M1・M1 Pro・M1 Max !? 最新チップの性能を確認し、最適な選び方を考えよう!

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    業務用MacBookのスペックを比較しよう

    2021年10月18日に新しいMacBook Proの発売が発表され、新製品に搭載される新しいチップ「M1 Pro」「M1 Max」についても明らかになりました。

    昨年登場した「M1」チップに加えて、さらに新しい2つのチップが登場し、「M1」「M1 Pro」「M1 Max」どれを選べばいいの?とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
    この記事では、M1チップ各種の性能比較に加え、各モデルの注目すべき変更点をご紹介します。

    2022.3追記:さらにM1MAXの上をゆく、M1 Ultraが発表されました!M1 Ultraは20基(高性能コア×16+高効率コア×4)のCPUコアと64基のGPUコア、32基のニューラルエンジンコアを実装。最大RAM容量も128GBまでとなりました。
    2022.6追記:M2チップを搭載した新機種が発表されました!
    2023.10追記:M3チップを搭載した新機種が発表されました!

    旧Intelモデルを含むスペック比較

    パソコンのスペックを見比べるのは難しい作業です。
    数字の向上だけで使い勝手を全て測れるわけではありません。
    部品の性能向上やハードウェアのレスポンス向上、OSとの連動性など、触ってみなければ分からない要素がたくさんあります。

    しかし全ての機種を触って比較できる訳ではありませんので、上記を念頭に置いた上でMacBook Pro各製品の比較を行ってみたいと思います。
    よく見られるポイントは、以下の通りです。

    CPU:
    パソコンの脳にあたり全体に指令を出すメインチップです。CPUが増えると計算や作業の処理速度が速くなります。

    GPU:
    画像処理や並列な処理が得意で、GPUが増えると画像や映像・3Dの処理速度が速くなります。

    メモリ:
    CPUが処理をする際に使用できる領域のことで、メモリが大きいほど一度に複数のソフトを快適に動かすことができるようになります。

    メモリ帯域幅:
    1秒間に転送できるデータ量です。メモリ帯域幅が大きいほど、大容量のデータを速く転送できるようになります。

    「2021年発売のM1 Pro/Max搭載 MacBook Pro」
    「2020年発売のM1搭載 MacBook Pro」
    旧モデルである「Intel搭載 MacBook Pro」
    でどんなスペックを組むことができるか、一覧にしてみました。

      M1 Max M1 Pro M1 Intel(終売品)
    発売時期 2021年10月 2021年10月 2020年10月 2019年7月
    CPU 最大10コア 最大10コア 8コア 4コア
    GPU 最大32コア 最大16コア 8コア 4コア
    ※Intel Iris Plus Graphics 655
    Neural Engine 16コア 16コア 16コア 8コア
    メモリ帯域幅 400GBps 200GBps 68.25GBps -
    最大メモリ容量 64GB 32GB 16GB 16GB
    バッテリー 最大21時間
    (ビデオ再生)

    14インチ:最大17時間

    16インチ:最大21時間

    最大20時間
    (ビデオ再生)
    最大10時間
    (ビデオ再生)

    ※Intelチップを搭載したMacBookシリーズは2021年に終売となり、デスクトップタイプのみが購入可能となっています。(2021年11月現在)

    旧機種に比べたM1チップの性能向上、そして最新機種のさらに強化されたスペックは並べて見るとよくわかります。

    変更点ピックアップ

    パフォーマンス向上

    今回の変更で最も特筆すべきポイントが、「チップ変更によるパフォーマンスの向上」です。
    実際にどの程度の処理高速化が見込めるのでしょうか?

      M1 Max M1 Pro M1 Intel(終売品)
    CPU 最大10コア = 最大10コア ×1.7倍高速 8コア ×2.8倍高速 4コア
    GPU 最大32コア ×2倍高速 最大16コア ×2倍高速 8コア ×5倍高速 4コア
    メモリ帯域幅 400GBps ×2倍高速 200GBps ×3倍高速 68.25GBps - -

    ※パフォーマンスは利用するOSやアプリのバージョン、実行する作業によって異なります。

    2020年に発売されたM1チップ搭載端末は、優れた電力性能を保ちつつ、一世代前のものに比べて最大2.8倍のCPU処理速度、グラフィック性能も最大5倍という脅威的な進化を遂げています。

