文書管理を徹底することで、業務上で必要な書類をすぐに見つけ出すことができますし、適切な管理体制を構築することでセキュリティ対策にもつながります。ただ「文書管理って何なのかがよくわからない」「文書管理を効率的に進めるにはどうすればよいのか」と考える担当者も多いのではないでしょうか。重要度を理解していても、多忙でなかなか文書管理まで手が回らない場合もあるでしょう。
文書管理を徹底しないと、情報漏えいにつながる可能性が高くなり、後で大損害を受けてしまうかもしれません。本記事では、文書管理の目的と効率的な文書管理の方法について解説します。文書管理の電子化を進める方法も解説するので、参考にしてください。
文書管理とは社内のさまざまな文書を管理することです。文書には作成・整理・保存・廃棄のサイクルがあり、これを一元管理することを意味します。
適切な文書管理はリスクマネジメントの観点からも重要で、法律による保管が義務付けられた文書や機密性の高い文書の管理ができていれば、セキュリティ対策につながります。文書管理には、保管だけではなく活用のしやすさや送受信のスムーズさも含まれるので、閲覧したいときにいつでも閲覧できる状態にすることも大切です。
これらから文書管理は重要性が高いことがわかります。なお、文書管理とは紙の書類で行うことだけでなく、社内の紙文書を電子データ化して自社サーバーやクラウド上で管理することも含まれます。
文書管理の目的・メリットは、主に次の3つです。
1 業務効率化
文書管理を適切に行うことで、業務効率化による生産性の向上が期待できます。企業には契約書・請求書などの業務上で発生する文書があり、業務にあたって文書の内容確認が必要な場面もあるでしょう。文書管理が適切に行われていれば、必要な情報を素早く閲覧でき、時間を有効に活用できます。
文書を電子データ化すればクラウド上での管理ができるので、時間・場所に縛られずに閲覧可能となり、さらなる業務効率化が期待できるでしょう。
2 顧客満足度の向上
文書管理は顧客満足度の向上にもつながります。文書管理ができていないと、顧客からの問い合わせがあった際、誤った情報を伝えてしまう可能性があります。
しかし、文書管理が徹底できていれば、問い合わせに対して速やかに正確な情報を返せるので、顧客にとっての利便性が向上し、企業の説明責任能力を果たすことにもなります。
3 スペースの有効利用
適切な文書管理は保管スペースの有効活用にもつながります。紙の書類で文書を保管する場合、保管スペースの確保に棚やラックを使用しますが、全ての文書を保管するにはスペースを広く取る必要があり、多大なコストがかかります。
しかし、文書の保管ルールを定め、定期的に文書を廃棄することでスペースを有効に使うことができ、コスト削減も可能です。
文書管理を効率的に進めるためのポイントを押さえておきましょう。
社内の文書管理ルールを徹底する
社内の文書管理規定・マニュアルを作成します。文書管理ルールを社内で統一すれば、部署間で同じルールに沿って文書を管理するので、管理方法の違いによる保存情報の散乱を防げます。
ルール制定の際は保存する文書の種類を明確にし、保存期間や場所・ファイル名決定時のルール・確認と保管の権限を誰に委ねるかなども明記しておきます。保存すべき文書の種類や保存期間等がわかれば、社員が混乱せずに文書を管理可能です。
紙の書類と電子データでは保存場所や閲覧方法などが異なるので、媒体ごとのマニュアルを用意しておくと、混乱を防げます。また、設定した文書管理規程・マニュアルは社内全体に通知しましょう。通知が徹底できていないと保存場所がわからなくなるなど、問題が生じる可能性があります。各部署の代表に文書管理規定を伝えて部署内で共有してもらう・社員に研修を受けてもらうなどの方法で、管理規定の通知をしましょう。
文書の種類・部署に応じて分類する
文書は種類別・部署別に分類することで、探す時間が短縮できます。顧客や取引先の情報と社内の業務関連情報を分け、そこから書類型式別や内容別に分類する・内容別に分類後に大まかな分類を行うなど、業務に適した分類を行いましょう。
書類を電子データ化し、クラウド上で書類を保管・分類すれば、離れた場所からもルールに応じて電子文書を格納することができるため、さらなる業務効率化が期待できます。
文書管理システムを導入する
文書管理システムは文書保管・廃棄を一元管理できるシステムです。紙媒体と電子媒体の文書を比較すると、電子データのほうが効率性・活用のしやすさなどから管理がしやすいです。
ただし、電子データでも、文書の分類・管理は手作業で行う場合があります。また保存した電子データをほかの社員が誤って削除してしまうことや、きちんと分類したはずの電子データが見つからないこともあるかもしれません。しかし、文書管理システムであれば、高度な検索機能によって文書を探し出すことやセキュリティ機能により人為的なミスを防ぐことが可能です。
文書管理をする際は次の2つの注意点を押さえておきましょう。
保管と保存の定義を混同しない
文書の保管と保存の定義は異なります。保管は必要な書類をすぐに取り出せるようにすることで、保存は使わない書類を書庫などに入れることです。文書のサイクルでは、保管して使用していた文書はやがて使わなくなって保存へと移行します。一般的に、作成してから時間が経っていない文書は使用する機会が多く、古い文書ほど使用機会が減っていくので、所定の期間を定めて保管から保存へと移行させていきましょう。
文書の保存期間を定める
文書管理においては、文書の保存期間を明確にしておかないと保管スペースが圧迫されます。使わなくなった書類でも、必要になったときに備えて一定期間保存しておくことは大切ですが、いつまでも保存しておくわけにはいきません。保管から保存へ移行するときと同じく、所定の保存期間を設けて順に破棄していきます。
法律によって保存期間が定められた書類は保存期間を把握し、期限前の書類を選び、期限を過ぎたら破棄しましょう。
文書管理システムの導入や文書の電子データ化など、文書管理を電子化することでさらなる業務効率化が実現できます。文書管理のデシタル化によるメリットは、次のとおりです。
文書の保管・保存が容易になる
文書管理を電子化すると、保管・保存が容易になり、情報共有の効率化につながります。
電子データでは保管スペースが要らず、自社サーバーやクラウド上に保管することで部署間の情報共有がしやすくなったり、文書の検索が容易になったりします。
さらに文書管理システムと併用すれば、文書のバージョン管理も可能です。また、種類に応じたアクセス権の制限、保管期間の調整などによる、高いセキュリティ性の確保も可能です。
電子帳簿保存法に対応できる
文書管理を電子化すると、電子帳簿保存法に対応できます。
電子帳簿保存法とは、帳簿・書類の電子データ保存を認める法律です。ただし、電子化して保存すればそれでよいわけではなく、訂正や削除の履歴が残る会計システムの利用や、タイムスタンプの付与など所定の要件が求められます。
タイムスタンプの付与は信頼性を担保するために第三者である時刻認証業務認定事業者(TSA)との契約が必要です。文書管理ツールのなかにはタイムスタンプの付与ができるタイプもあります。文書管理ツールを導入する場合は、電子帳簿保存法に対応できるよう、タイムスタンプ機能のあるものを選んでおくといいでしょう。
文書管理を行うことで会社の書類を一元管理することが可能となり、業務効率化・顧客満足度の向上などの多くのメリットにつながります。紙のまま保存すると情報漏えい・紛失のリスクなどがありますが、書類の電子化を進めて文書管理システムで一元管理するようにすると、リスク回避につながります。さらに社内データの情報共有が容易になり、より一層業務の効率化が見込まれるでしょう。
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参考:
文書管理システムとは?導入によって起こる変化と効果的な使い方|Adobe
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記事は2022年9月 1日現在の内容です。