【Mac・iPad活用事例】MacBook Airの生徒1人1台配備【海城中学高等学校】
iPad・Mac活用事例第3弾!
ICT教育って、実際何から始めたらいいの?
デバイスを導入したはいいけど、使用方法について具体的なイメージを思い描けない…もしくはこれから導入を検討している。
そんなお悩みをお持ちの方に向けて、本記事ではMac・iPadの授業活用について他校の事例をご紹介します。
内容をレポート形式でお伝えする本シリーズ第3弾では、海城中学高等学校 平田敬史先生によるマイクデモ「Mac生徒1人1台配備と教員の校務における活用」をお届けします!
※本記事の内容は2024年5月のEDIX Tooブースにてお話いただいた内容です。
コンテンツを消費する側から、作成する側へ
2015年より校内のICT化を開始した海城中学高等学校。
2023年のMacBook Airの1人1台配備に至るまで、校内のICT環境の整備やPC教室のデバイス入れ替え、Jamf Proによるデバイス管理など、様々なステップを重ねてきました。
また、元々学習用デバイスにiPadを選択していた同校ですが、「コンテンツを消費するのではなく、作成する側となってほしい」との思いから、2020年よりデバイスをMacBookに切り替えています。
どのように校内のICT環境を段階的に整備したのか、どのような観点からiPadからMacに切り替えたのか、さらにはおよそ2000台を超えるデバイスをどのように管理しているのか…。
ICT教育部 部長の平田先生に、同校の実例を通じてご紹介いただきました。
デバイス管理を考えたきっかけ
同校では2015年のプロジェクタ導入後、接続する手間を省くためのApple TV、接続を安定させるネットワーク、教員用iPadを順に導入しました。
2015年
・教室の黒板のホワイトボード化
・プロジェクタ、Apple TV設置
・校内Wi-Fi整備開始
・貸し出しiPad運用開始(45台)
2016年
・ICT教育部発足
・教員1人1台iPad配備
2017年
・生徒1人1台iPad配備開始(中学3年 330台)
教員用iPadを徐々に配備する中で、「生徒1人1台のデバイスを導入したら、どのようにキッティング作業や管理をするのだろう』とデバイス管理について考え始めたそうです。
方法を模索していた折に出会ったのが、Automated Device Enrollment(ADE)(旧称:Device Enrollment Program)。
ADEとは、デバイスのキッティングからMDM登録までの作業を簡略化する、Apple社提供のiOS端末導入支援プログラムです。
ADEによるデバイス調達と、Jamf Proによるデバイス管理を実行しているとのことです。
機能や用途の制限により、生徒の持つ知的好奇心を制限しかねないという考えのもと、生徒所持のデバイスに大きな使用制限は行なっていないそう。
自由なICT活用を通じて生徒個々の可能性や創造性を発揮したり、生徒同士で刺激し合ったりできるとお話しいただきました。
PC教室のデバイスをiMacへ
同校では2017年にPC教室のデバイスを入れ替えるタイミングで、機種をWindows PCからiMacに切り替えました。
機種変更に伴いデバイスの操作に手間取る事態も懸念されましたが、iMacの操作性の良さにより、生徒が戸惑う場面は少なかったそうです。
2017年
・PC教室をWindows PCからiMacへ変更(45台)
近年、PowerPointをはじめWordやExcelといった基本的なツールは、小学校の段階で操作方法習得する低年齢化が起きています。
基本的なツールにとどまらず、中高生がより高度なことを習得できる授業構想を元に、同校ではMacの導入を決定しました。
加えて、同じく2017年より生徒1人1台iPadの配備も開始したため、デバイス間の親和性も考慮したそうです。
当時の授業では、アドビ製品を使ってのポスター・チラシ制作や動画編集、プログラミング学習を行なったとのこと。
授業の枠に収まらない生徒の学習意欲やとがった興味や関心に応えるべく、外部企業の協力のもと、選択制の課外講座で「Xcode」と「Swift」を用いたアプリ開発にも取り組みました。
また、iMacの導入により、通常の情報の授業においても生徒の意欲が向上したそう。
iMacへの憧れや「iMac=かっこいい」というイメージが、授業へのモチベーションアップにつながっているようです。
このように授業で展開したい内容に適したスペックのPCを採用することは、生徒の意欲を削がず、探究心・思考力を伸ばす上で非常に重要であると言えるでしょう。
学習用デバイスにMacBookを選択
同校では、2018年より貸し出しMacBookの運用を開始し、2020年〜2023年にかけて生徒1人1台MacBook配備を完了しました。
2018年
・貸し出しMacBook運用開始(45台)
2019年
・生徒1人1台iPad配備(高校1年:330台)
→高校1年〜2年にiPad配備完了(660台)
2020年
・生徒1人1台iPad配備(高校1年:330台)
→高校1年〜3年にiPad配備完了(990台)
・生徒1人1台MacBook Air配備(中学1年〜3年:990台)
・生徒全員にMicrosoft365アカウント配布完了
2023年
生徒1人1台MacBook Air配備完了(中学1年〜高校3年:1,890台)
学習用デバイスをMacBookに切り替えたきっかけとして、「ICT機器がコンテンツを消費するためのデバイスになっていた。コンテンツを消費するのではなく、作成する側となってほしいと考えた」と述べた平田先生。
平田先生はMacBookの優位性として、以下を挙げました。
- 生徒にとって操作面・管理面共に親しみがある
日常的にiPhoneやiPadを使用している生徒が多いため、操作や管理に関する学習コストを抑えられる - 電力効率◎
パワフルなバッテリーにより、AdobeやXcodeで高負荷な作業を行なっても充電切れの心配がない
MacBook1人1台配備は文房具が一つ増えたような感覚で、配備以前に増して制作物を作りやすい環境になったとのことです。
まとめ
今後の展望として、現在クラウドに依存しがちな環境であるため、ネットワークに繋がらなくなった際のリスクヘッジを行いたいとお話しいただきました。
同校のMac教室構築事例、Jamf Pro導入事例の詳細は別の記事でご紹介しておりますので、そちらも是非ご参照ください!
Mac教室構築導入事例 海城中学高等学校 様 Jamf Pro導入事例 海城中学高等学校 様記事は2024年9月25日現在の内容です。
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