Jamf Nation Live Tokyo 2023イベントレポート
2023年2月21日(火)に虎ノ門ヒルズで開催された「Jamf Nation Live Tokyo 2023」
「Jamf Nation Live」はロンドン、アムステルダムなど世界各国で開催されていますが、東京での開催は今回が初めて。加えて、Jamfイベントとしては久しぶりのリアル開催となり、会場は多くの参加者でとても賑わっていました!
Tooの社員は黒地に白いロゴが入ったパーカーを着て参加していましたが、見つけられましたでしょうか?
今回は当日のセッションをいくつか抜粋してレポート形式でお届けします。
会場の雰囲気も併せてお楽しみください!
目次
- 講演レポート
- 【基調講演】Jamf CIOが挑むセキュリティの堅牢化と社員の幸福度 ~LOVE&TRUST~
- 【ゼロトラスト】Jamfで実現!Appleデバイス×ゼロトラストセキュリティ
- 【お客様事例】社員のやる気と業務効率、幸福度を向上させる職場の作り方 ~サイボウズ社のCYODの実態~
- 【CYOD】MacとWindows PCの混在環境でのデバイス管理方法、お教えします!
- 【GIGAスクール】学習効果の見える化に貢献! ~Jamf Data PolicyによるiPad利用状況データの取得と活用方法~
- 【医療】ニーズが高まる医療現場でのApple デバイスの活用 ~ベストプラクティスとその管理~
- 【お客様事例】事業の成長とともに走るコーポレートITの取り組み ~タクシーアプリ「GO」を展開するMobility Technologiesの事例~
- 【パネルディスカッション】 Jamfユーザが語るAppleデバイス管理のホンネ
- 【お客様事例】創業90年の老舗企業が実践する、Apple+Jamfを活用したグローカル戦略
- まとめ
講演レポート
【基調講演】Jamf CIOが挑むセキュリティの堅牢化と社員の幸福度 ~LOVE&TRUST~
Jamf / CIO Linh Lam氏
Jamf Japan合同会社 / カントリーマネージャー 狩野 央道氏
Jamf CIOのLinh Lam氏とJamf Japan合同会社 カントリーマネージャーの狩野 央道氏の基調講演からスタートした今回のJamf Nation Live Tokyo 2023。
基調講演ではJamf社が掲げるLove&Trustの考え方が紹介されました。
Love&Trustとは、「従業員の希望する(愛する)デバイスを安全性を担保した状態で使ってもらう」という意味が込められているそうです。その実践を可能にするのがJamfのソリューションということでした。
また、今回のイベントにおけるテーマは "Trusted Access"ということで、基調講演に限らず多数のセッションでセキュリティの話題も盛り込まれました。
セキュリティ保護に関連して、テーマの一つとされていたのが「BYOD(=Bring Your Own Device」です。従業員の個人用iPhoneを、会社用デバイスとしても使うにはどうしたらいいか?ということで、セッション中には入社したばかりの社員と情報システム担当者のやりとりを想定したデモもありました。Jamf製品を導入することで個人のプライバシー情報と組織のセキュリティを完全に保護することができる、というメッセージが伝わってくる内容でした。
基調講演の最後には狩野氏からユーザー体験の重要性と、Jamfが信頼されるテクノロジー・ソリューションの提供を目指すことが述べられ、Jamf Nation Live Tokyo 2023が開幕となりました。
【ゼロトラスト】Jamfで実現!Appleデバイス×ゼロトラストセキュリティ
Jamf Japan合同会社 / セキュリティ アカウント エグゼクティブ 大橋 洋平氏
Jamf Japan合同会社 大橋氏からは、昨今注目度が高まっているゼロトラストをJamfで実現する方法について講演がありました。
現在Jamf社は、「Jamf Trusted Access」と呼ばれるビジョンに基づき、セキュリティ製品の拡大に力を入れています。
「Jamf Trusted Access」とは、企業にとっての重要な情報へのアクセスを、
「登録済デバイス (= Manage)」「認可済ユーザ(= Connect)」「安全なデバイス (= Protect)」
に制限することで保護していくものです。
大橋氏によると、Appleデバイスのシェアが増加したことにより、今後ますますAppleデバイス向けの攻撃が増加する見込みがあるとのこと。
社員や生徒が使用するAppleデバイスを守るためにも、製品軸のBest of Breedだけではなく、OS軸でのBest of Breedで製品を選ぶ視点も必要であるとお話いただきました。
【お客様事例】社員のやる気と業務効率、幸福度を向上させる職場の作り方 ~サイボウズ社のCYODの実態~
サイボウズ株式会社 / 運用本部情報システム部 青木 哲朗氏
サイボウズ株式会社青木氏からはPCの選択制による業務効率と社員の幸福度向上に関する講演がありました。
青木氏によると、PCの選択制といった多様な働き方を認め、ぞれぞれに合わせた環境を構築することが、業務効率を向上させ、個人の幸福度の向上にもつながったとのことです。
実際に、社内の人事制度と情報システム部の改革で売上上昇と離職率の低下に貢献し、「感謝される情シス」になれたことは喜びだとお話しされていました。
「100人いれば、100通りの働き方があって良い」という人事制度のもと、バックオフィス部門はビジネスを支える部門のため投資すべき対象であるというIT戦略のお話が印象的でした。
【CYOD】MacとWindows PCの混在環境でのデバイス管理方法、お教えします!