    2021年発売の端末と比較すると、M1 Pro搭載端末ではM1端末に比べてCPUは最大70パーセント高速なパフォーマンス、GPUは最大2倍高速なパフォーマンスを発揮するようです。
    またこれらの端末は単にコア数が向上しただけでなく、効率的に電源管理を行える独自仕様の部品(高性能コアと高効率コア)を搭載しています。

    さらにGPUが増加したM1 Max搭載端末では、M1搭載端末より最大4倍高速なグラフィックパフォーマンスを実現できます。
    画像や映像・3Dの処理速度の大幅な向上により、今までデスクトップPCでしかできなかった高負荷作業が、MacBook Proによりノートパソコンで行えるようになることが期待されます。

    また、メモリ帯域幅も大きく増加しており、M1 ProはM1の3倍近く、M1 MaxはM1の6倍のメモリ帯域幅を実現しています。GPUの進化に寄り添い、大容量のデータを扱う際も高速に送受信できるよう進化しています。

    そして、M1シリーズの進化で発揮される各処理能力は、非常に省電力であるのもポイントです。

    最新の8コアのWindowsノートパソコンのチップと比較し、M1 Proは同じ電力レベルで最大1.7倍高いCPUパフォーマンスに加え、ピークパフォーマンスを最大70%少ない電力で達成します。

    バッテリーと拡張性

    日常の業務で使う端末として、処理能力以外に多くの方が気になるのがバッテリーの保ちと拡張性ではないでしょうか。

    ビデオ再生時のバッテリー駆動時間は、 
    13インチ MacBook Pro(M1) :最大20時間
    14インチMacBook Pro(M1 Pro):最大17時間
    16インチMacBook Pro(M1 Max/ M1 Pro):最大21時間
    となっています。

    一世代前の駆動時間が最大10時間であったことを考えると、M1チップの最大20時間というスコアは大きな伸びと言えました。
    M1 ProはM1よりも処理性能向上を遂げていますが、14インチのMacBook Proを選択した場合、バッテリー駆動時間はM1より劣後することが注意点です。
    業務での使い方に応じて、適切な選択を行う必要があります。

    また、PCとの出入力を行う周辺機器も業務とは切り離せません。
    13インチ MacBook Pro(M1)はThunderbolt / USB 4ポートを2つのみ搭載しています。
    最大40Gb/sのデータ転送や急速充電が可能ですが、場合によってはアダプターを用意して機器に接続する必要があります。

    14インチ・16インチMacBook Pro(M1 Max/ M1 Pro)では、下記のポートが増え、周辺機器との拡張性がアップしました。

    • MagSafe3:充電ポートが以前の磁石式に
    • Thunderbolt4 ×3:最大40Gb/sでデータ転送が可能
    • HDMI:旧機種から復活。複数台の外付けディスプレイの接続が可能
    • SDXCカードスロット:旧機種から復活。カメラやメディアへの接続が容易に

    特にM1 Proでは最大2枚、M1 Maxでは最大4枚可能となった複数ディスプレイへの出力は、業務で助かる方もいるのではないでしょうか

    ハードウェア性能

    ポートの増加以外にも、2021年発売のMacBook Proのハードウェア性能は変化しています。

    M1搭載のMacBook Proは500ニットの高輝度で227ppiの画素密度、数百万色以上対応。高精細なRetinaディスプレイを搭載しています。

    M1 Max/M1 Pro搭載のMacBook Proのディスプレイは、iPad Proでも使われているミニLEDテクノロジーを採用したLiquid Retina XDRとなっています。
    より深い黒の色合いや、鮮やかなカラー、滑らかなグラデーションを表現できるようになりました。
    映像やグラフィックの業務に携わる方には嬉しい進化です。
    また、カメラの左右にまでディスプレイが広がり、より広い領域にコンテンツを表示できまます。

    また、新しいMacBook Proではリフレッシュレート(1秒間に画像を書き換える回数)が向上したこともポイントです。
    ProMotionテクノロジーによる最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートにより、元々スムーズなMacのトラックパッドの操作がさらに直感的に、スムーズに動作します。

    カメラとマイクの品質も向上しています。
    M1 Max/M1 Pro搭載のMacBook Proは、M1と比べて解像度が2倍の1080p FaceTime HDカメラを搭載。解像度と明るさが足りない環境でも、自然なスキントーンで写してくれます。
    マイクはスタジオ品質の3つマイクを搭載し、雑音を減らして、よりクリアな通話や音声録音を実現させています。

    業務シーンに合わせたチップの選び方

    M1/M1 Pro/ M1 Max のおすすめポイントとともに、どんな業務を行う方に合っているかイメージしてみましょう。
    ※あくまで参考程度にご覧ください!

