用意しています。

    (5)管理体制の構築とセキュリティの確認

    Macのデバイス管理には、Windowsとは異なるアプローチが必要です。

    Macの管理に用いるMDMはデバイスベース/デバイスグループごとの管理が基本となるため、Active Directoryのようにアカウントをベースにした管理とは考え方が異なります。
    まずは両OSの違いを理解すること、その上でMacに個別のポリシーを検討することが、管理の第一歩となります。

    Microsoft Intuneなどが組織にある場合はそれで最低限のMac管理を行うこともできますが、状況が許せばMac専用の管理ツールの導入をお勧めします。

    Appleデバイスに特化した管理ツールの例

    アプリのインストールをどのように行うか、許容したくない機能は何か、OSアップデートの制御をどのように行うか、キッティングをいかに簡略化できるかなどが主な検討項目となります。
    組織内にiPhoneやiPadがある場合には、ある程度iOSの管理内容を踏襲して決めやすいです。

    管理の始め方・考え方については、下記に参考記事をご紹介しますので、気になる記事があればご覧ください。

    ・デバイス管理で早めのセキュリティ対策を。Macの管理を始めるためのステップをご紹介!外部サイト ・【前編】IntuneでMacはどこまで管理できるのか?Jamf Proの各種機能と比較してみた外部サイト ・SEに聞いてみた!企業におけるMac導入の進め方とチェックリスト外部サイト ・macOSのアップデート管理をどう考える?企業で想定される課題と対策外部サイト

    なお、セキュリティツールに関してはWindowsと共通のものを使えることがほとんど(ESET, CroudStrikeなど)ですが、ツールのmacOS追従性は調べておくと良いと思います。
    最新OSへの対応に時間がかかりすぎる場合は、リスクとなり得ますので要注意です。

    Tooでは時間が選べる管理・セキュリティ相談会を開催しています。こちらからご参加いただけます!

    (6)ユーザ向けのオンボーディング支援とサポート

    これまでWindowsで業務をしていた社員・教職員の方は、場合によっては初めてMacを触るということも考えられます。
    Macを使いやすいと思ってもらえるよう、ユーザ向けに丁寧なオンボーディングを用意しておくことも重要です。

    上記でもご紹介したキャディ株式会社様の事例では、MacのヘルプページをNotionで準備した、というお話を伺えました。

    Macに関するさまざまな情報をまとめたヘルプページをNotionで作成して改善を図りました。基本的なMacの使い方や初期設定の方法、Macのショートカットキーの使い方やウインドウの整理方法などのTips、困ったときの参照ページなどを記載し、このNotionページを参照すれば快適に業務が行えるようにしています。
    新入社員のオンボーディングのときにも、もちろんこのNotionページを読んでもらうようにしています。

    Tooでも、Macを初めて触る方へのサポートコンテンツをいくつか用意しています。

    ・My First Mac:仕事で初めてMacを使った社員の体験談外部サイト ・【初心者向け最新版】Macの基本操作&便利機能!(動画)外部サイト

    また、社内および校内にMacに詳しい人がいない……という場合には、ユーザから寄せられる質問対応に苦慮するかもしれません。
    リモートで対応できるヘルプデスクサポートがあることを認識しておくと、安心して導入を進められるでしょう。

    あんしんサポートデスク外部サイト

    ここから先は、企業と教育機関それぞれに特有のポイントを見ていきたいと思います。

    企業特有の検討ポイント2点

    (1)データ互換性の確保

    企業における大きな心配事の一つが、データ互換性の確保でしょう。
    マクロを多用していたり特殊なプラグインを利用していたりするExcelファイルは特に要注意です。
    .docxや.pptxは複雑な構成をしていない限り、崩れることも少なくなってきていますが、やはりデータによるところが大きいです。

    Appleデバイス特有のデータ形式(.key、.heicなど)も存在します。
    OS複合環境においては、pdfやjpgなど、OSを問わず閲覧できる保存形式への意識が重要です。

    なお、いずれかのOSにのみ対応するデータ形式も、ツールを用いて変換すること自体は可能ですので、心配しすぎる必要はありません。
    クラウドベースのデータ共有がなされていれば、データ移行や共有には問題が生じないことが多いですが、業務によって扱うデータ内容が異なるため実データを用いてパイロット検証することが重要です。

    (2)Windows管理環境との統合

    Macをデバイスの一選択肢として加える場合、既存のWindows環境との共存も重要なポイントです。

     • Active Directory連係
     • ファイル共有サーバーへのアクセス 
     • グループポリシーの代替手段 
     • ネットワークプリンターの設定 