Jamf Japan合同会社 / ビジネスディベロップメント 金崎 崇氏
Jamf Japan合同会社 金崎氏からは、MacとWindows PC混在環境の具体的なデバイス管理についての話がありました。
1つのMDMによるMacとWindows PCの一元管理は、一見するとスマートに見えますよね。しかし金崎氏によると、MacとWindowsの管理にそれぞれ別のMDMを使い、2種類のMDMを組み合わせることこそが結果的に効率的にはたらくと言います。
こういったMDMを組み合わせて導入している企業として、TooからJamf製品をご導入いただいているサイボウズ株式会社様、シンプレクス株式会社様も例に挙げられていました。
「MacとWindowsは共存できます!」とお話しされていたように、MacかWindows PCか、ではなく、共存させることでさらに業務効率の向上を図ることができるとのことでした。
こちらのセッションは注目度も高く、立ち見が出るほど会場も満員でした。CYOD(Choose Your Own Device:使用端末を使用者自身で選択すること)は今後のトレンドになりそうです。
【GIGAスクール】学習効果の見える化に貢献! ~Jamf Data PolicyによるiPad利用状況データの取得と活用方法~
Jamf Japan合同会社 / 文教営業部マネージャー 吉野 啓介氏
GIGAスクール構想とJamf Data Policyについて語ったのはJamf Japan合同会社 吉野氏。デバイスの利活用が進むにつれて発生する、セキュリティリスクへの対応について講演されました。
GIGAスクール構想により、生徒が一人一台デバイスを持つようになったことをご存知の方も多いのではないでしょうか。デバイスの配備が実現したことで、教育現場におけるセキュリティ保護の重要性が指摘されています。
そこでJamf社から新たに登場したのがJamf Data Policyです。
Jamf Data Policyではコンテンツフィルタリング、アクセス状況の把握が可能となるため、教育現場で大いに活用できることが見込まれます。
また、Jamf ProとJamf Data Policyを連携することでさらに便利にデバイス管理を行えるため、併用をおすすめされていました。
【医療】ニーズが高まる医療現場でのApple デバイスの活用 ~ベストプラクティスとその管理~
Jamf Japan合同会社 / ビジネス ディベロップメント 伊藤 優輔氏
医療現場へのMDM導入についてはJamf Japan合同会社の伊藤氏が講演を行いました。
病院にMDMを導入することの意義は「業務を止めずにデバイス管理を行う」ことと語った伊藤氏。医師や看護師の長時間労働が課題となっている医療現場の働き方改革にも、Jamf Proの導入は効果的とのこと。Appleデバイスを導入し、チャットアプリの使用から始め、院外のアクセス、院内業務効率化へと展開していき、最終的には働き方改革に繋げることができるといいます。
セッション内では、医療現場にAppleデバイスとJamf Proを導入した場合の効果が数字で示されました。院内外で電子カルテを閲覧できるようにしたことで、3ヶ月間における時間外労働を一人当たり22.3時間も削減できた、というデータは非常に印象的でした。
AppleデバイスとJamf Proを導入することで、これからの医療のために新しい働き方を提供できる、としてセッションは締め括られました。
【お客様事例】事業の成長とともに走るコーポレートITの取り組み ~タクシーアプリ「GO」を展開するMobility Technologiesの事例~
株式会社Mobility Technologies / IT戦略部 部長 稲葉 祥紀氏
タクシーアプリ「GO」を展開する株式会社Mobility Technologiesの稲葉氏からは、事業統合により混迷を極めた2020年からのコーポレートITの取り組みと、社内デバイスの管理についてお話しいただきました。
社内でアンケートをとったところ、「デバイスを選択できるか重視する」と答えた社員はなんと79.5%を占めたそうです。実際にMobility Technologiesでは、Mac600台とWindows PC600台が混在していますが、Jamf ProとMicrosoft Intuneを併用・連携することで、どちらも同じ基準でコントロールできているといいます。Jamf社のサポート品質の高さもあり、Macの管理は管理者にとって難しくないとお話しされていました。
稲葉氏は、AかBかではなく、「ちょうどいいプランC」を模索する考え方を大切にしているとのこと。IT部門に求められる要件は多く、「自由な働き方」「安全性」どちらかのみではなく、両方を叶えられるプランCを今後も検討していきたい、というお話がありました。