    オフィスワークがメインの方 > M1チップ

    頻繁に使うアプリ: Microsoft Word/Excel/PowerPoint/ウェブブラウザ/オンライン会議システム

    ビジネス資料の作成やWEBアプリによる業務を主に行う方は、 M1チップ搭載端末のスペックで高速に作業を行うことが可能です。
    高性能な8コアCPUのMacBook Proで、オンライン会議を行いながらの資料参照やブラウジングもスムーズに行えます。

    バッテリーの最大駆動時間が長いため、リモートワーク・外で仕事をする機会が多い方にもおすすめです。
    画像や動画の編集も、ビジネス用途の簡易なものであれば十分にこなすことができるでしょう。(クリエイティブ業務の比率が多い方は、メモリやストレージをカスタマイズすることをお勧めします。)

    事務業務の割合が多く、コストを重視する場合はM1チップ搭載のMacBook Airも選択肢になります。

    画像編集・デザイン制作・音楽制作・開発などをされる方 / ビデオ会議が多い方 > M1 Proチップ

    Adobe系のデザイン制作ソフトをメインに使ったり、高解像度の写真の処理やデザインデータを多く取り扱う方には、M1 Pro搭載のMacBook Proがお勧めです。

    例えばPhotoshopで人物を選択する際には、人工知能(Adobe Sensei)が動いています。 M1 Proはそんな人工知能の処理も高速で実行するため、背景切り抜きの処理等をより快適に行うことができます。

    [参考値]
    Adobe Photoshopで画像内の被写体を選択する際のパフォーマンスは最大2.6倍になっています。

    また、M1 Proはテレワークやオンラインでのプレゼンテーションの機会が多い方にもぴったりです。

    コロナ禍で定着したビデオ会議ですが、プレゼン中にPCが固まらないか気になったり、カメラの映像が不明瞭だったり、そんなお悩みをお抱えの方も多いのではないでしょうか?

    新しいMacBook Proでは1080pFaceTime HDカメラとスタジオ品質のマイクで、自宅の部屋の明るさが足りない時でもきれいな画質・クリアな音質で通話をすることができます。
    処理能力もM1より高いので、より安定してプレゼンテーションを行えるでしょう。

    長時間やリアルタイムの映像編集をされる方 / 計算処理や大容量のデータを扱う方 > M1 Max

    4Kや8Kの映像編集、映画を制作したり、高速な動画編集が求められる現場など、大容量のデータを扱う方にはM1 Max搭載の16インチ MacBook Proがおすすめです。

    M1 Maxのグラフィックス処理のスピードとメモリ帯域幅は、M1 Proの2倍です。デコードのための専用メディアエンジンを1つ、エンコードのための専用メディアエンジンを2つ内蔵しているため、ビデオエンコーディングのスピードは最大2倍となっています。
    ノートパソコンでも映像編集に十分対応できる性能を備えています。

    ・メディアエンジンにProResアクセラレータを追加→高速で電力効率の高いビデオ処理を実現
    ・Final Cut Proで4K ProResビデオストリームを最大30本、または8K ProResビデオストリームを最大7本編集可能

    M1 Max搭載の16インチ MacBook Proでは4台までディスプレイ接続が可能で、オフィスや自宅での作業もより快適に行えるでしょう。 また、電源に非接続時でも、接続中と同レベルのパフォーマンスが可能なため、場所に捉われずに動画編集を行えます。

    ・バッテリー駆動で8K ProRes 4444ビデオをHDRでカラーグレーディング(Mac史上初)

    端末価格を許容できれば、ぜひM1 Maxの処理速度を用いて業務を行なってみたいですね。

    高性能な端末になるとその分価格も高くなりますので、Apple Financial Servicesといったリース契約などを上手く用いて導入されることをお勧めします。

    記事は2021年10月28日現在の内容です。

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