    Macを例外機ではなく標準機として使うには、管理ツールを用いて社内の必須ポリシーに適用させること、必要な場所へのアクセス許可が最低限クリアしたいラインです。

    とはいえ、無理にWindows環境へMacをバインドすることは現在あまり推奨されていません。
    また、Windowsで敷いていたセキュリティや制限をそのままMacに適用すべき、と考える必要はありません。

    管理環境に関しては、「統合」という意識を持ちすぎることなく、MacにはMacに向いた環境構築をしていくことをお勧めします。

    ★Mac PoC(実証実験)の実施

    Tooが提供するMac導入実証サービスによって、Windows環境との統合やパイロット導入の検証をステップバイステップで進めることができます。
    Apple製品特有の課題の洗い出しから行いますので、Macの導入が初めてでもお気軽にご相談ください。

    ・Mac PoCプログラム外部サイト ・[Mac PoCプログラム導入事例]株式会社ヨックモックホールディングス 様外部サイト

    教育機関特有の検討ポイント4点

    (1)教材・授業用アプリケーションの対応

    校務システムとは別に、先生方が授業を進めるために独自のシステムを使っていることがあります。
    下記の内容などを確認しましょう。

     • デジタル教材の互換性 
     • 教育支援ソフトウェアの対応状況 
     • オンライン学習プラットフォームとの連係
     • 教材作成環境の整備 

    生徒がiPadを利用しているなら、教材の作成、配布といったワークフローはMacを用いることで大きく改善されるでしょう。

    Macの導入を検討される教育機関ではAppleのエコシステムが整いつつある場合が多く、教員の方の慣れ以外、大半のケースでは問題が生じないと想定されます。

    (2)iPadとの連係強化、Macのメリットを活かす授業を検討

    Mac導入の最も大きなメリットです。Appleエコシステムの連係により、新しい教育の可能性が広がります。
    Handoffによるシームレスな作業、AirDropでの素材共有、クラスルームアプリを用いた授業運営やKeynote・Pagesによる共同編集など、生徒がiPadを使う場面で教員がMacを持つメリットは計り知れません。

    また、Macならではの授業に活かせる強みもたくさんあります。
    例えば、無料のプログラミングツール「XCode」を使って、AI学習の入門コースを作れるかもしれません。

    ・AI学習の入門編に!Create ML授業活用例外部サイト

    iPadだけでは満足できなくなってきた、という好奇心の強い児童生徒に対しては、次のステップとしてMacで出来る創造的な活動を示すことができます。

    ・[教員向けMac・iPad研修(カスタム版)導入事例]広尾学園小石川中学校・高等学校 様外部サイト ・[Mac教室構築導入事例]湘南学園中学校高等学校 様外部サイト

    (3)教室環境の確認

    ハードウェア互換性と共通する部分もありますが、教室ならではの設備との整合性も確認しておきましょう。

     • プロジェクター接続 
     • 電子黒板との連係
     • 無線LAN環境の確認 

    教室環境でWindowsでしか使えない機器は少ないかもしれませんが、授業運営の際に想像しなかったトラブルが生じないよう、こちらもパイロット導入にて検証しておくことをお勧めします。

    (4)教員向けトレーニングの実施

    Macの利用が初めて、iPadとの連係でどんな可能性が広がるか知りたい、という教員の方向けにトレーニングメニューをご用意しています。

    ・教員向けiPad・Mac活用研修外部サイト

    授業で使えるデバイスの基本操作やアプリケーションの活用方法を、Appleに認定された「Apple Professional Learning(APL)スペシャリスト」がお伝えします。
    トレーニング前後で校内でアンケートを行ってみるのもお勧めです。
    若手の教員の方はMac利用経験、Macの利用希望がある場合も多く、校内でMacの利活用を推進する助けをしてくれるかもしれません。

    まとめ:成功のためのキーポイント

    WindowsからMacへの移行は、確かに大きな変化ではありますが、適切な準備と段階的なアプローチがあれば心配しすぎることはありません!

    特に重要なのは、「異なるOSを含むPC移行」は単なる入れ替えではなく、業務改善や教育環境の向上の機会として捉えることです。
    iPhone/iPadとの連係強化や、新しいワークフローの確立など、Macならではのメリットを最大限に活かすことで、組織全体の生産性向上につながるはずです。

    数多くの企業、教育機関でMacの導入を支援しているTooは、様々なサポートサービスを豊富な知見を備えています。

    この記事のポイントを踏まえて一緒に整理しながら進めますので、ぜひ一度ご相談ください!

    記事は2025年2月18日現在の内容です。

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