「これからも走り続けるためにITが必要と考えている2つのこと」として、Jamf社が掲げるLove&Trustになぞらえて「柔軟さ(=Love)」「横断力(=Trust)」を挙げた稲葉氏は、同時に、その柔軟さと横断力を社内に向けるだけでなく、「ネットワーク(味方)を作る」ことにもつなげたい、と語り、セッションは終了となりました。
【パネルディスカッション】 Jamfユーザが語るAppleデバイス管理のホンネ
オーティファイ株式会社 / 中西 匠氏
株式会社10X / 佐藤 亮太氏
株式会社Spir / 篠原 祐貴氏
注目セッションとしてTooのJamf Nation Live Tokyo 2023紹介ブログでもピックアップしたこちらのパネルディスカッション。冒頭中西氏から、2022年のJNUC(=Jamf Nation User Conference)参加時にJamf CEO Dean Hagerと笑顔で手ぬぐいを持った写真が共有され、拍手と笑いからスタートしました。
ディスカッションテーマは、「Jamf Pro導入時や端末手配・キッティングの苦労」「企業の正しいIT投資とは?」「Jamf運用担当の人数」など多岐にわたり、実際にJamf ProでAppleデバイスの管理を実現している管理者の皆様の体験談がとても勉強になりました。
Jamf Pro導入時の苦労に関しては、MDM導入へのネガティブなイメージへの対応や、経営層への説明の難しさを挙げられており、開発と並行してキッティングや故障に対応する負荷の軽減の必要性をご説明することで納得してもらった、といった現場目線のリアルな声を聞くことができました。
端末手配・キッティングに関しては、Macの調達のしやすさや、Jamf ProとJamf Connectを導入することでゼロタッチができること、様々なキャリアのユーザーにすぐに慣れてもらえる点が挙げられており、Macの導入に関してポジティブに捉えられている方が多い印象でした。
また、IT投資の重要性を現場から上に伝え、理解してもらうのが大事というお話や、将来の損失の大きさを理解して投資していく必要があるといった、「企業におけるIT投資」の話題も盛り上がりました。
立ち見の参加者も出るほど人気のディスカッションでしたが、最後は「Jamfの運用担当者が少なくて苦労している管理者は、是非JMUG(= Jamf Macadmin User Group) Meetupに来て相談してください!」という言葉で締めくくられました。
【お客様事例】創業90年の老舗企業が実践する、Apple+Jamfを活用したグローカル戦略
大和鋼菅工業株式会社 / 代表取締役社長 中村 慎市郎氏
Jamf Japan合同会社 / カントリーマネージャー 狩野 央道
全てのセッションの最後を締め括ったのは、大和鋼菅工業株式会社 中村氏とJamf Japan合同会社 狩野氏による対談形式のセッションです。
中村氏は情シスからキャリアをスタートされており、経営者/情シスの両方の視点から、Macを標準PCとして導入されている意図をお話いただきました。
Macを標準PCとして選んだ理由をお話しされる中で、デバイスは目に見えるコストだけでなく、使いやすさ、とっつきやすさ、持っていて嬉しいと思える、そういった「従業員のハートが変わる」ことも意識した、とおっしゃっていたのが印象的でした。
製造業として、データを守るためにセキュリティはかなり重視されているとのことで、Jamf ProとJamf Connectで、デバイス周りのセキュリティを担保し、中央での集中管理を実現しています。
セッションの最後には中村氏より、情シス全体へのメッセージとして、「システムと人の両方を理解し、一人ひとり工夫することが生産性の向上につながります。情シスは普遍的にありながらしっかりそこに存在している、『空気のような存在』であってほしい」という言葉が贈られました。
まとめ
Jamf製品の説明にとどまらず、Appleデバイスの導入に関する内容まで盛りだくさんだったJamf Nation Live Tokyo 2023。様々な業界でのAppleデバイス・Jamf製品の導入事例を聞くことができましたし、組織でデバイス管理を担当している管理者同士の交流も会場内の各地で行われていました。
Jamf製品の導入・運用管理に関するご相談など、気になることがありましたら、ぜひTooにお気軽にお問い合わせください。
記事は2023年3月13日現在の内容です。
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