校務DXで働き方改革!校務をデジタル化するために必要なこととは?

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    2023年以降、教育業界において頻出ワードとなった「校務DX」。

    校務のデジタル化が喚起されるようになった背景には、仕事をできる場所が職員室に限定され、教育ICTの流れに適合できていない業界の実態があります。
    この場所的な制約は、ICTを停滞させうるだけでなく、教員の働き方改革の妨げともなります。
    教員の負担軽減や、業務の質向上を目指す上で、柔軟な働き方の実現は不可欠です。

    そんな校務DXは、文部科学省より推進のための方向性が示されています。
    本ブログではこの取り組みに焦点を当て、どのような効果が期待できるのか、実現するにはどんな要素が必要か、文科省の示す方向性に基づいてご紹介します。

    〈参考〉GIGAスクール構想の下での校務DXについて ~教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化を目指して~|文部科学省外部サイト

    校務DXにより期待できること

    冒頭でもお伝えした通り、校務のデジタル化は教育ICTの土台となるだけでなく教員の働きやすさ向上にも繋がります。

    現状、多くの教育機関では校務支援システムを自前のサーバーに設置し、職員室固定の校務用デバイスからのアクセスをメインとした運用を行っています。
    さらに紙をベースとした業務も依然残っており、業務に関わる文書や職員会議で配布する資料など、ペーパーレス化が十分に進んでいない学校も少なくありません。

    このように校務処理がネットワークや媒体物による制約を受けると、教員は自ら働き方を選ぶことができません。
    場所の制約を受けずに校務を処理できる環境を作ることは、テレワークなど教員の働き方の選択肢を増やし、ライフワークバランスを守る上で重要な項目だと言えるでしょう。

    校務DXの効果は、以下の3つの観点においてそれぞれ期待することができます。

    • 教職員・保護者間の連携
    • 教職員・児童生徒間の連携
    • 学校内の連携

    教員・保護者間の連携

    ・保護者から学校への出欠連絡・問い合わせ・提出物をクラウドツールから受付
    ・学校説明会や保護者面談をオンライン形式で実施し、資料の印刷・配付、会場の設営・受付業務が不要に
    ・各種徴収金の集金をデジタル化し、徴収金の紛失を防ぎ、徴収の手間を削減

    学校と保護者間の連絡をデジタル化することにより、コミュニケーションに伴う準備や作業時間を大幅に削減することができます。
    教員の業務時間外の対応が減って働き方の改善に繋がるだけでなく、保護者も任意のタイミングで学校へ連絡できることによって満足度の向上が見込めます。

    教員・児童生徒間の連携

    ・時間割やテスト範囲等の各種連絡をクラウドツールへ移行し、配布物の紛失を防止
    ・課題や小テストをクラウドツールやデジタルドリル教材で配布し、宿題の作成・採点をデジタル化

    教員から生徒への配布物や課題類は、紙媒体で用意するのが主流でした。
    これらをデジタル化することで、配布物の紛失を防いだり印刷コストを削減したりできます。
    また、課題や小テストの提出状況も一括で確認できますし、集計を自動化できるという点も大きなメリットです。

    学校内の連携

    ・教員が作成した教材をデジタル化し、共有可能にすることで、新たに作成する資料を削減
    ・会議や研修で配布する資料をクラウドツールで連携し、印刷コスト削減
    ・会議や研修のオンライン参加・オンデマンド視聴を可能にし、出席率の向上や働き方の改善に
    ・授業研究会や校内研修をチャット機能や付箋ソフト、共同編集機能を取り入れ、研修効果を向上
    ・事務手続きに関わる書類のペーパーレス化を徹底することでセキュリティ強化

    校務処理や会議、研修など、教員の業務は時間と場所の制約を強く受けるものが多くあります。
    資料のペーパーレス化、ロケーションフリーな環境の整備を実現することは、教員の業務量の軽減や働き方の改善に繋がります。
    さらにクラウドツールに教材や研修資料をストックすれば校内で知見を共有できるため、将来的に授業の質向上も期待できるでしょう。

    校務DXの定着状況

    それでは実際のところ、校務DXはどれくらい教育機関に浸透しているのでしょうか?

    文部科学省では令和5年度より、校務DXを推進する際に取り組むことが望ましい項目を整理した「GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト」を作成。
    全国の公立小中学校・公立小中学校の設置者(教育委員会、学校組合)を対象に、このチェックリストに基づく自己点検を実施しています。

    回答率は90%以上となっており、この結果を参照することで、項目別・自治体別に校務DXがどの程度進んでいるのかを確認することができます。

    令和5年度と令和6年度の公立小中学校における定着状況を比較すると、令和6年度は特にクラウドサービスを用いた情報連係の項目が伸びているのがわかります。

    (出典)GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト~学校・学校設置者の自己点検結果~〔速報値〕|文部科学省
    https://www.mext.go.jp/content/20241225-mxt_jogai01-000033278_01.pdf

    特に、下記の学校・保護者間の連絡に関する項目については定着率が大幅に伸びただけでなく、実際に教職員の働き方の改善に効果があったとの結果も出ています。
    校務DXの肝はクラウドサービスの活用と言えそうです。

    (出典)GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト~学校・学校設置者の自己点検結果~〔速報値〕|文部科学省
    https://www.mext.go.jp/content/20241225-mxt_jogai01-000033278_01.pdf

    一方で、校務DXの進捗状況は学校間で大きな差があるのが現状。
    地域・都道府県によって進捗度合いに大きな差があります。

    (出典)校務DXの取組に関するダッシュボード(2024年12月26日時点)|デジタル庁
    https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard/school-affairs-dx#guidance1

    校務DXを実現するために必要な要素

    なぜDX化が進まないのでしょうか?
    点検結果の「校務DXの取組が進んでいない項目について、取組が進まない要因」の上位3つを参照すると、なぜDX化が進まないのか、そのわけが見えてきます。

    【 校務DXの取組が進んでいない項目について、取組が進まない要因 】
    1位 取り組みの実施について学校内で検討する時間がない(42.6%)
    2位 教育委員会により環境面(ツール・セキュリティ等)が整備されていない(33.7%)
    3位 環境面・ルールは問題ないが、ICT活用に対して不安がある(29.6%)

    (引用)GIGAスクール構想の下での校務DXチェックリスト~学校・学校設置者の自己点検結果~〔速報値〕|文部科学省
    https://www.mext.go.jp/content/20241225-mxt_jogai01-000033278_01.pdf

    校務DXによる改善を求められている「教員の働き方」ですが、1位で「取り組みの実施について学校内で検討する時間がない」の項目が上がっているのがなんとも皮肉…。
    また時間的な問題だけでなく、ICT環境が未整備だったりICTが十分に活用されていなかったりする点も、およそ3割の学校から要因として上がっています。

    ところで文部科学省は校務DXについて、『標準的なGIGAスクール環境の徹底的な活用により実行可能』と述べています。
    標準的なGIGAスクール環境とはこの3点です。

    【 標準的なGIGAスクール環境 】
    ・生徒1人1台端末
    ・教師1人1台端末
    ・クラウド環境

    つまり、これらを押さえることができれば、校務DXを進める環境が整うということです。
    生徒・教員の一人一台端末については、GIGAスクール構想をはじめとするICT教育の推進に伴い、すでに導入が完了している学校も多いでしょう。
    環境が整っていない学校については学校設置者の責任のもと整備を進めるよう、文部科学省からも呼びかけがなされています。

    一点留意すべきなのは、生徒用デバイスと教員用デバイスでOSが統一されているかどうかです。

    異なるOSを使用すると、互換性がないファイルの文字化けやクラウド経由必須のデータ連携など、ちょっとした作業においても支障をきたす場合があります。
    OSを統一することで、そういった支障を一掃し、学習や業務に集中できる環境を作ることができます。

    特に、iPad・MacなどAppleデバイス間においてそのメリットは顕著です。
    生徒用デバイスはiPadなのに、教員デバイスにはWindowsやChromebookなど互換性のないOSを採用している…心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

    OSを統一するメリット

    生徒用デバイスと教員用デバイスのOSを統一すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
    主なメリットとしては、この3つが挙げられます。

    • 作業効率の向上

    • 手軽なデータ連携

    • 幅広いAppを使用可能

    作業効率の向上

    Appleデバイスには共同編集という機能があります。Pages、Numbers、Keynoteといった書類作成Appにおいて、複数名で一つの書類を編集できる機能です。
    クラウドを介さず、Mac・iPadのいずれからでもローカルから最新の状態の書類を確認できるので、ストレスなく作業に移れるのがポイント。

    生徒がグループワークで編集しているデータにリアルタイムで先生が書き込んだり、教員複数人で書類作成に取り掛かったりする際にお役立ちな機能です。

    手軽なデータ連携

    Appleデバイスの大きな強みは、iPhone・iPad・Macなど、デバイス間の連係機能に優れている点です。
    例えば生徒にプリントや参考資料を共有するとき、URLをチャットに貼ったりクラウドデータを経由したりしていませんか?
    Appleデバイスを使えば、AirDropで一瞬で共有することができます。

    休み時間や放課後など限られた時間内でもスムーズにデータを共有することで、ロスタイムをなくし、業務効率の向上に繋がります。

    幅広いAppを使用可能

    MacやiPadなどのAppleデバイスでは、標準搭載されているAppしか使えないのでは?そう思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
    AppleデバイスではMicrosoft 365はもちろん、Google Workspace、アドビ製品など、多種多様なAppを使用することができます。

    編集中のデータがあるから今使用しているAppをそのまま使い続けたい、使い慣れているWordやPowerPointから移行するのは抵抗がある…そのようなニーズにもAppleデバイスはお応えします。

    まとめ

    校務DXの推進は教育ICTの土台となるだけでなく、教員の働き方改革にも大きく貢献します。
    より良い学習環境・職場環境を整えるために、統一したOSで教員と生徒のデバイスを調達することが重要です。

    とはいえ、そのデバイス選定や環境構築の検討時間が取れないというのが正直なところ…。
    おすすめはデバイスの調達から運用まで、一連のサポートが可能な業者を選ぶことです。

    それぞれ異なる企業へ発注すると、デバイスやネットワーク環境にトラブルが生じたときの連絡や、トラブル内容の切り分けが煩雑になってしまいます。
    また、デバイス調達のほかにお困りごとがあった場合も併せて相談することができます。

    Tooではデバイスの調達から導入後の運用、保守、活用まで、トータルサポート可能です。
    デバイス調達・環境構築でお困りの方は、ぜひお問い合わせください。

    記事は2025年3月 7日現在の内容です。

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